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【お題で嫁を】お題で簡単にSSを作ってみようか【自慢するスレ】

132愛欲が尽きない程度の能力:2010/02/01(月) 21:01:19 ID:1ofn/HG20

「座って。……ちょっと待っててね」
ルーミアはテーブルへ歩いていき、それに座る。
しばらくすると、金髪の女性が二人分の紅茶とクッキーを持ってきた。
ルーミアはそれが置かれた途端に、クッキーを素早く口に運んだ。

「んんー。もぐもぐ。……おいしー」
人肉ほどではないが、美味しい。
甘さが口に広がり、顔を綻ばせた。

「それは良かったわ。……さて。あなた、宵闇の妖怪のルーミアよね?」
「うん、ルーミアだよー」
ルーミアが二枚目のクッキーを口に運ぼうとして答えた。
内心、やはり妖怪を家に連れ込むのは駄目で、すぐに追い出されると思っていたので、その胸は不安でいっぱいだった。

「私はアリス・マーガトロイド。七色の人形遣いって言われてるわ。
 アリスって呼んで構わないわよ」
アリスはそう言うと、ルーミアから窓に目を移した。

「こんなに雨も酷いし……晴れるまでここにいなさい。
 ああ、そうそう。服洗濯するから手伝いなさい」
「せんたくー?」
「まさかあなた洗濯してないの?
 ……どうりで一目見ただけで汚れがわかるはずだわ」
アリスはそう呟きながら、先ほどの服がある部屋のドアを開けて入った。

そこにはギザギザに刻まれた木の板と、先ほどより大きめの桶があった。
アリスはそこに服を入れると、服を木の板にこすりつけた。

「はぁっ、こうやって、服を、こするのよっ」
声を聞くとかなり力を入れているようだ。
アリスは途中で木の板と服を離してルーミアに言った。

「ほら、ルーミア。やりなさい」
「えー。……うん」
ルーミアは桶の中の木の板と服を掴むと、服をこすりつけた。
浅はかな汚れがどんどん水の上に浮かぶ。
ルーミアはしばらく服をこすりつけていたが、アリスに向かって言った。

「ねえー、疲れたぁー」
「我慢しなさいよ。しばらくすれば楽しくなるはずだから」
ルーミアは言っても無駄だと悟り、一心不乱にこすりつけ続けた。

数分後。
ルーミアの手の動きはかなり粗いものとなっていた。
手首を振り子のようにぶんぶんと振るだけである。
だが、ルーミアの顔はかなり楽しい顔となっていた。
一般の人間がやったら精々浅はかな汚れが取れるのみだろうが、ルーミアは妖怪特有の力を込めて振っていた。
つまり力業で、汚れを取っている。

「ぶんぶんー♪」
ルーミアは手首を振りながら鼻歌を歌っていた。

「ちょっと見せてみなさい。……ふんふん。
 汚れがもうほとんど取れてるわ。もうこれで良いわよ」
そうアリスが語りかけると、ルーミアは不満そうな顔をした。

「えー?まだ洗いたいー!」
アリスは頭を抱えると、困ったように窓のカーテンを開けた。
先ほどの雨が嘘のように晴れている。

「もうとっくに雨は上がってるわ。今度、また来なさい」
アリスはできるだけ優しく、子に語りかけるようにルーミアに言った。

「えー。……むー」
ルーミアはしばらく不満そうな顔をしていたが、ぱっと立ちあがった。

「わかった。……今度の雨に、また来るね」
ルーミアは玄関の扉を開けて靴を履いた。

「ええ。―――雨と言わず、いつでもいらっしゃい」
「うん!……ちゃんと、洗濯するもの用意しといてね!」
「わかったわ」
アリスがにこりと笑うと、ルーミアはそれを確認して走り出した。

「バイバイ、アリスー!」
「さようなら、ルーミア」
晴れ、虹のかかった空の下、闇をまとわず走る宵闇の妖怪。

「とても良い図ね」
アリスはルーミアを照らす太陽のように、晴れやかな笑みを見せた。






うおっ長っ
そんじゃお題を出しますねー

お題『時間』
別に咲夜さんを書けって言ってるわけじゃないのよ。
私ルーミアが好きだからーすいません調子乗りましたごめんね


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