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くるしゅた ◆sorryLoV.U
177
:
くるしゅた
◆sorryLoV.U
:2013/04/02(火) 12:55:23
『あたしたち結構むかしはワルだったよ』
私も、ノリ子も、そんなことを地元ではよく言ってたけど、
それは授業中の私語が多くて立たされたり、
風邪とか嘘付いて、一日中NHK教育を見ていたり、
そういったレベルで、
そんなアタシ達にとって
やくざがエレベーターのドアに挟まれてる映像って言ったら!
鼻血が出そうなくらい衝撃映像(ある意味モロ出し)。
それが、今まさに、半径1メートル内。
ノリ子なんて、もう口きけなくなっちゃってる。
かわりに私が謝っちゃったからね。
ヤクザはスーツの襟を正すと、無言でエレベーターに乗り込んできた。
そしてすげぇ形相で私たちの背後に立った。
ドアが閉まった時、アタシ達は思った。
(降りれば良かった・・・。)
(紳士服売り場だろうと、オモチャ売り場だろうと、降りれば良かった・・。)
次にドアが開いた時、私たちは生きてないかも知れない。
頭の中で仁義なき戦いのテーマが流れている。
最初のとこだけ、すごくリフレインされている。
『何階・・ですか・・・?』
名誉挽回とまでにノリ子が聞いた。
すげーノリ子!やくざと会話する気だ!
さすがエレベーターガール根性!
良かったー、あたし、痴漢役で。
『・・ン階』
ヤクザが答えた。
オーケーオーケー
えっと、と・・・
ごめん・・・全然聞き取れなかった・・・。
ノリ子は・・・?
私はノリ子の方を見た。
あ、ダメっぽい・・・。
白目剥いてる。
人差し指がETっぽくなっちゃってる。
ノリ子はゼンマイ仕掛けのような動きで私を見た。
目が『何階・・・?』って問いかけてる。
目、そらしちゃおっかなぁー・・・。
でも・・・
共に歩んできたノリ子との日々が走馬燈のように駆けめぐる。
いじめられてる私をかばってくれた日もあったっけ・・。
私はノリ子の腕を引っ張ると、場所をチェンジし、コントロールパネルの前に立った。
見てなさい、新人!これが真のエレベーターガールよ!
私の心の声に、ノリ子は涙目で何度も頷いた。
私は意を決して、つとめて冷静に言った。
『何階ですか?』
かっけー!
できる女っぽい声でたー!
ちらっとヤクザを振り返りさえしながら。
『・・・ん階。』
・・・・。
それさっきも聞いたし。
そして、もー振りかえんなきゃ良かった・・・。
だってさー振り返ったらさーヤクザ思いっきり懐に手つっこんでんだもーん。
思わずチャカ出るかと思ってさー
そっちに神経いっちゃってさー
全然聞き取れなかったっ!!!
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