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】伯爵婦人のミルクホール【
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あてくしの好きな本で最後のロマノフ家、ニコライ皇帝の娘、ｱﾅｽﾀｼｱに関する
のがござあますの。彼女は皇帝一家が銃殺される際、うまく逃亡することが
でき、ブカレスト経由でﾄﾞｲﾂに入りまして、アメリカに渡るのでござあます。
その方は、自分はｱﾅｽﾀｼｱと言っており、ニコライ皇帝がイギリスに隠しておいた
膨大な財産をイギリス王室がねこばばするため、イギリス、オランダなどの
王室は無事亡命できたロシア皇帝一族と結託し、彼らはロマノフ家と
血縁関係があるのにもかかわらず、彼女は皇女ではない、と妨害するざます。
勿論、皇女だからこそ知っていることをきちんと話しているにもかかわらず
でござあます。ただ革命時恐ろしい体験をされていたからなのか、彼女は重い
神経症となってしまうのでござあます。
ああ、あてくしのﾅﾅﾝｿﾜ-ｽﾞ、ﾁｬﾁｬﾝｿﾜ-ｽﾞがそのような目にあったらどういたしま
しょう。ﾅﾅﾝｿﾜ-ｽﾞの薄いﾌﾞﾙ-の瞳とﾁｬﾁｬﾝｿﾜ-ｽﾞの濃いﾌﾞﾙ-の瞳の色、ﾅﾅﾝｿﾜ-ｽﾞ
の令嬢らしき身のこなし、ﾁｬﾁｬﾝｿﾜ-ｽﾞの行儀の悪さとぶりっ子をするしぐさ。
あてくしと伯爵が彼女たちと会えない中、ふうちゃん様が代わりに面会して
くださるざます。ええ、あてくしは鰹節を託すざます。鰹節の袋を見るだけで
顔が変わるようでござあましたら、まちがいござあません。
ほ-っほっほっほ。ほーっほっほっほ。
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