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【抱腹】ワンだ日記【絶倒】

449お茶目な名無しさん:2003/01/17(金) 00:38
この地に住んではやうん十年。
それなのにああそれなのにそれなのに、せっかくこんな辺鄙な町を訪れて
くれた方に教える事ができないとは、まさに武士の名折れでござる。
私はその場でがっくりと膝を落とし、自らの不明を恥じ、かくなる上は
土地のみなの衆に成り代わり腹かっさばいてお詫びをしようと、腰の妖刀
ハルサメを、ハルヤマだったっけ?ムラシマかな?ムラサマ?
ま、そこんとこはどうでもいいや、とにかく我が家に代々伝わるアレをすらりと
引き抜きすっぱりと横一文字に。。。。
と、ちょうどその時私の脳内スーパーパソコンの検索が1軒のホテル名を
ヒット。もしやその○○館というのは数年前経営不振に陥って、別会社が
引き継いだというあのホテルではなかろうか。
そうだ、ほぼ間違いないであろう。
私は袴の埃をさっと払い、急ぎふんどしのヒモを引き締め直しながら
すっくと立ち上がると、その御夫人に向かいきっぱりと伝えた。
「旅のお方。わたくしに幾分心当たりがございますれば、なに、遠慮は
ご無用。そちらまでご一緒致しましょう。いざ。いざいざいざいざ。」

他人には親切にするものである。例えばこの何の変哲もない老夫婦。
実は世界屈指の大富豪であるやもしれないではないか。
日々の贅沢三昧に飽きあきして、こんな名も知れぬ土地にふらりと
お忍びで訪れたのかもしれない。
見知らぬ土地で受ける親切とは実に嬉しいものである。
この日は「どうもありがとうございました。」と頭を下げ、その老夫婦は
あっさりとその場を去って行ったが、その後どういう展開になるのかは
誰にも想像ができない。
道を教えた事などすっかり忘れていたある日、馬車に乗った使者が
我が家にやって来て、「あなた様が旅先でご主人様に大層親切に接して
下さった方に間違いございませんね。やっと探し当てる事ができました。
亡くなった大旦那様と大奥様からのご遺言でございます。」




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