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ブラゲスレ緊急避難所part10058
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第3章・穴
A:奴が来たことによって、多くの・・・まあ、数はそれほど多くはなかったが・・・古参プレーヤーたちは大混乱に陥った。
借金は、もうすでに常識になっていたからだ。
だれもが借金を抱えていた。しかも莫大な額を。
ある者はBBSにこう書き込んだ。
『これじゃあ、ダンジョンに潜るゲームじゃなくて、
借金を返すために働くゲームだよ・・・・』
人がゲームをやる理由は、日常や現実、仕事や学校や生活の息抜きのためだ。
それなのにゲームの中でも働かなくちゃいけないなんて!
しかも借金返済という、夢も希望もない理由のために!
みんなそう思った。もちろん俺もな。
多くの者は「ここがやめどきだろう」と判断して、これを切っ掛けに、ゲームから去って行った。
まだ、それほどゲームを進めていなかった者たちは、そのキャラを捨て、新たなキャラを作った。
俺は、迷っていた。
新しいキャラを作る気はなかった。やめどきだろうとは思ったが、ここまで強くしたキャラを捨てるのは何かもったいない気がした。
しかし、あまりにも莫大な借金であり、それを返すには、それなりに時間が掛かる。
もう先のないゲームのキャラのために、そんな手間をかけるは面倒だった。
そんなとき、BBSである人の書き込みを目にする。
その人は、借金の為にゲームを去ることを『夜逃げ』と名付け、それまでのキャラを捨てあらたなキャラを登録することを『自己破産』と名付けた。
そして最後にこう書いていた。
『コツコツまじめに働けば、必ず借金は完済できます。
みなさん頑張りましょう』
おれは、この書き込みを読んで気がついたんだ。
『この莫大な借金は穴である』
ダンジョンと言う穴は攻略しつくし、みんなで埋めてしまった。しかしまだ俺には借金という穴がある。このゲームにはまだ埋めることの出来る穴が残っている・・・とね。
そのことに気がついたのは、俺だけじゃなかった。
BBSには借金返済のために働くことを決意する書き込みが出てきた。
おれたちはそんな書き込みに、エールを送る。
『がんばれよ。俺もがんばるからさ。』
『もうちょっとで完済です!』
『俺はまだ半分・・・・・』
『O日には完済予定です』
『おめー』
俺たちは、以前はダンジョンという穴でつながっていたが、その時は、借金という穴でつながっていた。
そして莫大な借金を労働によって完済した者を祝福した。
『完済、乙です。これでダンジョンに潜れますなー』
しかし、たぶん・・・
借金を完済し終えた奴らは、ダンジョンには潜らなかったんじゃないのかな。
もちろん、潜った奴もいるし、今でも潜ってる奴もいるだろう。
だけど、多くの連中はこう思っていたと、俺は考えるね。
「この借金は、このゲームの最後の穴なのだ。
これを埋めてしまえば、このゲームは終わりだ」てね。
B:あの・・・
A:なに?
B:あなたは完済したんですか?
A:したよ。だいぶ前に。
B:じゃあ、なぜ、やめないんです?このゲーム。
A:・・・・・・・・
A:そうだな・・・なんで、おれは、まだこのゲームをやり続けているのだろう?
借金鳥の年代記・・・終
注意:これは前作のBBSに書き込まれたことを元にして作ったフィクションです。実際の書き込みを元にした台詞もありますが、記憶のみで書いているために正確に引用しておりません。(作者)
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