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音楽指定で即興するけどお題ある?

19二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/02(日) 22:18:48 ID:1fTvy9iE
ああ、空は気持ちいい。
壁がないから。
私の話も、壁を無くしたい。
常識も、しがらみも、全部飛ばして!

ついでに物理法則も破るため、私はくるくる回転して。
空を貫くように!

明日がいっぱいあって、どこへ行こうか迷っちゃう。
うずうず。さあ、いこう。
歌を紡いで、強く!
強く!
速く!
高く!
さあ! さあ! 歌を!
風よ、空よ、虹よ、太陽よ!
みんなへ向けた歌を、一番先に聞かせてあげる!
ららら……
(さあ fly away まで)

20二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/02(日) 22:19:35 ID:1fTvy9iE
空は私が切り裂いて。
傷のように、いつか治るけど。
治ったところは強くなる。
もう負けないように。また笑えるように。
みんなへ夢を。
折れた夢でも、また戻るから。
強く、強くなって。
空を見て。
あなたをいつも見ているよ。
ららら……。
太陽を見て。
あなたをいつも照らしている。
ららら……。
虹を見て。
あなたの涙を、強さに変える。
らら……。

空に歌い。私は飛ぶ!
明日のために、今日のために!
私自身の旅達の歌が響いて。
旅はこれから……!

聞こえてる?
歌えるかな?
私の、歌を!
*終わりッ!

21二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/02(日) 22:20:10 ID:1fTvy9iE
25分ッ! いい感じだ!

>>15
ありがとう!
PVの印象が強くて想ったよりきつかったぜw

22隣りの名無しさん:2006/07/02(日) 22:27:16 ID:0RQ2B7.g
未来
ミスチル!ミスチル!

23二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/02(日) 22:28:18 ID:1fTvy9iE
>>22
すまん……わからんですorz
歌詞だけだときついorz

24隣りの名無しさん:2006/07/02(日) 22:28:52 ID:kPuJ14Yk
カントリーロード!カントリーロード!

25!omikuji:2006/07/02(日) 22:30:00 ID:nF2Gr3bQ
GJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJ
SUGEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEええ
あの曲からよく此処まで駆けるもんだ…。
いや、すんごい面白いです!
thxxx

26二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/02(日) 22:30:15 ID:1fTvy9iE
>>24
なんとなく解るんだけど……歌詞あるかなー
曲が思い浮かぶだけにやりたくあるけど資料がねorz

27二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/02(日) 22:31:00 ID:1fTvy9iE
>>25
thx! 熱いの大好き大好きィィィィィィィィ!!wwww

28二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/02(日) 22:35:09 ID:1fTvy9iE
すんません、英語訳してると時間終わりそうなので雰囲気だけ味わってくださいorz
では――執筆開始

29二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/02(日) 22:45:31 ID:1fTvy9iE
♪カントリーロード

歌を、日課に。
笑顔を、日課に。
そんな、田舎のおうた。
どうでもいい。
でも、どうでも『ある』。
うた。

この道は、何処までも続いている。
どこまでも、遠くの街までも。
小さな田舎の町、私の世界。
私の世界は有限だけど、この道はいつまでも、続いているような気がする。
私の世界を越えた、こんなに長い道。
大好きな、毎日を繰り返させてくれて。
大好きな、毎日を変化させてもくれて。
そんな道。

歌を歌う。小さい頃から変わらない歌。
仕事の合間も、暇なときも。
短い田舎の歌、私の歌。
私の歌はすぐ終わるけれど、この歌はいつまでも、みんなが歌い継ぐ。
私の歌を越えた、みんなの歌。
大好きな、毎日を当然のように彩ってくれて。
大好きな、毎日の疲れ悲しみを消してくれて。
そんな歌。

30二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/02(日) 22:46:12 ID:1fTvy9iE
笑顔は、毎日欠かさないでいる。
いつまでも、でも毎回変化がある。
ささやかな笑顔、私の笑顔。
私の笑顔はそれっきりだけど、この笑顔がみんなを笑顔にしていると願い。
私の笑顔を越えた、みんなの安らぎへ。
大好きな、毎日みんなにふりまいて。
大好きな、毎日明るくさせるような。
そんな笑顔。

簡単な、うた。
でも、大事な事を。
忘れる事の無いように、歌われる。
――うた。

31二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/02(日) 22:46:42 ID:1fTvy9iE
あはっはははははは
ゴメンorz

11分でした まる

32二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/02(日) 22:51:38 ID:1fTvy9iE
わりと後悔したorz

33二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/02(日) 22:54:35 ID:1fTvy9iE
まだ受付中 インストでもいいよ
BGM、こっちで把握できるならなんだってこいやー

つってもネタすぎるのは勘弁、イメージが無理orz

34>>13:2006/07/02(日) 22:59:01 ID:G2M7PYX2
GJ!!癒されるような優しい感じがしました。

こんなのはどうでしょう。
プレインエイジア
東方系の曲なんですけど、先入観無しの方が表現の幅が広がるかと思います。
http://www.geocities.jp/brilliantsilkroad/
の入り口はいって東方華旋律ってところに耳コピのmp3があります。

上海アリス幻樂団は、なんか不思議な感じのする楽曲が多いんです。
好きな曲なんですが、自分はコレ聞いても具体的なイメージが浮かんでこなかったので二郎剤さんならどうかな…と。

35二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/02(日) 23:02:36 ID:1fTvy9iE
>>34
把握!
当方系はピアノが目立つっすね

やってみますわー!

36隣りの名無しさん:2006/07/02(日) 23:06:05 ID:kPuJ14Yk
ぶっ壊れていただく!

夏マシ

37隣りの名無しさん:2006/07/02(日) 23:14:06 ID:P6llMuPI
アゲハ蝶でFA

38二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/02(日) 23:18:55 ID:1fTvy9iE
♪ブレインエイジア

舞うは光。
舞うは音。
舞うは女。
舞う――敵意。

戦いに慈悲はなくて。
戦いに悪意があって。
戦いに殺意を乗せて。

「あんただけは――生かさない」
重みのある女声と共に、光が舞う。
<術式弐拾>
二十の球体が、敵意になって。
敵意は槍となる。
槍の雨。光の雨。殺意の雨。

ただの殺人意志ではなく。
大事な物を『殺された』、その殺意が槍を奔らせる。

<術式四拾九>
槍の鏡写しが、もう一人の女より。
槍は槍と手を取り、壁の花はおらず。
ダンスは一瞬、光の欠片へ還元され。

ただ、殺したかったわけではなく。
やむを得ず『殺してしまった』、その想いが槍を映す。

39二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/02(日) 23:19:27 ID:1fTvy9iE
想いを引けぬ、二人の女。
術式のために舞うその顔は、誰よりも険しく。
術式を紡ぐ光と音の舞いは、誰よりも美しく。

悲痛な空間はあらゆるエネルギーを発し、散乱させて。
第三者には美しく。
当事者には悲痛な。

「返せ……返せッ!」
「話を……聞きなさいよッ!」
舞いは近寄る。お互いに。
舞いは近寄る。武器を振り。
舞いは鳴りだす。鋼の共鳴。
舞いは鳴りだす。光を散らし。

舞は竜巻。
舞は嵐。
舞は力。
舞は意志。

40二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/02(日) 23:20:09 ID:1fTvy9iE
悲痛な叫びが幾重にも重なり。
「信じてっ……しょうがなかった!」
「だからって……殺す事は無いだろう!」
「違う……殺す気なんて無かったっ!」
「でも、殺したんだッ!」
ジレンマと、意志と。
重なり、重ね。
悲しい舞は、誰の心にもあったのか、無かったのか。
終わらぬ舞はまだ続く。

*終わりッ 17分か うーん、なかなか熟考が足りませんね

41二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/02(日) 23:21:03 ID:1fTvy9iE
>>36
まーじーかーw
ネタはやりずらいが、まあやってみる。
つっても曲解るだけなので、歌詞とか資料有ったらplz

>>37
あいおー、夏マシやったらやらせてもらいまーす
曲は……あったな、うん。

42二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/02(日) 23:25:05 ID:1fTvy9iE
FLA発見 やってみるかw

43>>13:2006/07/02(日) 23:37:18 ID:G2M7PYX2
GJです〜!
ちょっと意外な感じがしました…
実は自分の場合、先入観のせいか互いに楽しんでいるような感じに聞こえるんですよ。
なんか、ピアノが跳ね回って遊んでるような…

44二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/02(日) 23:59:32 ID:1fTvy9iE
>>43
その辺りは「力」の方にやってもらいました
多分当人は悲痛なんじゃないかなと、メインのピアノ以外のリードだとそういう風に取れちゃったりしたもんで
やっぱり人って面白いっすねw
千差万別とは美しいッ



さーマシンガン投下するよー!
思ったより長かったorz
34分か……

45二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 00:00:11 ID:tOmmZInw
♪夏はマシンガン

暑いです。
そんな暑い日に、
『とっても困った』
とあるお話。

「だーあっついわー!」
叫んだのは汗だくの娘。多分十代。
花も恥じらう乙女もこうなってしまえば。

花も見て見ぬ振り

はてさて……

(前奏終わり ってかここから勢いのみで読了希望)

46二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 00:00:47 ID:tOmmZInw
暑い暑い暑い暑い圧……いたた舌噛んだーッ!
こう暑いとフラストレーションが止まらない。
鬱屈とすると爆発しそう。
ああああああああああああああああああああああ奔っちゃうぞー!
暑いのを置いてけぼりにしちゃるぅぅぅぅぅぅぅぅぅッ!
アンドロイドだかなんだか知らぬがあたしゃ暑いんじゃー!
放熱のためにも走る走る走る!
放熱のために走るとか矛盾してるけど知らん!
あああ今日ほど海の近くに住んでいて良かった事はなーいッ!
海へ特攻特攻! ああああなんか速すぎて水上歩行ーッ?!
山ー?! 山! 山キテルキテルキテルとまらなーい!?
あああああ折れてる折れてる折れてる枝折れまくってるー!
おお?! 今時カブトムシ……って得してないー!?
とーめーてー?!
って曲がればいいじゃなーい!
止まらないけど……ってぇぇぇぇぇぇ!?
お向かいさんお向かいさん! 避けてーってよけらんないよね家だしー!
ああああ砕いてる砕いてる室外機飛んだーッ!
そうめんゲットーッ!
「ってごめんなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!」
おおおおお紅いの入ってるー! 良い事あるかなー?! とまってくんないかなぁぁぁぁぁぁ?!
あああああぢぢぢぢぢぢぢぢぢぢぢぢモーター焼けてなぁぁぁぁぁい?!
うわあああこんな時にあこがれの彼が歩いてたりそうめんすすってるところ見られてるしー!
走行食事とかいやんはしたなーい。
「やあ、何しt」
「今は避けてぇぇぇぇぇ! あたしに触れると火傷するぜぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
「って掴まないでくれるかなー?! 手熱いってぇぇぇぇ!」
「あああああごめぇぇぇぇぇん?!」
とまらんとまらんとまらんとまらーん!
ってあこがれの彼に胸を焦がすってこういうことなのねー!!!
「こーげーてーる――――――――ッ!」

47二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 00:01:19 ID:tOmmZInw
まだまだ夏は続くようですが。
この破壊兵器が何をしでかしますやら。

さてはて。

48二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 00:02:00 ID:tOmmZInw
「イヤッハーッ! な――――つ――――ま――――つ――――り――――――――ッ!」
「でかいでかい、声でかいから」
もーつれないんだから彼ってば!
「さー! 屋台へ行きますよ屋台へ! 滅ぼす勢いでデストロォォォォォォォォイ!」
「あー……」
テンション最高で加速加速かーそーく!
人混み蹴散らしポイゲット! 金魚飛ばしてかきごーりぃぃぃぃぃっ!
杏子飴屋を制圧して当たった事にしちゃったー! おじさんやっさしー!
「おまち!」
両手にかき氷とそれにささった杏子飴、頭上に金魚ぴちぴち!
満喫スターイルッ!
どーん
おお? 花火!
「いっきましょー!」
手ぇ掴んで制圧じゃーッ!
「ここは我々が制圧したぁッ!」
「……仲間?」
ええい恋路を邪魔すんなー!
暴徒鎮圧プラズママインッ!
さーゆっくり見ましょうねーウフフ!

49二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 00:02:30 ID:tOmmZInw
「あ――花火さいこ――ッ! あの迫力たまらないわー!」
「綺麗だったねー」
「ねー。内装火器に欲しいなーああいうの!」
「武器はどうだろう……」
「やーねーもぉ! おわったし盆踊りいこー!」
「ヒィィィィィィ」

だーんしん! だーんしん!
「ってこれジャイアントスイングって言うんじゃないかな――――ッ?!」
「気にしないきにしなーい!」
回転数あーっぷッ!

――あ、飛んだ。

この夏の標語は『デストローイ』。
そう、彼女はのたもうたのでした。

*こりゃひでぇ終わりだッ!

50二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 00:03:49 ID:tOmmZInw
さー気を取り直して
アゲハチョウ 開始

51隣りの名無しさん:2006/07/03(月) 00:07:35 ID:WXRY.Kds
まだまだ終わらないとても暑い夏!


みこみこ

もしくは

くそみそナース

52!omikuji:2006/07/03(月) 00:10:01 ID:N5DRLmkg
じゃあ、月迷風影とか

53二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 00:25:14 ID:tOmmZInw
♪アゲハ蝶

蝶々は舞うんだ。
君が、踊っている様は。
アゲハ蝶。
月の下、君が舞う。
俺にはそう見える。
人混みをすり抜け、悠々と。
黄色い花のコサージュと、青のイヤリング、黒いドレス。
アゲハ蝶。
(漆黒の羽 まで)
ああ、舞う。
人混みを泳ぐ姿。
華麗にあたらぬ、その姿。
(間奏終わり)
一緒に踊ろうって思って。
ふわりと。
君の『風』に乗ろうとする。
まるでアゲハ蝶になった気分。
君の花までこの羽は、届くのか?
(終わらせる〜 まで)
いつまでも、君を追い続け。
届かないのは指先一本分。
いつまでも捕まらない。

君は、アゲハ蝶。
(今更になってだった まで)

54二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 00:25:45 ID:tOmmZInw
君を見て、俺は思い出す。
小さい頃の昆虫採集。
息を潜め、手を伸ばし。
それで、逃げられ。
ようやく捕まえた喜びを。
あの頃の技術は、とても錆びていた。
この世を変えた君が、届かない。

君しか見えないと、ようやく気づいて。
世界が水平線と地平線だけの空間みたいに。
(サビ おわり)
悩みと情熱が、どうしようもなくて。
走るしかないんだろうかと。
あの舞う姿を思い出す。
(間奏終わり)
詩は歌になって。
歌は言葉になって。
言葉は想いになるんだろう。
思いつく限りの歌を聴き。
思いつく限りの言葉をつむぎ。
この歌と言葉は、君に届くんだろうか?
疑問と期待が交錯する。
(届けばいいと思う まで)
一人芝居が続く。
そんな気分だ。
君しかいない世界で。

俺が一人。
(立っているだけなのだから まで)

55二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 00:26:17 ID:tOmmZInw
俺を使ってくれても良いのにと思う。
君の休まる場所にだってなりたい。
いつまでも飛び続けて辛くないのか?
アゲハ蝶よ。
少しでも、俺を見ていてくれないか?
(サビ 終わり)
想いは届かず。
手は届かず。
どうする?
どうしようもない。
飢えたんだ、俺は。
もう、一つだけ。この世界に見える君を掴むまで。
手を伸ばし続けるんだろう。
あの舞う動きを目に焼き付け。
君の通る時間を待ち。
いつまでも手を伸ばす。

届かない。
届けたい。
言葉は言葉にならず、伸び続ける腕になり。
来て、くれないか。
ああ、すぐに出てもいいから。
アゲハ蝶を捕まえたいんだ。

*終わり
22分かー そこそこ?

56二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 00:27:25 ID:tOmmZInw
>>51
自信はないとだけいっとくよ
1番(2番あるの?)しかしんないし

>>52
らじゃー、連続でいくぜ

では、開始――

57二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 00:31:03 ID:tOmmZInw
あー緊急報告
歌詞にキャラ入ってるから無理です。
沿うことができない。ので >>51は悪いけど棄却 すまぬorz

58隣りの名無しさん:2006/07/03(月) 00:32:47 ID:t1O3gQIs
魔王

59二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 00:38:03 ID:tOmmZInw
>>58
悪い、真面目に言ってるとは思えない
棄却しますよ

元から話をどういじれと?
真面目に依頼するなら、理由とか詳しく教えて欲しいな
どうしようもないんだ、正直

60隣りの名無しさん:2006/07/03(月) 00:47:44 ID:3/3DABU.
じろさん、ポルノのカルマの坂お願いできますかいっ?

61二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 00:51:18 ID:tOmmZInw
♪月迷風影
(区切り無いです ゆっくり読んでくれるといいかな)
月がある。
それは見慣れた。
月がある。
見飽きることの無い。
月がある。
いつも同じ所から見上げている。
(前奏ここまで)
海。

穏やかな。
静かな。
黒く。

海の上、私は月を見る。
いつまでも守り続けた誓いの下、月を見上げ空を見て。
眠る夜に、私は番をする。
しなくても、いいこと。
でも、月を見ていたいから。

月下の誓いをした人のため。
月下の誓いを思い出すため。
私はただ一人、船に乗り、月を見上げる。

62二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 00:51:51 ID:tOmmZInw
船は滑る。
夜の上、海の上。
あの場所を向けて。
約束の地へ私を運ぶ。
例え傷ついても、あの場所へ。

時間はゆっくりと。
だが確実に。

私の意志は何処へ有る?
月へ、あるんだろうか。
月よ、月。
私の夢も、守っていて。
その光で、銀の光で。
瞳の炎、滅んだ街をうつす。
ゆっくりと進む船は、心をはやらせて。

体よもっていて。
命よもっていて。
心よもっていて。
誓いを通すまでは、約束の地にたどり着くまでは。
私の旅はいつまでも。

月が光を突き刺し。
夜空が光を与える。
風が体を冷やして。
海は私を眠らせて。
船は、進む。

*終わり 20分か……

63二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 00:53:04 ID:tOmmZInw
>>60
あー、わかんない すんませorz
ちょっと探してみるけど、期待しないで待っていて

♪魔王
「あのさ」
「ん?」
「魔王ってあるじゃん、オペラ」
「あるね」
「あの魔王、夫婦喧嘩したかーちゃんだったら面白いよね」
「……うわあ」

*保証0 1分弱

64!omikuji:2006/07/03(月) 00:53:19 ID:N5DRLmkg
GGJGJGJGJGJGJGJG!!
世界に引き込まれそうになる…

65二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 00:57:12 ID:tOmmZInw
あー……カルマ検索したら、なんか曲がかなりいいらしいねぇ……
資料無しでやるの勿体ないから、今度レンタルでもしてリベンジするよ

66!omikuji:2006/07/03(月) 00:59:17 ID:N5DRLmkg
つCROSSOVER〜ひとりじゃないから〜
すんげええええマイナーだけど

67二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 01:00:59 ID:tOmmZInw
>>66
バーンガーン把握ッ!

68二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 01:21:03 ID:tOmmZInw
♪CROSSOVER〜ひとりじゃないから〜

勇者ってのは、蛮勇じゃないんだ。
良く分からない事言ってるだろうが、そうなんだ。
どう違うって?

一人じゃないんだ。
仲間が居ることを、大事に出来る。
そう言うことさ。
(前奏終わりまで)
無力は嫌だ。
嫌なんだよ……。
なんで、この世の終わりとかニュースでやってるのに……。
僕だけが待って居なきゃいけないんだ!?
みんな、闘える奴は出ていって。
僕は留守番して。
悔しかった。
弱いから? 無力だから。一人で待つだけだった。
(動けずに唇かんだ まで)


君が来るまではね。
良く分からない力で「正義の味方」なんて言われたって信じられないけど。
僕に、自由な力をくれたから。
今は手助けだけでも――出来る!
この力を、信じていられると思うから!
(はばたけたのさ まで)
僕は走る、君と一緒。
仲間に負けない物は、僕の勇気……ッ!
間に合えば嬉しい。
間に合わなくても勇気は一緒だから!
瓦礫の街を走る!
守れる物を探しに、仲間に追いつくために!

そうさ……一人じゃないんだ!
(サビおわり)

69二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 01:21:47 ID:tOmmZInw
「やばっ」
「まずいね……」

間に合え、間に合え!
通信機越し、仲間のピンチ。
救いたい。駄目でも……脱出のきっかけのため、僕はこの力を使う!
崩れた街を、僕と彼女は走る。
守りきれなかった物を目にして、許せないと思う。
だから、もっと失わないために戦うんだ……!
走った、僕は走った。
(瞳開いた まで)
彼女の制約は、僕にとっては意味がない。
――勇気と意志が力の行使許可となる。
意志――救いたい。
勇気――溢れていると……思う!
仲間の下、僕は間に合った。
勇気の力は加速に、だから間に合ったんだ……!
(勇気忘れないから まで)

70二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 01:22:17 ID:tOmmZInw
「エルマさんッ!」
「ええ!」
僕と彼女の勇気を燃やし。
力を。
破壊じゃない。
守るための――

力をッ!

僕と彼女から光が溢れ。
その光が交錯して。
力が、溢れていく。

守ってみせる……!
(サビ終わり)
力の行使はうまくできないけど。
無敵装甲とやらを少しずつ――ちょっと弱いっ。
でも、諦めない!
守ってみせる!
「「「「勇気と意志の下にッ!」」」」
声を重ね、もっと強い――でも守る力を!
(間奏ここまで)

71二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 01:22:48 ID:tOmmZInw
四人が走る。
僕も遅れずに。
四角で囲い、でも伸びる力は十字に。
「力を!」
「勇気を!」
「我等……守るために」
「傷を厭わぬ物也ッ!」
同時に僕たちは力を言葉と共に発し。
沢山の意志が、敵を貫く!

「仲間っていいものだね」
「何を今更」
「これからも、いけますね」
「うん! 僕らは――」

――四人で勇者なんだから!

光の中、終わった手応えを感じて。
初めての戦いは僕の脱力で終わった。
勇者には、まだ遠いね。

*終わり 22分 もうすこしいけたかな?

72文醍 ◆2IRssh2p.w:2006/07/03(月) 01:35:52 ID:cdi661cI
Killer Queen


ああ、彼女は高嶺の花。俺の手にはおえない。
もう俺を殺す気ですか?誘ってるんですか?
確かに彼女は礼儀作法も完璧、だがあんたはわがまま、
好みにうるさい、香水はパリだし、車も高級車。

ああ彼女は殺人鬼、俺を殺す気だ…
ケツの毛までむしられて骨も残らねぇ…
だがそんなもの、彼女を手に入れられるのなら安いもんだ。

わいわいはしゃいで、それから暫くおとなしくしてる彼女…
時には真顔になって…

彼女の可愛さは異常、ダイナマイトかTNTか?
俺の頭が爆発しそう


アッーーーー!!!!!!!!!

73味噌:2006/07/03(月) 01:39:17 ID:uZofy8/g
Liaさんの「鳥の詩」でお願いします。

74隣りの名無しさん:2006/07/03(月) 01:42:32 ID:uZofy8/g
ちょ、コテハン消すの忘れてたっ・・・orz スミマセン・・・

75二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 01:42:51 ID:tOmmZInw
>>73
鳥の詩ってひこーきぐもーって奴だっけ、OKちょっと資料探してやってみます

76文醍 ◆2IRssh2p.w:2006/07/03(月) 01:57:03 ID:cdi661cI
Purple haze      (薬中の頭の中をあらわしてるらしい)


ううっ…気持ち悪い…

紫のもやが行ったり来たり…このごろ俺は変だああああ!!!!
・・・
・・

ちょっと失礼wwwwwwwww空にキスしてくるwwwwwwwうはwwwww


紫のもやが俺の周りを…!!
俺は上に下がってるのか?下に上がってるのか?
今幸せ?不幸?

う〜ん

多分、彼女達が俺に魔法をかけたんだ…


助けて欲しい…誰か…

もうだめだ…
・・・
・・

もう紫のもやばっかりwwwwww
今昼ですか?夜ですか?wwwwwwww
てめぇのおかげで俺は逝かれてる!!!!!!!!!
日が明けたのか?それとも沈んだのか?

ああああああ!!たすけてくれ!!だれか応答してくれ!!!

もういやだよ…たすけてママ…

ううぅぅぅ………

77二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 02:18:13 ID:tOmmZInw
鳥の詩
名作の予感。もうしばしまたれよ
もう35分か

78二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 02:35:58 ID:tOmmZInw
♪鳥の詩

ああ、空は。
誰にも支配されない、大事な所じゃないのか。
俺達が、なんとかしないとならないのか。
やってみせる。
それが、約束で、意志だからな。
(前奏ここまで)
飛行機。空を舞う。
それは違って、少年達が見送る飛行機は。
舞うことを忘れて、飛ぶことの意志を強く。
それは突き刺すような。
目指す場所がある、強い飛行だった。
(見送った まで)
おかあさんは、泣いていた。
いつも、そうだった。
このまえは、となりのおばさんが泣いてた。
いつもそうだった。
飛ぶときは、だれかがかなしくて。
だから、ぼくはいつもにげていた。
あんな場所にいられないって。
ぼくは、にげるのをおぼえて。
しょうがないことだっていいきかせたんだ。
(指をはなす まで)

79二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 02:36:30 ID:tOmmZInw
「なあ、そろそろ完成かな?」
「そうだな、そろそろだ」
「あれができれば――守れるんだな?」
「そのために作った、そうだろう?」
「ああ……」
「遠い場所へ、連れて行くために、か」
「そう思うな。みんな守りたいんだよ」
「そうだな……」
二人の男は同時に、つぶやく。
――誰もが、死ななきゃいいんだが。そのために俺達が。
(見つめてる まで)
あつい夏。
ぼくたちはへって、あまりこなくなった汽車のせんろをあるいて。
あついから、すぐ休んで。
(素足をさらして まで)
話していた、あの男達が遠目に子供を見る。
「懐かしい、な」
「ああ……そうだな」
「間に合った、のか」
「わからん」
「願わくば……」
男はそう言って子供から目をそらす。
少し迷い、口を再び開き。
「あの子らが、大人になる前に終わればいいんだが」
子供の広げた両手、それに己の作った物を重ね。
「……希望の翼になってくれる、と思う」
「ああ……」
(飛び立つ希望を まで)

80二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 02:37:01 ID:tOmmZInw
ぼくは、ひこうき雲をおいかける。
いつか、あれにのりたいなって。
大人はみんなけーれーしてるけど。
ぼくはただ、かっこいいからおいかけて。
ひみつきち、おかの上から、それを見て。
(いつまでも まで)
――行ってくる。
 ――気を付けてな。
――子供が見てるな。
 ――ああ、いい格好してやれよ。
――そうだな。……ああ。
 ――どうした?
――こんな大人になるなよって言ってやりたいもんだ。
 ――無理な相談だ。みんな、お前達を英雄と思っているからな。
――はは、光栄だ。
 ――わだつみの声、か。
――どういう事だ?
 ――この前、『飛んだ』奴が言ってたんだ。
――海、か。
 ――あんまり世話にならんようにな。
――了解だ。
(きっと まで)

81二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 02:37:31 ID:tOmmZInw
飛行機が飛ぶ。
うなりを上げ。
空を我が物にする、そいつを何とかするために。
(間奏 ここまで)
プロペラは風を切る。
戦いの詩を詠いながら。
たどり着くべき場所を目指す。
意志と、心を乗せ。
守るべき力を戦う力にして。
自由を手に入れようとした、この翼の歴史に。
たとえ、血塗られた系譜が出来ようとも。
守らなければと、プロペラの叫びは代弁して。
(振り返る まで)
くものむこう、ひこうきはきえていった。
あついくうきが、ぼくをぼんやりさせた。
ぼんやりして。
ひこうきのあとをずっとみていた。

ひこうき雲は消えたけど。
ぼくはまだ空を見ている。
きのうみたいに消えたひこうきたちを思い出してた。
おぼえていたかった、良く分からないけど。
(残した昨日を まで)

82二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 02:38:10 ID:tOmmZInw
また、あの雲を見たくて。
走っておいかけた。
おいつかないけど、ひこうき雲を道にして。
ぼくは走ったんだ。
(追いかけて まで)
――頑張ろう、な。
 ――見ろよ、追いかけてる。
――英雄になれるかな?
 ――はは、なろうよ。
ふたつの機影が、いつまでも、子供を見つめ。
約束の時間、それは加速を始めた。
(ふたり笑い出してる まで)
――さあ。いこう
 ――ああ、いつまでもゆっくりしてられないからな。

二人の意志が。
プロペラを早め。

「「我らが命、護国にあり」」
飛行機雲が、消えた。
(まなざしはあるように まで)

83二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 02:38:46 ID:tOmmZInw
もっと走らないと。
もっと覚えていないと。
だめだよ、まだ、いっちゃだめ。
手をのばしても、とどかない、空に。
いっちゃった。
(ずっと まで)
ずっと、空を見てた。
たいようがまぶしい。
でも、見なきゃって思って。
ずっとずっとみていた。
つかまえようって、むだにのびた手を。
しらぬまに、けーれーしてた。

がんばってください。
って、言いたかったのに。

*終わり
完全に別世界ですね
55分

84隣りの名無しさん:2006/07/03(月) 02:41:12 ID:m9Fz5sZY
涙出てきた。

85!omikuji:2006/07/03(月) 02:49:42 ID:N5DRLmkg
い、いかん…涙が…
つ青空

86隣りの名無しさん:2006/07/03(月) 02:50:01 ID:uZofy8/g
じろさん・・・GJですっ・・・!

87二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 02:51:47 ID:tOmmZInw
>>84
ありがとう!

>>85
資料さがしてくるねー!

>>86
希望通りの話だとは、絶対思わないけど
意訳の新世界は受けて貰ったみたいで何より!

88二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 02:52:49 ID:tOmmZInw
って青空大杉www

89隣りの名無しさん:2006/07/03(月) 03:00:23 ID:MWg6bwVY
すげぇ……ガチで鳥肌が立ったぜ……!

90二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 03:01:28 ID:tOmmZInw
>>89
thx! 俺の真骨頂というか、あまりにうまくパズルができたものでね
やっぱ戦争物は、悲惨だけじゃなくて、熱くて、強くて、泣けてくるからなぁ

91かしわんこ ◆WTJGtkvg02:2006/07/03(月) 03:06:56 ID:RgVzXlT6
涙と鼻水が止まらない……。
もうね、もうね、もう……うう、うぐ、う……。うううううう。
つД`)

92二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 03:15:31 ID:tOmmZInw
>>91
光栄だよ、ほんと、ね

さあ、投下します

93二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 03:16:19 ID:tOmmZInw
♪青空

青い海、覚えてる?
二人でいった、あの海を。
長い道、覚えてる?
迷子になりそうになった、あの道を。
(まっすぐに まで)
ね、笑った者勝ちだよ?
競争、ね。
いきなりだけど、良く言うでしょ。先手必勝だよ。
笑うのって、難しいねー……。
うーん、作り笑いばっかりだよー……。
あ、私見て笑った。ずるーい。
あはは、冗談だよ。
君の勝ち、ね。
(笑ってる まで)

94二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 03:16:50 ID:tOmmZInw
ね、何処にいても、笑ってくれるよね?
私は、君の笑顔が欲しいだけなんだよ。
あの海で、笑ってくれて。
ああ、私には君だけなんだなって、思ったんだよ?
あの夏は、私にとって、一番素敵な夏だから。
君の、せいだよ?
えへへ、おかげ、だね。
(夏の日の匂い まで)
そういえば、川にも行ったね。
ついはしゃいじゃったなぁ……。
お気に入りの白いワンピースが泥だらけになっちゃってさ。
あの後、母さんにこっぴどく怒られちゃった。
あの時の雲は、綺麗だったね。
私のワンピース、そろえてきてたんだよ?
気づかなかった?
でも、泥だらけだったね……あはは。
(届いたら幸せと まで)

95二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 03:17:42 ID:tOmmZInw
ああ、またあの場所に行きたいね。
また、競争しよ?
坂上り、今度は負けないよ。
あの場所をちょっとだけ、私が独り占めするんだからね。
(あの場所目指して まで)

96二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 03:18:16 ID:tOmmZInw
思い出はいっぱい、君の思い出。

私、君が好きだよ。

君の事だけ、覚えていたいよ。
あの海からこっち、私手につかなかったんだからね。

いつもいつも、あの日を覚えてる……。
……っ……は。
(海の匂い まで)

97二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 03:19:12 ID:tOmmZInw
ああ、夏が来るね。
私、元気になった……ごほっ……ら……。
海……いきた……ごほ……っ。
綺麗な……月……だね……っ……は……。
あそこ、いける……かな……っ……。
ね……ごほっ……だっこ、……して……くれる……?
……ありがと……うれ……し……。
(ふたりぶんの影 まで)
わた……し……、もう……いっしょじゃない……けど……。
あの海……青空……忘れないから……っ……。
ね……笑って……。
一緒に笑って……ごほっ……。
おねがい……さいご……ごほっ……っは……。
う……ん。
そう……そう……。ありが……と。

また……ね……。

98二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 03:19:52 ID:tOmmZInw
*終わり
27分 なんか、こんな感じ

99隣りの名無しさん:2006/07/03(月) 03:37:57 ID:m9Fz5sZY
二度続けてなのにまだ涙が出る…
最後読んでるこっちが苦しくなりました…

100二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 03:39:36 ID:tOmmZInw
>>99
うふふ、感謝!
重ねて、笑ってくれる?って聞いているから旅立ちで。
最後ゆっくりから力強くなったから、命の炎を、とこうなりましたよ。
最後まで、彼女は強くあって欲しかったので、気楽に前半を終えたりして。

101文醍 ◆2IRssh2p.w:2006/07/03(月) 03:58:02 ID:cdi661cI
どうしちまったんだ…君はいつも輝いていたのに、今ではすっかり落ちぶれている
…でも空に開いたブラックホールのような瞳だけは変わってないね…

・・・もうあの頃の君には戻れそうも無いね…
君が狂ったダイヤモンドを輝かせる番なのに。

遠くの人の笑い声を気にしすぎだよ、君はそんなにも孤独じゃない…
伝説の人よ…君は今でも輝いている…

落ちる所まで落ちた君は・・・・・・・・・
……僕は月を見ながら泣いていた…
君が狂ったダイヤモンドを輝かせる番なのに…
夜中の影に怯え、そして光の前でさらされる
今は…君自身が、輝く狂ったダイヤモンド…

気まぐれに助けても君は落ちてゆくだけ…
なすがままにするだけ…
君は生きながら死んでいる…
画家であり笛吹き…放浪者、囚人…
落ちぶれてしまった…
…でも、今も輝いている…

102二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 04:11:45 ID:tOmmZInw
>>101
ちょwwwwwタイトル無いぞwwwww

103文醍 ◆2IRssh2p.w:2006/07/03(月) 04:13:10 ID:cdi661cI
shine on your crazy diamond (シャインオンユアクレイジーダイアモンド)

104隣りの名無しさん:2006/07/03(月) 20:00:58 ID:U7PB1j8M
っケロッ!とマーチ

105二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 20:49:26 ID:tOmmZInw
>>104
すまぬ! 歌詞は検索できたが曲を聴く方法がorz

106二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 20:55:11 ID:tOmmZInw
*水増ししてみるテスト

http://www.vroom-sound.com/sound/VMSD007.html より early riser
あさー

朝。早朝でございます。
鳥はさえずり日は昇り、とても平穏な――。
とても平穏ではなさそうでございますが。

爆音とどろく中、女が熟睡している。
日常だからこの程度の音では起床しない。
時報を模した目覚まし音。それが唯一彼女を起こす為の――。
数回目でようやく起きた。
女の手がベッドから伸び、時計を掴む。
掴んだ。

壁掛け時計をむんずと。
指が食い込む。寝起きの獣はやはり野獣だった。
「っておわ――――――――ッ!」
布団が跳ねる。
上体を起こしたから。
羽根が広がったから。
プロペラのような翼が上体を勢いよく、『飛ばす』。
その勢いを利用して飛び出した女は手早く着替え。
背中の空いた服を手早く纏い、身だしなみをようやく整え。
ドアを蹴破った。

107二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 20:55:41 ID:tOmmZInw
数人の先客が飛ぶように、一部は飛んである一点へと向かう。
駅だ。
「ぎゃ――――ッ! 今日200位入れないとお仕置きじゃーん!」
遅刻制度という物がある。
遅刻した物は翌日、収容人数の50%以上の到着順位で所属機関へ到達せねばならぬ。
遅れれば、特有の罰則がある。
彼女は学校、高校に所属していて。
その罰則は大気圏突破寸前ギリギリチキンレース強制参加であった。
「やっべ――――ッ!」
プロペラが回る。
あらゆる物を押しつける風は、反作用で彼女を前へ前へ。

「でーい邪魔だ!」
曲がり角をブロック塀へのキックで行い、上で寝ていた猫が慌てて逃げた。
「やばばばばばあ! おばさんおっはよ――――――――――――ッ!」
ドップラー効果の挨拶もそこそこ、彼女は飛ぶ。

「おーっす!」
「おーおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ?!」
いきなり手を捕まれ、加速していた。
「今日遅刻制限でしょ――――? 手伝ってあげるよ――――――!」
「さぁぁんきゅ――――――――ってそろそろ止まれ――――――――ッ!」
学校間近、白亜の壁にしか見えない。
それもそのはず、手を掴む彼女の友人、その背中からはヴェイパートレイルを引いている。
「音速はいやぁぁぁぁぁぁ――――――――――――ッ!」

はてさて。

*おわり
ちょっと前にやった奴 10分の馬鹿暴走でした

108隣りの名無しさん:2006/07/03(月) 21:21:08 ID:tTgPeWBc
GJ!!
絵、曲含めアニメのオープニングみたいでとても楽しい感じがしました。
アンドロイドか、はたまたサイボーグか…どっちにしろ寝坊する辺り面白い世界ですねww

ではリクエストを。






ミミさんの『となりをあるこう』でw

109二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 21:26:57 ID:tOmmZInw
>>108
らじゃーw

この曲はかなり好きなのでCD探してるんだけど……みつからなすorz

では、執筆開始ッ

110二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 21:40:58 ID:tOmmZInw
♪となりをあるこう

てくてく。
歩く。
誰かのためじゃなくて、
行き先もなくて、
歩きたいから、てくてく。
ああ、いい天気ー。

おそらは青くて、
太陽はまぶしくて、
つい、ハミングしながら、
くるくるっ。
回りながら草の上、青い匂いもすがすがしく。
てくてく。

111二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 21:41:28 ID:tOmmZInw
くるっとまわって一回転。
止まった目の前に、坂。
今日なら楽々。
たったったっ。
千鳥足とハミングが、
ほんとの散歩にしてくれる。
ららら、らら。

ずっと、ずっと。
いっしょにあるくの。
おっきな白犬。
もふもふ。
てくてく。

I wanna be a fine day for smile yeah――♪

112二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 21:42:53 ID:tOmmZInw
♪となりをあるこう・改

たった、たった。
はやく、はやく。
えー? 歩いてるよ?
いいじゃない、はやあるきでも。

一緒にいるんだから。
時間が勿体ないよ!

気分だけ早くして、同じ時間をいっぱい楽しんで。
はやく、はやく!

ほらほら、ねえねえ!
折角のお弁当が腐っちゃうぞー?
……そんな早く腐らない?
あたしが腐っちゃうでしょ!

ほら、公園までもう少し!
ね、いそご!

とっととぉ、おべんと寄っちゃう。
やっぱ、あるこっか……あはは。

I will want to spend wonderful time with you lalala――♪

*ダブルギミック終わりw
16分くらいだね
英文の部分は たららららららと音が降りていく部分に合わせて、アレンジしたらこういう素材を入れたいなと(歌ではないがw)
そんな意味で

113隣りの名無しさん:2006/07/03(月) 21:56:21 ID:tTgPeWBc
>>110-112

二曲もGJ!!
微笑ましくって顔筋緩みまくりですwww
ゲームでもこんなシーンあると良いな〜…

114二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 22:04:36 ID:tOmmZInw
>>113
折角パターンがあったので両方やってしまったww

そして出して気づく、後1パターンorz

115文醍 ◆2IRssh2p.w:2006/07/03(月) 22:40:29 ID:OaakWKV6
つミhttp://up2.viploader.net/mini/src/viploader49761.zip
  これで書いてください

116二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 22:42:14 ID:tOmmZInw
>>115
あいおー ちょい野暮ってるんで、執筆開始遅くなりますorz

117二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 22:55:19 ID:tOmmZInw
おまち、今から開始!

118二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 23:25:15 ID:tOmmZInw
♪ピーターパンシンドローム

ちょっと昔の事だった。
でも、長い長い時間だとも思う。
戻れない時間ほど、遠く感じる物はないんだろうな。
(前奏ここまで)
ちょっと、思い出す。
タイムマシンの気分で。
たった数年前の。
僕にとって100年でも200年でもよかった、あの思い出を。

星の綺麗な夜だ。
冬の星は綺麗に感じる。
空気が綺麗だから。語弊がある。
夏みたいな、うだうだした空気じゃなくて、張りつめて空が高く感じるからだろう。

夜を彩るのが、星と街灯だけになって、家の明かりが減っていく夜。
うずうずしていく。

僕たちの時間が始まるから。
(僕らを襲ったんだ まで)
眠り始めた住宅街を、僕の足音と少なくなった車の音だけが響き。
――勿体ないな、時間はまだいっぱいあるのに。
夜の街、寝ている全てに。
うらやましいだろ?
って笑う。
(横目であざわらって まで)

119二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 23:25:45 ID:tOmmZInw
駅へたどり着く。
最後の電車が出発していく。
みんな、終わったんだ。
僕らが、始まったんだ。

夜の街、眠った街。
僕らは集い、馬鹿騒ぎ。

夜空に冗談を、月に偶然を。
いくらでも、いくらでも言葉は紡がれる。
朝まで。

僕らを監視する『人』が起きてくるまで自由に。
(声を張り上げていたんだ まで)

120二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 23:26:25 ID:tOmmZInw
ああ、あの頃は、馬鹿だった。
馬鹿で、楽しかった。
馬鹿だから、なんでも新鮮だった。
新鮮で、ありきたりで。
飽きない日々。
だった。
『だった』。
(間奏終わり)
引っ越ししたり、生活が変わったりして。
生活、変わっちゃったんだな。
飽きない生活が、変わってしまったんだと思う。
飽きる生活は、空虚だな。

偶然、部屋の片づけをした。
あの靴、スニーカー。
泥で汚れ、馬鹿で汚れた靴。
そいつをはいて、昔を思い。
思い切れず、走る。
(取り出したスニーカー まで)

121二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 23:26:55 ID:tOmmZInw
年甲斐もなく走って。
僕らの馬鹿を思い、あの場所まで連れて行ってくれる急行に乗る。
荒い息をしながら窓を見れば、夜景が流れていく。
流れる光は早いけど。
僕はもっと早くして欲しかった。
光より早く、タイムマシンを電車に願い。
あの時間へ、あの場所へ戻りたい。
(過ぎゆく光達 まで)
街は眠り始めていた。
あの時間の、開始前。

「よぉ」
口々に挨拶。
まるで当然に。
昨日のことのように。
昨日が10年以上だったこのときに。
昨日は今日で。
唖然としていた僕は、にやり。そう笑って。
あの時の馬鹿をまた、空に放つ。
(せえので空を見上げたよ まで)

122二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 23:27:26 ID:tOmmZInw
時間は進む。
昨日と今日の境を曖昧にして。
僕たちの境界が、監視者の来る時間じゃなくなって。
流されて。
夢を追いかけていたのに、蜃気楼だったり。

でも、解る。
あの走った鼓動が。
いつまでも続いていて。
あの、勢いだけの時より高鳴ったことを。
時間を戻った僕の、鼓動が止まらず。

いつもの明日は、もういい。
願った明日を、掴みたくて。
あの頃の馬鹿を。
まっすぐな思いだと。
だから。
(あの頃より強く まで)

123二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 23:28:03 ID:tOmmZInw
いつもの、あいつらが帰った。
早い時間だ。
始まりの合図に、あいつらは帰る。

一人残った僕は。
あの頃夢見た馬鹿な夢を実現したくて。
荷物を置いた場所へ戻らない。
ここから、ここで。
始まってみよう。

空に冗談を、月に偶然を。
友に感謝を。
昨日はさよならして、明日を掴む。
いつもの明日が。
いつもは、飽きる生活じゃない。
いつもは、飽きない生活を。
新鮮になれる、子供じみた、夢を食べる生活だけど。

もう、僕のタイムマシンは、車庫で眠っている。

*終わり ジャスト30分前後 うーん、良い世界だな。もうちいと彩りたかったかも

124隣りの名無しさん:2006/07/03(月) 23:30:57 ID:7cJQyLMI
これだけは言わせてもらおうか

何か良かった

125二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 23:32:03 ID:tOmmZInw
>>124
「なんか ちょっといい」を目指してみたよ フフフ thx!

126文醍 ◆2IRssh2p.w:2006/07/03(月) 23:35:38 ID:OaakWKV6
うん、曲にぴったり合った世界観!!!!!!!!!!!!!!
うめぇ!!!!!!!!!!!!1111111

127二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 23:36:14 ID:tOmmZInw
>>126
これ、いいねぇ
おいさん燃えちゃったよwwww
ありがっとん!

128!omikuji:2006/07/03(月) 23:37:57 ID:KCLd051c
つ羅針盤
おねがいします〜

129!omikuji:2006/07/03(月) 23:40:30 ID:KCLd051c
http://syobon.com/upload/src/syobon44509.mp3.html

130二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/03(月) 23:42:23 ID:tOmmZInw
イエッサ!
やってみるぜー!

131二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 00:14:40 ID:FXomhXe6
♪羅針盤

夢は、夢なのか?
正夢は、なんなんだ?

夢で見た君は何処にいる?
夢で見た僕は何処にいる?
(空のように まで)
目覚めない夢があるなら、このまま夢を見ていたらいいのにと思う。
叶う夢があるなら、それを掴んでみたいとも思う。
現実は現実と割り切りたくないけど。
割り切ってしまっているのか。
(忘れたふりしたけど まで)
夢で見た君を。
夢を見た僕を。
両方追いかけて、僕の今がある。
遠い、届かなくても、手を伸ばす。
(時代の中で まで)
苦しい、
辛い、
叶わない、
いつもそう思うけど。
たどり着くためのハードルが高くて、飛び越えられないときもあるけど、
何度も何度も、あの夢と、夢が。
僕を走らせ。
夢の君、僕の夢、それだけが目印。
歩いていたって、生きていたって。
止まっていても、死にそうになっても。
それでも、進む、進む。
見えない、まだ見ぬ。
夢の先、君を、僕の。
探して、生きているんだ。
(未来探してる まで)

132二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 00:15:10 ID:FXomhXe6
止まって、迷って。
でもまた歩く。
いつか、夢にたどり着くまで。
あの夢を、見る。

報われないとか、
叶わないとか、
いっぱい思って。

それでも歩くのは、先を目指すから。
(届くように まで)
君はどこにいる?
僕はここにいる。

夢を目指して、歩いているよ。
君を捜して、生きているよ。
止まらずに。
(消えない軌跡を まで)
君を見つけた。
夢じゃなかった。
先が見えた。
夢で終わらなかった。
僕は、進んでいく。
止まらない。この思いを全部叶えるために。
(沈まぬように まで)
一人をやめよう。
やめられる。君が、いたから。

立ち止まるのをやめよう。
光が、先が見えるから。

さあ、手を伸ばそう。
今まで届かなかった手が。
届くよ。
もう少し、もう少し……!
(未来を探してる まで)

133二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 00:15:51 ID:FXomhXe6
ああ、夢は。
届かないから夢なんだ。
届く夢は。
目標だけど。
届かないことに、諦めないなら。
夢じゃない、現実が手に入る。
(間奏終わり)
君よ、聞こえるかい?
僕は、君を目指している。
夢見た未来を目指している。

君が夢だけでなく、現実だから。
夢を見るのはもうやめた。

見える君をおいかけ。
見える先をおいかけ。

君に触れる、この声が。
君に触れる、この指が。
夢に触れる、この指が。
夢に触れる、この手が。
全てを、現実に。
現実にするため……手を伸ばす!
歩いて……いく!

とまらず……。

*終わり ぬあ、32分

134二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 02:25:54 ID:FXomhXe6
♪夢想歌

1ねん4くみ みつかさ そあら
おおきくなったら そらをとびたいです
ひこうきじゃなくて わたしのちからで

まさか、あの夢が捨てられないなんてね。
(未来へと繋がる まで)

135二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 02:26:25 ID:FXomhXe6
空が大好きだった。
飛行機に憧れてた。
乗りたかったんじゃない。
飛びたかった。
風を強く感じて、自分の物にしたくて。
ずーっとずっと、将来の夢は鳥だった。
恥ずかしいけど、自慢。
(みたされ〜 まで)
そらがとびたい。
そらがとびたい。

強く、強く願った。

そらのさきに なにがあるのかしりたい。

強く――。
――力を貸そうか?
わぁ?!

それが、風精のこいつを呼び寄せた。

わたし、そらのさきになにがあるのか みたいの!

怖がる前に、お願いを。
強い願いを。
(空の向こうへ行きたいな まで)

136二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 02:26:55 ID:FXomhXe6
誰よりも先に。
いっぱい勉強して。
自分だけの力で、乗り物無しで。
世界で一番乗りの、飛ぶ人に!
誰にも最初を譲りたくなくて。
小さい頃から、自画像には羽根の生えた私。
何枚も何枚も、私の夢が落書きになっていった。

勉強もした!
物理も全部解らない、16の子供だけど。
飛ぶんだって!

一つの結論を試したい!
(未来へとつながる まで)

137二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 02:27:25 ID:FXomhXe6
どこから、あのおとはするの?

――山の向こうかな?

いいなー、すぐにみられて。
うらやましいな、みたいな、みたいな。
すぐにみられるように、とべるようになりたい。

――強いね。そあらは。

だって、ゆめなんだもん!
(届いては響いてる まで)
にじってうらやましいー。

――そらにあるから?

うん! にじのねっこはどうなってるんだろう

――無いと思うなー。

うそだー!

――……ほら、乗って?

え?
(虹のむこうへいきたいな まで)
うわぁ。やっぱりそらってきもちいー!

――ほら、虹って近寄れないんだよ?

うそだー。遅いだけでしょー?
もっとはやくー!

――無理だって。

ぶー。いいもん、いつか一人で飛んじゃうんだから!

――強いなぁ。手伝うよ?

てつだいだけね!

――はいはい。
(未来へとつながる まで)

138二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 02:27:55 ID:FXomhXe6
ああ、空が青く。
風が強く、でも優しく。
善い日だね。
――そあら、やるんだね?
うん。風精(あんた)の力無しで初飛行、頑張るよ。
――まさか、あの経験がここまで進ませるなんてね。
全く、ね。
(間奏終わり)
風の力を操れる。
強い願いはそこまで行った。
私の願いは強くって。
子供の頃はこいつをよんで。

今の私は風を呼んで。

さあ、いくよ!
(空の向こうへいきたいな まで)
空を、空を飛びたいの!
私一人で。
風よ。
風よ。
私を空へ!
空よ。
空よ。
私を受け入れて!
(夢をつかみたいと〜 まで)

139二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 02:28:42 ID:FXomhXe6
ああ、私は空にいて。
虹がある。
あそこまで。いけるかな!
――そあら、君ならいける。

ふふ、一緒にいこう?

――そうだね!

私は空を飛ぶ。
名前をくれた太陽が、私の背中を暖めて。

空よ。
空よ!
私は、ここまできたよ!

1ねん4くみ みつかさ そあら
わたしは とりになりたいです
そらをじゆうにとびたいんです

これは、先生が嫌がったけど。
私の夢はこっちで、叶ったんだよね!

*終わり チャットで公言 20分。1200秒のミラクルであった
曲無い人はここでみられるよん http://www.youtube.com/watch?v=ROipIgY662A&amp;search=%E5%A4%A2%E6%83%B3%E6%AD%8C

140二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 03:10:27 ID:FXomhXe6
♪ハルジオン 注意!:今回やりすぎ!

夢に向かって走ってた。
壮大すぎた夢にあっさり否定されてがっかりした、少年時代。
隣に幼なじみが居て、僕より背が高いそいつは、一応女だった。
喧嘩は負ける。そいつに落胆した顔を見られて、またへこんだ。

「しょうがないよ」
うるさいな。ほっといてよ。
「馬鹿」
馬鹿ってなんだよ。
どうでもいい、思い出。
忘れても、いい。
そんな思い出。

「また、喧嘩?」
……うるさいよ。
「心配なんだよ?」
……。
(滲まずに〜 まで)
「頑張ったのにね」
――報われないな。
「明日は良いことあるよ」
気休めか?
「応援だよ」
ちぇ。
(風と歌うように〜 まで)
なんで、いつもこういうときにお前はいるんだ?
「うーん、腐れ縁だし?」
そういうもんじゃねぇよ……。
「泣くな、男の子」
うるさいな。ほっといてくれ。
「やだ」
……。
(なんのため まで)

141二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 03:10:59 ID:FXomhXe6
あいつは、いつもそうだった。
僕が勝てなくて。
喧嘩も、身長も。
泣いてるときは、へこんだときは。
だいたい近くにいる。
鬱陶しい腐れ縁。
幼なじみ。
厄介な関係だ。
僕がどれだけへこんでいても、けろっとした顔で近くにいるから。
ちょっと、腹が立つ。
ちょっと、じゃない。
(折れることなく 揺れる まで)
馬鹿げた夢を更新して。
何度も挫折して。
挫折を重ね、それを笑ってしまうくらいの。
でも、夢が沢山出てきて、追いかけてしまう。
馬鹿なのに。
わからずに走っていく。
走って、怪我して、また走る。
馬鹿の連鎖を僕は走る。
(虹をつくっては 手を伸ばす まで)
「お前、なんでそんな躍起になってるんだ」
じゃ、お前はなんでそんな躍起になれないんだ?
なんのために生きてる?
夢をどうした?
この先どうするんだ?
「……馬鹿だな」
ああ、馬鹿さ。
(その位置は? まで)

142二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 03:11:30 ID:FXomhXe6
そんな事言って、夢を忘れていく。
走るのも嫌になる。
夢から離れて、惰性で生きて。
「らしくないなぁ」
……んだよ。
「らしくないって言ったの。夢見てないあんた、変」
変ってなんだよ。僕は僕だ。
「……違うよ」
何が。

苛立っていた。きっと自分自身に。
解ってる。解ってるんだ。挫折すると想って、怯えた自分に。
(色も位置も知っていた まで)
くそっ……やってやる。
お前に笑われない夢を……やってやるよ……。
(間奏終わり)
がむしゃらに、また走り出す。
自分へのいらだちを武器に。
また、挫折して。
悔しくて。


でもあいつはいない。


あの日から疎遠になってしまった。
後悔が、あった。
挫折の悔しさも、むなしさも。

倍になったみたいだ。
(涙で満ちてった まで)

143二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 03:12:00 ID:FXomhXe6
でも……。

見てくれ、僕はまた夢に……向かってるから!
また笑いにこいよ!

なあ、応援しろよ!

ひたすら、ひたすら。
挫折して!
でもまだ走って!
僕は!
来いよ!
応援、好きなんだろう?!
きてくれ……きてくれよ……。

お前が応援してくれたこと、今じゃ感謝してるんだぞ……。
(僕のため 咲いてた まで)
遅かった。
あの時間を取り戻したくなった。
今できるなら、あの頃の僕を、殴り飛ばしたい。
後悔して、そんなへこみっぱなしの僕は、また挫折して。


「また、へこんでるんだね」
……?!
「がんばった、ね」
……ああ。笑うか?
「ううん」
サンキュ。
「あはは、素直。雨ふっちゃうね」
うるさいな。ははっ。

ああ、いつの間にか。
僕は、あいつの身長をこしていた。
(新しい芽 まで)

144二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 03:12:36 ID:FXomhXe6
「また、だめ?」
……ああ、でも良い手応え。
「そっか! ふふ、いい顔してる」
そうか? そりゃ嬉しいな。
「めげない! いいね!」
ああ!
(今生まれた まで)
「がんばれ、がんばれ」
今度はいい感じだよ。
「おーっ! あたしの応援も効くね。あははっ」
ははっ。

ああ、やっぱ。
僕は、こいつが、好きだ。
(根を張る まで)
なあ?
「んー?」
これが上手くいったら
「どうしたの?」
……あー。

言いづらい。
僕がどれだけ駄目になっても、支えてくれていた。
これで、駄目にならないかなとか怯えて。

挫折を怯えるのは、らしくないよな!

上手くいったら、一緒に居よう。

ああ、どんな挫折より怖い、沈黙。

「うんっ」

いつの間にか、女らしいあいつが。
揺れて。

笑った。
*超意訳ゴメス 23分 ウワーオ

145!omikuji:2006/07/04(火) 03:15:43 ID:hRBuVCFg
GJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJ

146二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 03:18:52 ID:FXomhXe6
>>145
イエ――――――――――――――ッ!
大 暴 走 ッ ! !

147二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 04:04:13 ID:FXomhXe6
♪fire sign

僕は英雄だった。
誰かを救い、守る。
そんな思いを込め、旗印は燃える炎。

でも、不満はあった。
何かが足りない。

そう、英雄が欲していた、英雄を救う英雄。
変な言い方だけど、僕だけが、誰かの生け贄だったのかもしれない。
僕は叫びたくて。
でも、それはできなかった。
僕が倒れ、弱さを見せ。
どちらでも、誰かが悲しむ。
苦しいんだ。
一人なんだって。
(自分の声だと気づく前に まで)
だれか、僕を連れて行って。
みんなと同じ道へ。

英雄を待てる、その道へ。
もう、生け贄みたいな事は、嫌なんだ。
(心の中に まで)

148二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 04:04:44 ID:FXomhXe6
「大丈夫」
大丈夫だって?
「あなたの助けは、私が」
心を読むんだね、君は。
「違います。あなたの気持ちは私が知りたいから」
そっか……。
「支えさせて、ください」
……うん。

一人、たった一人。
近くに、明確に。
守るべき命を。

僕の支えが、君だから。
命の炎よ。
(僕を信じて燃えてる まで)
英雄は。
辛いよ?

非難もあるんだ。
僕が居れば、敵が来ると。

だけど、それでも。
僕を信じていてくれる人のために。
(支え続けてる人が居る まで)
村一つ、避難してしまったこともあった。
ボロボロの人を見て、こんな事はやめようと想ったことも。
少なくない。
(引き抜こうと決めた人がいる まで)
でも、やめるわけにはいかないんだ。
後ろを見守る、君のために。
そして、僕が守れる誰かのために。
勿論、君を守るために。
(君の中に まで)

149二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 04:05:15 ID:FXomhXe6
ああ、英雄は辛い。
だけど、幸いだよ。
たった一人。
『一』人が、いるだけで。
辛さは幸いになる。
だから、僕は命を燃やす。
一人でも、僕を必要とする人が居る限り。
(君を信じて燃えてる まで)
サーガを紡がれたこともある。
照れて、光栄だけど。
何より。
僕の心。
燃えるのは勇気と、意志と。
(あなたの中に まで)

150二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 04:05:47 ID:FXomhXe6
僕の物語を、誰にも止められはしないから。
僕の守りを、必要としてくれる人が居る限り。
それが、僕の行くべき場所で。
それが、僕が英雄である理由だから。
(どんな時も まで)
英雄は、生け贄じゃない。
僕を信じる人を。
僕を待つ人を。

自分から。
自分のために。
命を燃やして。
勇気を燃やせる。
それが、英雄なんだ。

僕は往く、君を守り。
誰かを守り。
辛さを幸いにするために!
僕の笑顔は、その時に生まれるんだ!

*終わり 超意訳ゥ 27分

151二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 04:07:08 ID:FXomhXe6
♪fire sign type-B

僕は、人の笑顔を見るのが好きで。
お人好し、なんだろうな。
でも、止まらなかった。
気が付いたら、心で泣いていた。
(見あたらない まで)
泣いてたんだ。
みんなの笑顔を見て、少し空虚な想い。
僕だけ、笑ってない。
(自分の声だと〜 まで)
まるで一人だけ。
僕が取り残された。
(心の中に まで)
なのに、止まらなかった。
誰のために、頑張れた。
何故か、解らないけど。
辛いことを知って、涙して。
でも、君が居たから。
大好きな、君がいたから。笑顔のために。
(燃えてる まで)

152二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 04:07:39 ID:FXomhXe6
僕の居場所は無かった。
留まらずに、手伝える人へ、走り回っていたから。
なのに。
君だけは、僕にずっと笑ってくれていた。
(支え続けてる人が居る まで)
救えない、捨て猫が居て。
何も出来ない僕は、出来ることの限界を知って、辛かった。
(引き抜こうと決めた人が居る まで)
辛かった。
僕の、恩人が居て。
その人が、僕にこう言うんだ。
(間奏終わり)
助けて、満足しただろう?
情けは人のためならず。
きっと、君は満足を得て。
その上、恩返しが。
どこからか来るんだよ。
君は一番贅沢で幸せな生き方をしているよ。
(君の中に まで)
嬉しかった。
笑って。
頑張ろう、また、頑張れるって。
小さく、優しい歌が聞こえた。
君の歌声。
ああ、そうだよ。
僕は、報われていた。
君の歌を背に、もっと強い意志を――。
(燃えてる まで)

153二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 04:08:11 ID:FXomhXe6
僕は、報われるために頑張っている訳じゃなかったけど。
でも、報われることは幸せで。
「頑張ってる姿、大好きだよ」
って、君の声が強く。僕を強くさせた。
(あなたの中に まで)
情けは見えないけど。
いつ、かえってきているのか解らないけど。
僕の心は温かくなっているから。
歌を、笑顔を。
君から貰って幸せになっているから。
(燃えてる まで)
君の歌を勇気にして。
僕は君を、見えない支えにして生きていく。
誰かのために、手伝えることを探して。
みんなの笑顔をやりがいに。
君の笑顔を幸せに。

さあ、僕は今、誰の手助けをしようか?
(見つける まで)
あの子の歌を歌い。
きっと一緒に歌っているんだって想って。

ららら

*第二幕 終わり 10分かよ!? 多重ギミックでノリノリ!

154二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 04:34:00 ID:FXomhXe6
♪世界はそれを愛と呼ぶんだぜ

だあああああああああああッ!
ちっくしょおおおおおおッ!

叫んでやる、叫んでやるさッ!
(前奏ここまで)
ああ畜生。
泣いてる場合じゃないんだよ。
ちょっと、へこんでさ。
だから、今の幸せが強く感じるんだからさ。
スイカに塩って感じで。
君に話せばいいし。ポジティブにね!
(あたためてた事話すのさ まで)
言葉じゃ足りないなら、歌っても良い!
それくらい、君に。
君にだけ、全部伝えたいッ!
(歌いたいんだ まで)

155二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 04:34:31 ID:FXomhXe6
君が昨日嫌な奴で。
今日は普通だったら。
けろっと忘れて、君を愛してるから!
昨日はもう忘れて、今日はべったりするさ!
毎日毎日、素敵な君だけ都合よく見るから大丈夫。
欠点だって魅力になるから。
あばたもえくぼってね。
これが、愛情って言うんだ!
(愛と呼ぶんだぜ まで)
本音を言い合うのは、汚いこともあって怖いかもしれないけど。
君となら、やっていける!
都合の悪いことを忘れて。
都合のいいことだけ頭にはいって。
でも、それが本当になるのが二人の特権だと想ってるよ!
(歌い出すんだ まで)
やっぱり、疑いたいときもあるけど。
だから、信じているときくらいはきれい事を叫んでいたいんだ。
でも、ネガティヴにはならないよ。
どーんと、信じ切って馬鹿になりたい!
疑うだけじゃ、愛情は生まれないからね。
平和に行こう!
(何をしたっていうんだ まで)
昨日の君が僕を疑っていたって。
僕は信じているんだから。
疑っていた君は僕にとっちゃ無かったことになってるんだよね!
毎日毎日、君を愛しているのは、こんぐらいの気合いと、覚悟と、当然の思いがあるからさ!
これが――。
僕の愛情だァァァァァァァァァァァァァァァッ!
だからさ、一緒に。
歌ってしまえばいいッ!
ぜェ――――――――んぶッ忘れて、良いことだけまとめて、歌おう!
(歌い出すんだぜ まで)

156二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 04:35:06 ID:FXomhXe6
ああ、本当に君を愛しているよ!
幸せだぜ! 僕は!
(間奏終わり)
愛と平和! 愛と平和! 愛と平和! 最高じゃないか!
(愛と平和! まで)
幸せの花を――咲かせてみせるさぁッ!
(悲しみで花が咲くものか! まで)
この先も愛し合って、もっと高い所に行こうよ!
僕は叫ぶ!
さぁ、君も!
世界の待っている愛と平和!
それを叫ぶんだ――ッ!
(待っているんだぜ まで)
君のために歌っているのは凄く照れたりするけど。
でも、歌わないと。
僕がもたないんだッ!
(だけど僕ら確かめ合う まで)
悲しい日をぶっとばす、幸せの歌を歌うんだ!
君への愛情を歌にして、全力で歌うぜッ!
(世界じゃそれを愛と呼ぶんだぜ まで)

「けんちゃん、めっちゃはずい……」
しるもんか――――――――――ッ!
ラ――――――ヴ アンド ピィ――――――――――スッ!

*終わり 馬鹿テンション血管ブチ切れモードでお送り致しますッ! 23分ッ!

157隣りの名無しさん:2006/07/04(火) 09:55:25 ID:R/oredDE
っVIP STAR



無理なことを前提で言っていますwww

158隣りの名無しさん:2006/07/04(火) 18:02:43 ID:CMMrzGRE
つTheme of Prontera

159隣りの名無しさん:2006/07/04(火) 19:51:54 ID:8KFGjp9g
っ純冷夏

160二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 20:18:35 ID:FXomhXe6
>>157
検索してみたけど、ちょっと無理だなー……
VIPの世界を書けばいいんだろうが

実は俺VIPPERじゃないから歌詞オイテケボリス(´・ω・`)
スメンナサイ(;´Д`)人

>>158
あー。
やってみるお

>>159
検索したー。
出てこないーorz

161二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 20:20:54 ID:FXomhXe6
Theme of Prontera 今聞いてる……。
こんな馬鹿げたパンふってあったっけorz脳に悪い

だが書く!

162二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 20:32:16 ID:FXomhXe6
丁度チャットで出たが、アナゴ系はやらんです。
耳に低音が響いて気持ち悪くなるorz

マジで吐いたんですがorz

163二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 20:35:19 ID:FXomhXe6
♪Theme of Prontera

門をくぐる。
影になった門の下、ゆっくりとそこを離れ。

空が――開けた。

緊張とか、開放感とか。
好奇心やら、恐怖心かな?
色々沸き立つ新世界。
自分史上最初、未踏の一歩を踏みしめ。

新しい空気がそこにあった。
ざわつく心をさておいて、緊張を抑えてゆっくり歩きだす。

青い空が高く感じて。鳥を羨ましく思った。
こういう空にいるのは気持ちいいんだろう。
浮き立つ心が飛ばしてくれないだろうか。

少しだけ、歩きながら爪先が踊る。
このまま足の勝手にさせたら回るんじゃないかな?

浮き足だった足音が、いつまでも響く――。

*意外と書きづらかったーorz 14分かよこんなんでorz

164隣りの名無しさん:2006/07/04(火) 20:49:08 ID:CMMrzGRE
始めた頃の気持ちを思い出しかけたら短かった――!!

165二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 20:55:43 ID:FXomhXe6
>>164
ゴメスorz
展開少なくてループになりそうだったの(´・ω・`)
街のイメージを付けるのは反則だよなと思っちゃったからorz

166隣りの名無しさん:2006/07/04(火) 21:21:47 ID:CMMrzGRE
戦士よ、起ちあがれ!
とかどうだろう

167二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 21:22:52 ID:FXomhXe6
>>166
きたよきたよー
あっついの把握!

168二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 21:27:28 ID:FXomhXe6
すんません、某人の世界を借りる

169二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 21:52:50 ID:FXomhXe6
♪戦士よ、起ちあがれ! 注意:かなり、暴走した

守ること、
戦うこと、
線上に――。

戦場にあり!
(前奏ここまで)
風だ。
神風とも言えばいい。
戦士を送り出す強き風。

例え悲惨な結末であろうと。
指をくわえているわけには行かぬ。

あがくために。
平和を掴める可能性に賭け。
我等は立ち上がる!
(起ち上がれ まで)
私には両親が居ない。
私は、父を失った。
――昨夜は、恋人を。
口々に彼らは意志を、戦う理由を吐く。
そして。
『この国を蹂躙された!』
(傷つくこともあるだろう まで)

170二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 21:53:21 ID:FXomhXe6
ああ、相手は我等と同じ、人だ。
だが、守るために、
これ以上失わないために、
未来のために、
我等は牙を剥く!
(平和があればいいのさ まで)
夕日の中、男達は歩く。
歩調は同じく、幾重にも、一人の音が響くが如く。
痛かろうと思う。
苦しかろうと思う。
お互いにそれを交換することは、苦痛だと思う。
だが、彼らの足は止まらず。
歩みは速く、出来るだけ速く。
機を逃さぬよう。速く掴むべき平和があるからでもある。
守る者のため牙を剥く、その男達の意志が、前へと。

サイレンが鳴り響く。
戦太鼓の如く。
彼らの戦意を高揚させ。
そして、悲しみを忘れるために。
守るべき者を、未来を、
守るための音が鳴り響く。
(永久に まで)

171二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 21:53:52 ID:FXomhXe6
戦闘の道具。
相棒。
それに向かって各々走り出す。
外が広いこと、それはこの国の歴史にとって昨日に近い。
狭い世界、この星、この国。
それを守るために、
迷いを置き、戦いを!
戦いの咆哮が、レシプロエンジンの叫びと重なった。
(起ちあがれ まで)
愛する人のため。
――両親を。
 ――恋人を。
      ――家族を。
  ――国を!
『傷を恐れない!』
魂の叫びが重なった。
地獄を恐れない。
我等には返る場所があるから。
そこで待てば、いい。
我等が終わろうとも、
我等の意志を、
引き継ぐために。
終わらせぬために!
『往こう』
戦の鳥が叫びを上げる。
重々しく、響く声を。
彼らを乗せた鳥は、順番に飛び立つ。
死を与える場所へ。
(旅立つ まで)

172二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 21:54:28 ID:FXomhXe6
闘えぬ者のため。
守るべき者のため。
引き継いでくれる者のため。
戦いへ。

勝利を、
――護国を!

この空を、戦の延焼から止めるために。
(そらに まで)
不利だった。
だが、負けもしなかった。
押されてはいる。
しかし、一人一人背負った物が。
負けを否定して。

不可能が可能になった、その意志で。
彼らは戦う。
大空に命を散らしながら。
それでも、引かなかった。
(間奏終わり)

173二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 21:55:00 ID:FXomhXe6
戦の黄昏。
地球の黄昏。
両方が支配していた。
敗北が近く、だが。
――このまま往かせては、いけない存在がある!
お互いの守るべき存在が、戦いを最後まで続けさせた。

――みんな、頼むぞ。
声を残し散った者がいる。
――!
声も無く散った者がいる。

思いを背負う、彼が居た。

――母さん、私は頑張りました。
   ――君よ、すまない。
    ――お前に夢は、頼む。
 ――守れ。
       ――私が守ろうとした物を、頼んだ。

言葉は別れ、
言葉は覚悟、
だが、
だが、
命の炎を最後まで。
彼は空を舞い。
生きている限りの牙として。
闘えぬ者、まだ見ぬ受け継ぐべき者のため。
大空を舞う!

この命、未来へと受け継ぐための礎となろう!

174二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 21:56:08 ID:FXomhXe6
*うへー 29分
戦争肯定はしないが
否定だけじゃない、未来(現在)のために戦った人だけは賞賛します。
某極東板のPVでこれを見て、未だに忘れられぬためこうなってしまった。
まあ、色々あるけど。
日本の国自体は大好きなので。
そんなんだから日本語いじりで食う夢を未だに見てるんだけどね。

175隣りの名無しさん:2006/07/04(火) 22:04:58 ID:jNeWdKeQ
っ【じゅんれいか】


目を閉じーれば億千の星♪




こうことじゃないって?

176二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 22:05:48 ID:FXomhXe6
>>175
すまーん素でわからんのよ(;´Д`)
正式表記だと参考もひっかからないからねぇ……orz

177二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 22:08:42 ID:FXomhXe6
OK湘南乃風ね。
……しかし聞いたことがないorz

178隣りの名無しさん:2006/07/04(火) 22:13:01 ID:K3KoU0fI
正直スマン刈田orz

漢字がわからんのよorz

179二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 22:14:18 ID:FXomhXe6
巡恋歌だから、じゅんれんか じゃね?

180隣りの名無しさん:2006/07/04(火) 22:22:05 ID:CMMrzGRE
>>174
どう見ても歴史です と思ったらなるほどダスキン
熱かったぜ

181二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/04(火) 22:33:31 ID:FXomhXe6
>>180
あれは強烈だったんだ(;´Д`)
丁度動画コンテの勉強してた時だったからねぇw

182隣りの名無しさん:2006/07/05(水) 00:03:30 ID:WSDTojmE
ならばこれならわかるだろう!!!!



っ粉雪

183二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/05(水) 00:08:48 ID:OxxMUovU
>>182
うぬぬぬぬぬ……
実はじっくり聴いたことナスorz
となーいぬぅぅぅぅorz洗脳された

184隣りの名無しさん:2006/07/05(水) 00:16:16 ID:i.AFgSLY
太陽族より「戦友」

185二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/05(水) 00:30:53 ID:OxxMUovU
>>184
ひーわっかんねぇだぁorz

試聴しようとしたらメインマシンが凍ったよorz

186二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/05(水) 00:33:38 ID:OxxMUovU
色々調子悪いんで寝ますorz
スメンナサイ
候補はいつでも受け付けるので列挙して置いてくれると助かる

187隣りの名無しさん:2006/07/05(水) 11:57:53 ID:r.RqSVwY
っさくら(ケツメイシ)

188HERO-Mr.Children:2006/07/05(水) 14:21:58 ID:bDHhRUrU
「ねぇ」
隣にいる彼女に聞く。
内容はなんてこともない、どうでもいいような話。
「何?」
笑いながら僕に聞く。
「例えばさ……例えだよ?」
しつこいようだが念を押す。
「誰か一人の命と引き替えに世界を救えるとしたら……君ならどうする?」
本当になんてこともない、どうでもいいような話。
彼女は答えてくれるだろうか?
「私なら……世界を救うわね」
「そぅ……」
意見が僕とは違った。
僕なら……世界は救えない。
誰かが名乗り出るのを待つだけだ。
なぜなら、両親や親友。そして、彼女。
僕の愛する人たちが、僕を臆病者に変えてしまったのだから……。

小さな頃に見たヒーロー物の番組。
その真似をして、世界を救えるかなと僕は思っていた。
そのヒーローみたいに、憧れたいなんて思っちゃいない。
世界を救いたかった。ただそれだけ。
でも、世界を救うからヒーローだなんて、僕は思わない。
何かを救うから、ヒーローなんだ。
だから……僕は……。
彼女だけのヒーローでありたい。ずっと。
彼女が苦しんでたら……悩んでたら……。
僕は彼女に救いの手を差し伸べる。
彼女だけのヒーローでありたいから。

189HERO-Mr.Children:2006/07/05(水) 14:25:17 ID:xyJHNJ7c
一番だけです
俺の好きな曲でなんとなくイメージが浮かんだので書いてみました
ソノマンマトカイワナイデ…
では、スレ汚し失礼しましたノシ

190隣りの名無しさん:2006/07/05(水) 18:36:05 ID:I4IVSCZo
っコンドルは飛んで行く

191二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/05(水) 20:01:27 ID:OxxMUovU
>>187
midiがあったのでやってみるわー

>>190
和訳歌詞無かったので意訳なら、次にやるね

では――開始

192二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/05(水) 20:02:58 ID:OxxMUovU
音と歌詞あるってことで、ここにあるものは何とかやれそう
http://www.hi-ho.ne.jp/momose/mount_midi.htm

193二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/05(水) 21:02:46 ID:OxxMUovU
♪さくら 注意:ちょいと別世界。

柔らかい。そうだ。
突き刺す寒さも、凍える時間もなくて。
柔らかい空気と、流れる時が春に有る。
凍った思い出を溶かして。
新しい何かが、音を立てて氷を割る。
芽吹いた柔らかいこれから。
柔らかな、君と。
あの……。

ああ、春だ。
(前奏終わり)
白い雪。
暖かい雪。
雪でない雪。
降り積もる桜。

約束の歌を思い出してハミングしながら、帰ってくる君を待ちに。
あの場所まで、歌を思い出しながら歩く。
握りしめた右手は、ポケットに。
もう、それが暑く感じるくらいの。
春だ。
(あの頃のままで まで)
「また、ここで」
そう言った君の約束は、春の空気の匂いが髪にまとわりついていた。
だから、思い出す。
あの約束と歌。
行こう。
(あの頃のままで まで)
春の風。
柔らかい。
春は楽しい。
何かが始まる。
春は止まれない。
約束があるからだ。
春は待ち遠しかった。
心が優しくなれるから。
(ひゅるりら まで)

194二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/05(水) 21:03:17 ID:OxxMUovU
思い出はたくさん。
散る桜にそれを思い出しながら歩く。

綺麗な桜が散って、夕方の二人を明るくした。
君を彩って、俺を熱くさせて。
(あの頃また気になる まで)
毎年、約束までは君が居なくて虚しい。
約束の時間までをはやらせる、桜。
(違うのは君が居ないだけ まで)
長い黒髪、白い桜。
ざわつく風と二人の動き。
音のない、勝手なワルツ。
(また騒いだり まで)
――10年後はどうなってるかな。
  ――変わらないと良いね。
――変わるさ、良い意味で。
  ――変えるんだね。
あの笑顔。眩しそうな、俺にとっても眩しい笑顔。
(輝いた証だ まで)
  ――また、ね。
――ああ、まただ。
  ――約束。
――約束。
子供じみた指切り。
(変わらぬままで まで)
――毎年の更新だ。
  ――契約じゃないよー。
――またのご利用を。
  ――あははっ。
冗談すら大事な約束。
(交わしたね まで)
思い出す。
  ――いつも、ここで。
――いつも、ならいいんだけどな。
  ――贅沢だねー。ふふっ。
(君呼び起こす まで)

195二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/05(水) 21:03:50 ID:OxxMUovU
春の小道、俺は往く。

君の顔を思い出し。空を見上げ。

春の公園、俺は通る。

あの約束の場所を横目に見て、近づく事を実感して。
(記憶舞い戻る まで)
  ――じゃあ、また来年。散り初めに。
――この丘で。
  ――桜の下で。
思い出し。
(誘われ まで)
――やっぱ今日から、居ないか。
桜がひとひら、手を逃げる。
(花びら まで)
あの日の景色と違う丘。
――もうガキじゃないって事か。
(解らなかったが まで)
また今年も、春風が桜を散らす。
上の桜も、見下ろす桜も。
暖かな雪を春に彩り。

光景だけは、いつも通り。
(香る風)

196二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/05(水) 21:04:56 ID:OxxMUovU
  ――春は大好き。
――だな。
  ――君に会えるからだよ?
――ストレートに言うな、お前。
  ――嫌なの?
――そんなわけ無いけどさ。
(あの日に戻れる まで)
  ――おきろー。
――やだよ。
  ――だーめ。
(どこかへ まで)
目を開ければ、桜。
ほおに張り付いて、また飛んでいった。
(語らない まで)
  ――おきなさい、ね?
空耳まで、俺を前に進ませようとする。
(今はもう まで)

197二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/05(水) 21:05:27 ID:OxxMUovU
あの歌を歌う。
完全に思い出した歌を。
君が一緒に歌う。
春風が代わりに。

強くて、柔らかくて。
ざわつく歌。
(あの頃のままで まで)
花の香。
柔らかく。

ほおをな出る風がくすぐったい。
風がそっと。

あの日見た夕日が、同じように沈んでいく。
彩る桜は、まだ白い。
(あの頃のままで まで)
ああ、風が歌う。
俺も歌う。

出会いの歌。

別れの歌。

巡る歌。

握りっぱなしの右手が、震えた。
(ひゅるりら まで)
花びら、落ちる。
花びら、散る。

君の思い出、降ってくる。
君の思い出、風にながれる。
(そばにいる まで)

198二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/05(水) 21:05:57 ID:OxxMUovU
歌が思い出す、あの日のこと。
歌が思い出す、何年ものこと。

風が思い出す、柔らかさを。
風が思い出す、暖かさを。

俺が思い出す。
大事なことを、大事な人を。
(二人約束した あの頃のままで まで)
ああ、風が強くなってきた。
それでも冬みたいにはならない。
優しく。
すがすがしく。
切なく。
ざわつかせる。
春の風。

風。

風の歌を一緒に歌い。
(ひゅるりら まで)

199二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/05(水) 21:06:27 ID:OxxMUovU
  ――よくできました。
――いたのか。
  ――もう、一人でも上手いね。
――やっぱり足りないな。
  ――ふふっ。なら……
――ん。
  ――足していって?
――ああ。

  ――思い出、いっぱい。
――足りないところまで、足していくぞ?
  ――ずるいんだー。
――いいじゃないかよ。
  ――ふふっ。駄目とは言ってないよ?

――ほら、行くぞ。
  ――うん、お願いね。
――風が丁度良い。
  ――ちょっと強いよー。
――贅沢め。

握り続けた右手を、そっと離す。

君が、風に乗る。
さらさらと、君の姿が風に乗る。

約束、果たした。

君よ。

君の灰よ。

俺は歌う。
風は、いつまでも一緒に歌う。


春――。
芽吹きの春。

出会いと、別れの春。

200二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/05(水) 21:07:33 ID:OxxMUovU
*終わり 61分orz
midiだけだったから苦戦したわけじゃないぞ
コンテっぽく書くのがスキなので、ここまで情報のしっかり入ったラップにはカットバックやりたくなっちゃってw
こりゃぁ、変な世界だわw

201二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/05(水) 21:15:52 ID:OxxMUovU
♪コンドルは飛んで行く

長い声。
呼び声。
叫び声。

コンドルの声。

まるで空中に縫い止められたかのように、それは羽根を広げ、風に身を任せる。
雲一つ無い空。
それは青一面の国を主のように。

私は見上げた。
そいつを。
羨ましいとは少し思った。
飛べる、自由だ。
自由が欲しい訳じゃなくて、どこまでもいけそうな可能性に。

空を、くつろぐようなコンドルを、見上げ。

音は風と、鳴き声だけで。

生きているのは私とあいつだけの。
狭い世界。

広くて、狭い世界。

202二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/05(水) 21:16:55 ID:OxxMUovU
不意にそいつが動き出す。
獲物なんだろうか。
私と、そいつだけの世界が急速に、
他を足していく。

それに追い立てられるかのように、走る。
ああ、そうだった。
先へ行かなきゃ。

だれもいないここに、沢山の人や物を彩るために。

*おわり 短くてゴメスorz 8分 もうちょいいけたかorz

203二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/05(水) 21:19:55 ID:OxxMUovU
ようつべにさくらがあった件
今更遅いよorz
http://www.youtube.com/watch?v=ULbYPpcoXCs&amp;search=%E3%82%B1%E3%83%84%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%82%B7

204隣りの名無しさん:2006/07/05(水) 21:28:34 ID:i.AFgSLY
だが>>193-199はいいと思った
原曲知らないんだけどな

つonokenより『探し物』
ttp://www.muzie.co.jp/cgi-bin/artist.cgi?id=a001564

205二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/05(水) 21:36:03 ID:OxxMUovU
>>204
thx!
onokenキタワァ
未だにLATAIAはきいてるぜw
では、開始――

206二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/05(水) 21:50:02 ID:OxxMUovU
♪探し物 注意:わー電波

さがしものを、しています。
だいじなものを、さがしています。

みつかりません。
さがしているものが、わからないから。

ね、ね。
わたしらしい、ものをしりませんか?

それはちっちゃくて、
こわれやすいけど、
きれいなものだった、はずなんです。

みつからないと、かなしいの。

みつからないと、くるしいの。

なんだかわからないのに、くるしいの。

おねがい、おしえて。

おしえて――ください。

207二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/05(水) 21:50:33 ID:OxxMUovU
いきなりの問いかけに、僕は息を呑んだ。
古くさい街並み、気が付けばここにいた。
何も言えず。だけど。

しらないんですね。
まいごさんなの?

――わからない。

わからないの?

――うん。

良く分からないけど、この子についていくように。
古い、でも汚くない。
懐かしい、
この街を彷徨った。
白く、朝靄のかかった街を。
眠って、二人しか動かない街を。

わたし、なにがほしいんだろう。

――僕も解らない。僕は何が欲しいのかな。
相変わらず声は出ない。

わかんないよ、わたしおとなじゃないもん。

208二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/05(水) 21:51:04 ID:OxxMUovU
歩きながら、終わらない質問。
歩いて、止まって。
思い出し。
思い出せず。
考え。
思いつかず。

思わず、足を止めた。
あの公園……。

何かが氷解して、走った。
そこへ、そこへ。

209二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/05(水) 21:51:34 ID:OxxMUovU
どうしたの?

――思い出せそうなんだ!

そう、覚えている。

ああ、ここかぁ。

――うん。

わたしも、さがしてるもの、みつけた!

――うん!

ふたりで、あのベンチへ。
座って、気づく。

210二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/05(水) 21:52:23 ID:OxxMUovU
おかえり。

――ただいま。

小さな手を握って。
笑顔が、涙で歪む……。

ありがとう。
――ありがとう。
おかえり。
――ただいま。

ベッドから半身を持ち上げた僕は。
涙をこぼしながら眠る、君に。

ただいま、と。

*終わり 幻想+ノスタルジィ もすこし掘り下げたかったような、そうでないような……うーん 14分

211二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/05(水) 22:19:56 ID:OxxMUovU
こんな感じの曲ないかなとか、そういう曖昧な指定でもOK
探して、やってみる(難度高そうだが

212隣りの名無しさん:2006/07/05(水) 22:56:34 ID:i.AFgSLY
よく判らないが無事で良かった

つMintJamより『Crying Moon』
ttp://www.muzie.co.jp/cgi-bin/artist.cgi?id=a011858

213二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/05(水) 23:22:00 ID:OxxMUovU
>>212
ぬおーむーじーがなんかおもひorz
もうしばし準備を(;´Д`)人

214二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/05(水) 23:26:23 ID:OxxMUovU
やっとDLオワタorz
さーがんばろ……

215隣りの名無しさん:2006/07/05(水) 23:28:11 ID:i.AFgSLY
若槻!
高槻!
天気予報ー!

216二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/06(木) 00:12:08 ID:FVwzcm2g
♪Crying Moon

叫ぶのは誰だろう。泣いているのは誰だろう。

自分の器を抜けた、自分じゃない何か。

取り戻したいのは時間だろうか。
思い出を探っても、何も出てこない。

今を亡くし、重ねた日々を嘘としても。
まだ、戻ってこないものがある。
(答えは否 まで)
居ない? 嘘だ。
嘘だ
嘘だ
嘘だ

嘘だ!

叫ぶ。吠える。
でも、何も変わりはしない。
(荒しつくしていく〜 まで)
瞳を伝うのは、冷たい物だけ。
暖かい何かは、いつまでも来ない。
冷たい物を出しては、それに凍えさせられ。
体が凍って、空気も凍って、伝わる物がなにもない。
(かえりはしない まで)
凍った世界は、全部が凍っているのに。
何故、何故。
君だけが凍っていない。
君の彫像だけ、無いんだ?
君は、どこで凍っている?
僕の世界には居ないのか?
(叶わず まで)

217二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/06(木) 00:13:12 ID:FVwzcm2g
誘われるがまま、皆の言う現実を歩いている。
僕からしたら、夢だと思いたい道。
どこにあるのか解らない。
氷の世界で、また君を捜す。
(幸せは何処に まで)
心は凍っている。
溢れてくる悲しみを止めるため。
喜びも一緒に葬った。
それでいい。
それでいいんだ。
(逃がさない まで)
もう、今なんか要らないから。
昔をやり直したくて。
やり直す方法など無くて。
(間奏終わり)
昔の僕を思い出し。
過去を殺してしまえばいいのにと思う。
殺したい過去を背負っている、僕は、
誰だ?
(止めさすのに まで)
心を殺したのに、何かが外側だけを溶かして。
いつでも、いつでも。
涙が止まらず。
氷を半端に溶かすのは――君の思い出で。
だれもいない氷の上、僕は意味もなく彷徨う。
(教えて まで)

218二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/06(木) 00:13:42 ID:FVwzcm2g
さわれない。
見えないから。幻しか。
吹雪なのか。氷なのか。
――現実なのかも。
(間奏終わり)
どうしようもない事がある。
それが、僕を凍らせる。
時間は止まる、歯車が凍っているから。
前には進められない。
後ろにすら。
(戻りはしない まで)
涙が溢れて。氷の上を、ゆっくりと固まっていく。
涙が水に、水は氷に。
その間に、心をわずかに溶かすぬくもり。
思い出があって。
触ろうとしても触れない。
その無力が。さらに涙をこぼす。

体は要らない、思い出に生きられるなら。
もし、時間を取り戻せるなら。
今の――僕の夢での体は――要らない。
ここで死んでも、そっちで生きたい……。
君の居る、そっちへ……。

*終わり 45分 大苦戦orz

219隣りの名無しさん:2006/07/06(木) 00:34:36 ID:kv5SX4lc
GJです!!
昔の自分を殺したい…すっごく良く分かります。
やってしまったことは、泣いても悔いても、もう取り返しようがないんですよね…

ではリクエストを。
また東方系の曲ですみません、本当なら耳コピを探すべきなんですが…
これだけは原曲で聞いてもらいたいんです。

シンデレラケージ 〜 Kagome-Kagome
http://054.info/054_53914.zip.html

飛び切りかっこいいのをお願いします。

220二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/06(木) 00:41:12 ID:FVwzcm2g
>>219
DL確認ッ
では、いきまっせ――

221隣りの名無しさん:2006/07/06(木) 00:42:02 ID:76/guoD2
シンデレラケージktkr

222二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/06(木) 01:02:49 ID:FVwzcm2g
♪シンデレラケージ 〜 Kagome-Kagome

かごめ――かごめ

いつ――いつ

言葉が繋がる。
繋がった言葉は、籠。
その中は、戦場。

戦歌士というのがいる。
歌で戦う、解りやすい。
音が波、波は波動、波動は力。
風が荒ぶる。力の風が。
音が震える。力の音が。
視線が――。
お互いを繋ぐ。

223二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/06(木) 01:03:23 ID:FVwzcm2g
一人、赤いブレザーの女が歌い。

追いかけ輪唱するは、青のワンピースを着た女。
戦うのは歌の力。

かぁごめ かごめ

後ろの正面――

文字通り、後ろへ。
片手で腹を押さえ、もう片手はのど元へ。
視線は前へ、体は前屈みに。

残像が後ろへ。

「だぁれッ!」
青の残像が背後へ、同時に赤は一礼、スカートの裾をつまみ。
消える。

「ああ、心地よい」
「ええ、最高の戦い(gig)になりそう」
強き瞳に強き笑み、互いの全力を。
「「さぁ――聴けッ! 戦の歌、力の歌を!」」

224二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/06(木) 01:03:56 ID:FVwzcm2g
歌は多重、歌は全て。戦歌士の歌は声を、越える。
あらゆる音をもって。
手持ちのアンプ――楽器と増幅、両方をまかなう――がうなり。
うなりは歌へ。楽器の歌へ。

「楽しいわ」
檻を作った赤が、檻を力に。
範囲の攻撃を。
「一番、燃える――」
追いかける青が、追従の速度を力に。
残像の攻撃を。

檻が槍に。
速度が己に。
槍の周囲を無数の影が避け。
影の追走を、檻を利用した回避が受け取り。
「「合照」」
手合わせ、そして力を照らす。
己と相手、全てが称賛に値するとき、それを発する。
認めた相手と最後まで、その合図だ。

225二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/06(木) 01:05:54 ID:FVwzcm2g
かぁごめかごめ――赤は踊る。檻を槍に、槍と剣で、円の舞。
                    かぁごめかごめ――青は奔る。残像を力に、己と影で、線の舞。
つるとかめがすべった――力を放つ。青へ向け、囲うように。
                    つるとかめがすべった――力を放つ。赤へ向け、貫くように。
うしろのしょうめん――力を曲げる。背後から正面へ。
                    うしろのしょうめん――力を曲げる。一点から包囲へ。
             だぁ……れ――位置を交換した。力がお互いを貫く。貫くのは過去の相手。

「「最高――」」
陶酔と戦意、称賛に値する相手が互いに時間を一旦止め、言葉を交わす。
アドレナリンの溢れた脳が、短時間の賞賛を1時間にも、1日にも感じさせ。
わずかな休憩が全てをグリーンのコンディションへ持っていく。

止まった戦いはオベーションを求め、まだまだ止まらず。
時間は瞬間へ。
空間は点に。
全てが短く。
だが正確にかみ合う。

226二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/06(木) 01:07:04 ID:FVwzcm2g
終わらぬ舞は、終える者が居ない。
全力は全力が受け止め。
だが、戦う二人は思っている。

願わくば、この陶酔が永遠であるよう。
二人の強く、汗にまみれた笑みがそれを交換した。
「「ああ、永遠が欲しい」」
命でもない、勝利でもない。
これが続けばいい。
それだけが、戦う――歌う――二人の望み。

*終わり 21分かー なんか変なテンションねw

227隣りの名無しさん:2006/07/06(木) 01:21:12 ID:kv5SX4lc
GJ!!
スピード感があっていい感じでした!!

別の人が書いた歌詞ですが、こんなのもあります。
http://uploaderlink.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/512kb/src/up12755.txt.html

228二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/06(木) 01:24:15 ID:FVwzcm2g
>>227
thx!
あー……シンデレラ要素使ってないなぁorz
勢いだと速度は出るけどミスが多くなるかも

229二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/07(金) 23:27:42 ID:BysMInv.
注文は随時受けてるよー

今日はちょいと、同人の方やっとりますので遅くなるかもしれず……

230隣りの名無しさん:2006/07/08(土) 10:01:42 ID:CS/jj74o
つ『子午線の祀り』

231二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/08(土) 20:08:28 ID:L2SAyuHY
>>230
子午線の祀りって色々あるよー(;´Д`)
どれだろ……

232隣りの名無しさん:2006/07/08(土) 20:51:20 ID:CS/jj74o
あら それは失礼した
聖剣伝説2ので願う

233二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/08(土) 21:17:03 ID:L2SAyuHY
うし、なんとかmid発見
やってみんべ

234隣りの名無しさん:2006/07/08(土) 21:17:37 ID:WNAnDohU
っ花京院のテーマ

235二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/08(土) 21:29:06 ID:L2SAyuHY
>>234
曲がみつからぬ……

236二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/08(土) 21:37:30 ID:L2SAyuHY
♪子午線の祀り

――でかい!
第一声にしては、情けない。
そのくらい、奴はでかかったんだからしょうがない。
上空を仮初めの翼で見下ろし。
でかかった。

丸い世界を両断してしまうのではないかというくらい、
そのくらい、あの龍はでかかった。

――圧倒的な!
とにかく追いつかねばならぬ。
追いすがり、振り切られ。

不意の安堵。
そう、安堵してしまった。
その後ろから――。
――もうかよ!?
あいつはこの世を一週してきたんだ。
速すぎる……!

237二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/08(土) 21:38:00 ID:L2SAyuHY
焦りを一つ呑み、次の一週を待ち――。
近寄る。
――もうすこしだ、びびるまえに……!
しがみつく!

竜頭。
そこにあるのは財宝らしい。
今更思い出した冒険の理由を噛みしめ。
鱗を一つ、また一つ。
強烈な風が体を熱くする。
摩擦を感じているくらい、速いんだ。

リングの竜、ウロボロス。
そのなれの果て――聖化したから語弊はある――は圧倒的だ。

だけど――やってやれない事はない!
進む。進む。
何かを、求めるために。

238二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/08(土) 21:38:48 ID:L2SAyuHY
――何のためかは、見てから考える!

巨大な物体の回転はいつでも同じ。
しがみつく者を振り落とす、悪魔のような速度。

――ああくそ。空が綺麗だ。

こんな大いなる存在の上では、どうしても恐怖より。
不思議な間隔だ。

――さぁ、勝負と行こうか、大将。

*うーん、なんか聖剣ってよりワンダっぽいぞw 20分ちょい
余談:リーフセイバー使わなかった俺に一言

239隣りの名無しさん:2006/07/08(土) 21:57:52 ID:CS/jj74o
これは確かにワンダだww
すまない、リクエストしといてなんだが自分ではやってないんだ…

240二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/08(土) 22:01:58 ID:L2SAyuHY
>>239
ちょwwwwwwwwww
ゲームやってる癖に派手にやっちまったと思った、うんw

241隣りの名無しさん:2006/07/08(土) 22:13:31 ID:ifPn4kVM
花京院のテーマ自己消化

それは夜空にバラ撒かれたエメラルドのしぶきように
キラキラと輝き、夜空に消える。

彼の魂は夜空にバラ撒かれたエメラルドのしぶきように。
一瞬、キラキラと輝き、そして消える。
彼のたった一度の輝ける時は、死の間際に。
輝き、消える。
夜空にバラ撒かれたエメラルドのしぶきように。

彼はエメラルド
緑色の輝きを

彼はエメラルド
緑色に、力強く光る。
彼はエメラルドのしぶきのように。
たった一瞬、輝いて消える。

242隣りの名無しさん:2006/07/08(土) 22:14:34 ID:mVzy5XFU
花京院のテーマwwwwww自分でみてきめぇwwww


先生…文章力が欲しいですorz

243二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/08(土) 22:15:13 ID:L2SAyuHY
>>242
乙!
そして努力……じゃないな。
なんでもいいから積み重ねると色々身に付くよw

244隣りの名無しさん:2006/07/09(日) 17:45:20 ID:tWX3srLU
っ『ひょっこりひょうたん島』

245二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/09(日) 20:18:57 ID:Gv51/mDU
>>244
んー、すまぬ
露骨に『ひょうたん島』であるわけで、書きようがないんだ。
ある意味同人二次創作みたいなもんじゃん?
解らないから思いつきでやろうにもお、ひょうたん島って書かれたらどうしようもないorz

246隣りの名無しさん:2006/07/09(日) 20:23:45 ID:tWX3srLU
そっか すまなんだ
じゃあ およげ!たいやき君 も駄目か……

カービィの「グリーングリーン」は如何

247二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/09(日) 20:55:51 ID:Gv51/mDU
>>246
グリーングリーンズ、かな(検索したらそう出た)
あんまりにいい感じのアレンジをきいてたら遅くなったorz

やってみるぜー

248保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:14:11 ID:T8QZhQM6
ども。
7/8〜7/9にかけてVIPでスレ立ててやってみた、

『中年で離婚して年金半分持ってかれたけど質問 は受け付けない。 』

はここに投下することでそのまとめとさせていただきます。

ちなみに、曲をモチーフにしている事もここで明らかします。曲は

男の子|YURIA

です。では投下↓

249保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:15:02 ID:T8QZhQM6

田園風景である。田園風景である。
見渡す限り田園である。両側が田園である。見渡す限りの。

田園風景である。田園風景である。
いい天気である。晴れ晴れしているのである。季節は夏。

田園風景である。田園風景である。
綺麗である。見渡す限りの緑。時々カカシとか居たりして。

田園風景である。田園風景である。
その水田に息づくバッタ、タニシ、ボウフラまで。生命の力が静かに横たわるような。

田園風景である。田園風景である。
電車が走っている。その田んぼの真ん中を。線路が延びている。緑の先へ。

その一両編成の箱の中で。
箱であるはずなのに、とても開放的で明るくて。
まるで風そのものに運ばれるように静かな静かな、けれど時速80kmのなかで。
綺麗な綺麗な空気の中で。
流れる大気に夏の暑さが心地よくて。
光が満ちていて。午前で。
箱の中はまるで空洞で。
つり革に意味はなくて。
両側に対面した座席があって。
さっき止まった駅で紛れ込んだトンボが、羽を休めていて。




彼は首をくくろうか、腹を刺そうか、毒を飲もうかを考えていた。



-middle age no.1-

250保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:15:36 ID:T8QZhQM6
そんな人生で何度訪れるとも知れない貴重な貴重な一瞬をそんな事を考えて過ごすのは流石にもったいない気がしたが、さりとてこの状況……地方、それもド田舎への左遷とすべてを失った状況を化合すればなるほど、これは天国への……。今、言い得て名見つけたぜ、まさしく、

グリーンマイル

だと言えなくも無い。解るか?田んぼのグリーンと(ry

そんな事を考え、座席にみっともなく恥じる事もなく醜態を晒すように寄りかかり、意識も定かではないまま清涼な空気を煤煙に変える中年男。

ニヤニヤと、不意に思いついた親父ギャグに一人で笑みを浮かべ、数瞬後に自己嫌悪し、死にたい係数を上げている彼は。

名を 臼井 秀寿(ウスイ ヒデヒサ) と言う。

恐ろしく捻りの無いまったく一般的な名前なのは仕様です。
彼は職業を『配管工型公務員』と言う、市役所は水道局勤務の自称・水周りのおまわりさん。
地域住民からはクラシアンもどきとして通っている。
長らくその町には保守整備のできる業者がおらず。
官から民へのこの時代に、いまだ彼のような存在が許されていた。
その範囲は上水を中心に下水に及び。
下水道整備の際にも引っ張り出されるほど、街の配水において把握している情報で右に出るものは居ない専門職に近いベテランだった。
彼のダウジングは車道近くでも狂わない。
水漏れを、その水溜りの形状からどこが悪いのかを見抜いてしまう経験豊富。
気さくではあるがどうにも人付き合いが苦手なシャイな言動から、実に老人に好かれている男だった。
反面、新人の受けは悪かった。とはいえ、それは彼の指導技能に問題があったからで、もちろん恨みを買うような人物では……あったかもしれない。
彼は、空気を読めない男とでも言おうか。
どことなく、いいや違う。
普段の仕事振りからして、ワンマンなところがあった。
もっともそれは彼が悪いと言うには少々酷な話で。
既に息絶えたかのように見えた年功序列制度がいまだ不確定ながら機能する市の行政の波の中。
実の能力の高い彼を一兵卒として野放しにする事をよしとしなかった上司が、果たしてどれだけその先を見据えた判断だったのかは疑うだけ無駄なことではあるが、退職の際に彼にその座を譲ったのだった。
すなわち、課長である。
課長。
部下を持つもの。
それは言っては何だが、当然のように見えて、大きな間違いだった。
彼は特殊だった。
特殊ゆえに、特例を意識しなければならなかった。
だがされなかった。
彼は人を動かす術を知らない。人の上に立って先導する者ではない。
ただ壊れた水道管があれば良い。

徐々にだが、彼は無能とみなされるようになった。

251保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:16:09 ID:T8QZhQM6
それはある意味では正しい。
だがある意味では間違いだ。
特化した才能のみでは社会を生きるものとして資質に欠く。
さらに言うなら彼自身の責任がここで発生する。
努力しなかったのだ。
立場に相応しい者としての努力を。
自分が求めるもの、組織の求めるもの、行政の求めるもの、民意の求めるもの。
その中で彼は、いつしか社会不適合に近い扱いを受けるようになっていった。

しかし彼は気にしなかった。
名目だけの部下も、役職も。
自分は自分の仕事をすれば良い。
彼にはその信念があった。
そして、事実彼はその給料に見合う働きを存分に果たしていた。

クラシアンが彼を誘いに来たりもしたが、彼はそれを跳ね付けたことがある。
水道トラブル8000円。
馬鹿馬鹿しい値段だったからだ。
信念はただその言葉にあるだけでは成り立たない。
実行する上でのマニュアルが伴わなければ意味が無い。
彼はそのガイドラインに、「できるだけ安価で良いサービスを心がけること」を加える人格者だった。
だから彼は、次第にその存在を理解はされずとも受け入れはされるようになっていった。


そして、彼は今、中年である。


そして今、死にたがっている。

この事実は誰に知られたものではないだろう。
だが知ったものが居るなら。
彼のことを。
どう思うだろうか。


神が居るなら、なぜこんな。

しかしそんな悲嘆は意味を持たない。本人以外には。
なぜなら神は、居ないからだ。

252保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:17:19 ID:T8QZhQM6
_________________________________________________________

かたたん、かたたん。かたたん、かたたん。
ゆりかごのように、一定した震動と小気味のいい音だけが聞こえる。

かたたん、かたたん。かたたん、かたたん。
意識は保っているが、どこと無い遊離感。座席の感触、車内の光量、大気の温度、湿度…完璧。

かたたん、かたたん。かたたん、かたたん。
意識の試しに指先を動かそうとしてみる。が……この感覚を手放したくないからやめる。

かたたん、かたたん。かたたん、かたたん。
リラックスしている。これから向う先を考えないように勤める。そうすれば今だけは、楽で居られるから。

かたたん、かたたん。かたたん、かたたん。
だけど……ああ。ダメだな。だけど……ああ。いいよな。

その一両編成の箱の中で。
陽だまりとまどろみの箱の中で。
これから修羅場に向う男は。
数日悩み続けた結果としての疲労と不眠の果てに。
今やっとしばしの安寧……
かりそめの安らぎを得ていた。
自ら向う以上逃げ場はなく。
望んで立つものに一切の同情もなく。
「清算」に向う彼に一切の餞も要らず。
不意に訪れたこの空間はまさしくゾーンで。
であれば、誰しも受くることの是非を問われず。




しかしその先にあるものは結局、変わるはずもないのだった。



-middle age No.2-

253保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:18:00 ID:T8QZhQM6
晴れた日の車内はぽかぽかして気持ちが良い。
端的に言い表せばこうなる。まったくただこれだけの事。しかし、それだけの事。
あるーはれーたひーのことー。
さて、そんななかどこかへ向っているらしい彼は。

その名を 長崎 康治(ナガサキ コウジ) という。

これまた捻りも何も無いが、それはおいおい明らかにならない理由によるものであり、まったくどうでもいい事に間違いは無いので割愛。愛なんて無いけど。

彼は人間のクズである。
具体的に言うとギャンブル狂のヒモである。
さらに悪い事に、取り付かれた女は馬鹿だった。
そして彼は、駄目なダメ人間だった。

出会いはまったくささやかなものだった。
競馬場だった。彼はその日、初めて競馬場に行った。
目的はたいしたものではない。ただ馬が見たい、と唐突に思った。
その日の前の晩、たまたまバイト先で出張から帰った店長が持ち帰った土産の馬刺しを食べた。
少々戸惑ったが、筋が強い事と馬である事を忘れれば、臭みも無くなんとも美味いものであった。
彼は、いわゆるフリーターだった。しかも、童貞だった。その上、三十に手が届く年齢だった。
それだけだったらまだ良い。
悪いのは、彼が怠け者であった事と、自分から事態を変えようとしないうちに自然とベッタリ張り付き乾いてしまったペンキのような、彼自身の『凝り固まった』色……いつまでたっても変化を起こせないような、それでも時間が過ぎていく、まさしく駄目人間の……停滞した色を、洗う事も出来ずに放置していた点だった。
それでもまだ駄目人間ではないかもしれない。
しかし彼は、矮小な人間でもあった。
『自分がよければそれで良い』人間だった。そして彼は、人の傷みが解らない男だった。

生きてゆくうえでの武器も無く。
道の歩き方も知らず。

そんな、『仕事の仕方もよく知らない』彼はその日競馬場に来たのは、ガキのような部分を多く残した彼の、『どうせ馬だろ。馬に群がる連中を端で見て笑ってやろう』位の気持ちであったことは、なるほど今となっては記録が無いから解らないがありそうな理屈ではある。

254保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:18:51 ID:T8QZhQM6
そして、出会った。
馬券の買い方も、競馬新聞の見方も解らず、それでいて見栄っ張りかつ自堕落な彼は、解りもしない新聞をさも分析するような目で眺め、それでいてその見方を『自分から解ろう』ともしなかった。
格好だけつけて、周りの人間を根拠も無く内心で見下す。

それでも、彼が自身の内でそう思っているだけなら、別に構わない。
実害が無いなら問題ない。彼から誰かに関わる様なことはしないし、関わろうとするものもいない。
だから、このときはまだ、彼はダメ人間だったがダメなダメ人間ではなかった。ダメじゃないダメ人間でもなかったが。

だいたいに、人をダメ人間と言う型に嵌めて考える事自体ナンセンスなのだが、ここでは便宜上使用している。それは彼の思考に準拠してお送りするからに他ならない。


べ、別に俺(著者)がダメ人間だもの、だからじゃないんだからねっ!本当にそれだけなんだからッ!


馬券の買い方も解らず、見たかった『馬』も見えず、いい加減飽きてきた彼に、ある女性が近づいてきた。

かつ、かつ、かつ、かつ。

異例の事態である。異例の事態である。彼は混乱しつつも、雑多なロビーの中で響くハイヒールの音が妙に耳に届いた。
内心バクバクながらも、気がつかないふりをして新聞を読むフリをする彼。中身の無い行動だと、彼は気がついていない。しかし、一般的な振る舞いだともいえた。

「あなた。もしかして初めて?」

それがその女の第一声だった。

女の口調は高飛車なものだった。自信に溢れたものだった。
そして、彼には、逆らいづらい威圧を伴って聞こえた。

「お姉さんが、教えてあげましょうか。」

お姉さん。
確かに年上だろうが、彼にしたって既に三十を超えている。
本人は気がついていないが、全身から発散される『オドオドキョドキョド』オーラは彼からあるべき年季……歳相応の備えるべき示威姿勢が無かった。
ヨレヨレの安いシャツに破けたズボンを穿いていてもジェームズボンドはジェームズボンドだし、堀江貴文は逮捕されてもホリエモンだったし、小泉純一郎はスーツを脱いだらただのセグウェイに乗ったおっさんだし、杉村太蔵は議員をやめてもムカつくと思う。
そういう、個人性から見られるようになる初見の印象、それが彼の場合、不審人物と言うのは言い過ぎだがしかし、キョドッた青年、の、それであったのだ。

ゆえに、紺のスーツを着込んだ彼女と、彼が対比されたとき、自然とお姉さん、といった属性が発生してしまう。
そしてお姉さんは品定めするような目で彼を見て、こういった。

「解らないなら教えてあげましょうか?今なら、か・く・や・す、で。」

金を取ると言う行為をさもサービスするような「か・く・や・す」と言う一文字づつ区切ったお馬鹿なセリフを堂々と吐く。実に、彼を舐めていた。しかし彼はそれにいらだつ事はなく、その女性に羨望を抱いてしまっていた。

傍目で見れば、どちらも。
馬鹿であった。

255保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:20:15 ID:T8QZhQM6
その後の顛末についても追わねばなるまい。なぜならそこからが本題だからだ。

彼はその女性のテキ屋的指摘に沿って馬券を購入。
なぜか………それは神のいたずら心か。あるいは悪魔の誘いだったのか。
ビギナーズラックで大勝。
女はそれにいい気になった。
彼もその「漠然とした大金」に興奮していた。
実際のところ、ちょっと大きな買い物が出来るかもしれない、程度の金額だったのだが、熱に浮かされたような彼らにはそれで十分だった。

二人で街を歩いた。
彼には初めての体験で、自然に動悸が起きたほどで。
デパートに行った。
駅前を散策した。
彼女がブランド物のスカーフを欲しがったので購入した。
それ以外に金の使い道が思い浮かばなかった。

そして、その日も終わりに近づいたとき。
彼女はさも当然のような風を装って、彼に酒をおごるように要求。
半分以上彼女の金であるといえる状況だったし、彼はもちろんそれを快諾。

そうして、夜の街へ消えていった。

女は酒を飲みながら、実際のところ何も考えていない彼の不思議なまなざし。
何を見ているのか解らないその視線の先にあるものを、自分だけに定めたいと考えてしまった。

どこか、運命じみたものを感じてしまう。

そんなありもしないものを感じてしまう時点でおかしいと気がつかない彼女は、やはり格好に似つかわしくない、『中身は少女ともいえない未熟な女』であった。
久々に奢りで飲んだ酒。ほろ酔い絶頂、気分は上々。
彼もまた、その時間を楽しんでいた。普段の彼なら怖くなってすぐ逃げ出すような、初めての体験尽くしだったが、不意に懐に入った大金が彼を増長させていた。

そして、店を出たとき。

256保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:20:45 ID:T8QZhQM6
雨が降っていた。
傘は無かった。
いや、あった。
一本だけ。
彼が、家を出る際に、子離れが出来ないこれもまた愚かな母親に、持たされたものだった。
そして彼は、それを彼女に渡そうとした。

これが、決定的だった。

女は彼を離すべきではないと考えた。
今日のような日が続くと考えてしまった。
愚かにも運命と言うものを感じてしまった。
それが、凋落の始まりであると言う客観的に明確な事実を無視して。

彼女はその傘と一緒に男の手をとり。

「家に来ない……?」

上気した頬と、酒に酔った頼りない、さっきまでのお姉さん振りから離れたたどたどしい口調と。
アルコールによって赤くなった、彼には泣いている様にさえ見えた瞳。

麻痺した思考で、彼は頷くしか出来なかった。

扇情的な年上の女。
半ば奪われるように。

その日の終電を最後に、彼は長年パラサイトを続けた家を出た。


そして現在。

かたたん。かたたん。
かたたん。かたたん。

昔を思い出しながら、彼は。
決めるべき覚悟を探し続けていた。

257保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:21:34 ID:T8QZhQM6

_________________________________________________________

思い出したら腹が立つ事がある。
やめようやめようと思っても思い出してしまうこと。
俺をこんな、自殺を考えるまでに追い詰めた原因。
もちろんそんな事を考えるのは俺の責任だ。
自身に発生する事態を誰かのせいにして逃れるほど落ちぶれてはいない。
ただ、どうしてもぶん殴りたい奴がいる。
それは矛盾する事だろうか。

そこまで考えてしまったらもうアウト。
ひたすらに不愉快になる記憶を思い起こす以外に道はなくなる。

強制再生。
それは彼が、課長になって間もないころから始まった。




「渡瀬 市子(ワタラセ イチコ)です!本日からこちらで業務に当たらせていただきます!よろしくご指導のほどお願いします!」

ぱちぱちぱち。

まばらな拍手。
それもそうだ。人が少ない。しかし歓迎する笑顔があった。
課に新たな人員が加わった。
それも、若い娘だった。
どれくらい若いといって、高卒採用枠の一人である。
ピチピチと言う奴だ。だが、ギャルと言うにはちょっと違う。っていうかどっちも死語だね。
そして、その娘の教育を受け持ったのが臼井だった。

なんと言うか、いちいち元気な娘だった。
なんに関してもやる気があるのは結構だが、彼としてはやり辛いと思うところも無くは無かった。
新人に昼飯をおごる、それくらいは彼でも思いつく社交辞令で、実行できなくも無かったが、自然と同席する事になると会話に詰まる。仕事の話であればいくらでも出来たがこの娘、なんとも仕事の覚えが悪く、しかし言うことは一字一句完璧に記憶していると言う彼にとっては嫌がらせにしかならないやり辛いに極まる娘だった。
実技に関してはほとんどからっきしであるのに、頭ばかりがでかくなってゆく。
ただ黙って練習する場面も何度か会ったが、自分がどれ見てたやろうと思って赴くととたんに集中力を切らしてマシンガンのように話しだす。

なんなんだろうなぁこの娘は。

258保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:22:05 ID:T8QZhQM6
彼は一応既婚者である。
しかし、女性と言うものに関してはほとんど知らず、また良いイメージも無かった。
人間として人を見る目が性別で人を見る目よりもはるかに重んじられる彼の価値観の上で彼女はなるほど悪い人間ではない。
彼の嫁は彼を金づるだとしか見ていなかった。なんて嫁だww
彼はそれをどうとも思っていなかった。
ただ帰れば、冷めてはいても飯はある。家は綺麗にされていたし、酒もあった。彼が好きなスナックやおつまみもしっかり補充されていた。
風呂を沸かしてくれ、といえば沸かしてくれるし、クリーニングを頼めば出してくれる。

ただし、それ以上の会話はなく。
肉体関係も、最初の一年以降は見られなかった。

そんなものだと、思っていた。
当然子供もおらず。
自身から身の上を公開する理由がない彼のこと、独身であると信じているものさえいた。
それも、多く。

「愛情?なにそれ。」

嫁はよく男を連れ込んでいた。
彼はそれを知りつつ、なるほどこういう女なんだな、と理解し受け入れた。男としての所有欲などなかった。ただ、家の嫁は男好きなんだなぁ、位に考えていた。

それは期待していないがゆえの諦観とも違う、馬鹿馬鹿しい勘違いにも似た。
どっちにせよ、婚姻関係のあるハウスシェア契約のような。
そんな彼の女性遍歴は枯れ切っていた。
子種まで枯れたわけではなかったが、しかし発散する必要もなかった。

壊れた水道管こそその人生のすべてだったのかもしれない。

259保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:22:39 ID:T8QZhQM6
そんな彼を慕うものがいた。
その多くは町に住む弱者、老人や子供であったが、そのすべては感謝であった。
そんな彼を嫌うものがいた。
総合的に見ればひどい事だ、彼を好いて、思慕を寄せる女性に端を発するその憎悪は。

思い出す。
冷たい声。
愚鈍と彼を罵る声だ。

「いつまでいるんです?」

馬鹿にしたような。若い声だった。

「会社はあなたの預かり所じゃないんです。さっさと帰ったらどうですか。」

こいつは知っていて言っている。基本的に人に不干渉の彼には、嫌味を言うヤツの気持ちが理解できなかった。

「ああ、まだ書類仕事が終わらないんでしたね。すいません。でもちょっと遅すぎやしませんか?それもう三日前のヤツでしょう。」

ニヤニヤと言ういやな笑い方。まるで俺を見下ろし、食い物にするような。掃き捨てるような。

「まぁ、あなたじゃ単純な書類仕事も時間かけなきゃ出来ませんよね。でもそんなことで、そのイスに座ってて恥ずかしくないんですか?」

うるさいな。いまやってるだろ、邪魔しないでくれよ。そう思っても口には出せない。
なんと言ったら良いのか解らない。

「あ、時間かけてるんですからそれなりのもの出してくださいよ。こっちの作業も停滞しちゃうんですから。」

「もし書式や数値にミスがあったらどこかに飛ばしちゃいますよ?」

まるで笑うように言う。からからと。

「ちょうど知り合いのところに技師を二、三人欲しがってるところがありましてねー。」

じゃ、よろしく〜とか言う事を言いながら出て行った。
いつもこんな感じで彼に攻撃を仕掛けてくる男がいた。

260保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:23:12 ID:T8QZhQM6
名を、荻野 健三郎(オギノ ケンザブロウ)

渡瀬がらみで、彼に突っかかるようになった、人事課に勤める出世頭である。
仕組みは単純にして明快。

渡瀬は臼井に恋心を抱いているという事実。
荻野が渡瀬を気にかけているという事実。
臼井は萎びた中年で既婚であると言う事実。
渡瀬は若く、将来もあり狙うものは多い事実。
荻野は以前から臼井を嫌っていたという事実。
渡瀬はなお怯まずアピールを続けている事実。

以上から導かれる、現状の解釈は一つ。

…………………
しかし、臼井はそれで渡瀬をも邪険にする男ではなかった。
それゆえか、日に日にエスカレートしてゆき。

ある日は。

「先輩、今晩はお暇ですかー?よろしければ焼き鳥の美味い店がぁあああ!!?」
どさどさどさ。
「臼井さん明日までこの図面仕上げておいてくださいお願いしますねもし出来なかったら左遷。」
「………都市計画の担当は俺じゃないだろ……」
「水道局で一番詳しいのはあなたです。やらないなら左遷。」
「わかった……」
「あの、手伝いましょうかぁああああああああ!!?」

帰り支度の済んだ渡瀬を引っぱって強引に出入り口に向う荻野。

「あなたは今週残業してはいけません。労働基準法最近うるさいですからね。」
「せんぱーい!すいませーーーちょっひっぱんないでよっ!?」
「いいから帰る。電車でちゃいますよ。僕も一緒の方向ですから痴漢避けに同乗しましょう。」

261保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:23:52 ID:T8QZhQM6
またある日は。

「せんぱーい。その作業着汚れてませんかー?」
「ん……ああ。今日はクリーニングされたのが無かったから昨日のままだ。そろそろ着替えたい。」
「んー、ちょっと匂っちゃうかもですねー。男臭さがww私は一向に構いませんけどー。」
「すまん。」
「いえいえ、ほんとに気にしてませんからー。あ、そうだ、よければこのポプリを胸ポケットに入れるといいですよー。」
「……香草?巾着の中に入ってるのか。」
「えへへー。最近凝ってるんです。じゃあ先輩にはウッディな香りのうわぁああああああ!!?」
「とーう!!ファブリーズ光線!しゅわっしゅわー!」

いきなり現れた荻野がファブリーズを容赦なく吹き付けてきやがった。

「やめっ…!口に入るっ……」
「植物性ですから安心です。悪霊も退散します。よかったですね。」
「よくないですよー!失礼じゃないですか!」
「さてポプリを渡すと言う行為の方がより私の行為の本質を果たしている……君の言う『失礼』の度合いを増していると思うのだがどうかね。」
「私が言ってるのは、人に向けて撃っちゃいけませんってことでっ」
「なんにせよこれで解決です。私は仕事にもどります。ほらほらあなたもさっさと仕事に就いた就いた!」

な事があったりした。

確執。

一見日常に見えるところに潜む悪意。
それが、たまらなく怖ろしかった。
表層上明るく振舞っても、どす黒い感情に根を持つ行為。

――――――いつか、本気で来る。

その時に、俺はどうするべきだろうか。
いやな人間関係だった。
煩わしかった。
でも解決策が浮かばなかった。

中年は、そして、それ以上考え悩む事をやめた。
そんな事を……いい年して女に端を発する争いなど、したくはなかった。

だが、荻野は違ったのだった。
それが明らかになるのは、それから三ヵ月後の事。

262保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:24:50 ID:T8QZhQM6
その年一番の大型台風が襲来。
後に激甚災害に指定される台風二十七号は南西から北上、日本海に入り、京都府から近畿地方へ。日本海をなぞるように北上を続け。
彼らの町も、大きな被害を受けた。

公務員は災害時、義務として召集を受ける。
自宅が停電し、浸水し、まだ幼い子供と妻を残してでも、行かねばならないときがある。
それが公務員の公務員たる所以。公僕の勤め。
何かと罵られる事が多い役所の人間だが、内実はみな必死なのだ。
そして上水道の保守管理において重要なポジションを占める彼は、ことさら事態の把握と収集、指揮を受け持たなければならず。
雨の中、彼は浸水しプラグがイカレて使い物にならなくなった車を捨て、徒歩で局に向っていた。

その、さなか。

「………!?」

黄色い合羽を着込んだ彼は振り返る。
轟々と風がなり、いまだ冠水を続ける路面。
倒れた樹木に引き裂かれた電線がバチバチと火花を立てる。
リアルにこういう状況は発生する。それも簡単に。

そんな中、彼は。

「……子供の声。」

何かを聞いた。声を聞いた。
泣き叫ぶ子供の声を聞いた。雨と風の中聞こえた。

ばしゃばしゃと水を掻き分け。
ごうごうとなる風の中、右往左往ながら。
何度も耳を澄ませ、徐々にその声がどこから発せられるものなのかの見当を付け。
そうやってたどり着いた先に。

「………っ!バカがっ…!」

263保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:25:29 ID:T8QZhQM6
ペンギンを模した合羽を羽織った少女が、冠水した濁流が流れる橋の中央に、取り残されていた。
既に橋は欄干まで濁流に飲まれており。

なんだよもうこのドラマティックはよぉ。

泣きそうになりながらそれでも必死に方策をさがす。なにか、なにか、ロープのようなものは。

どどどっ……!

「………ダム」

……ぉおん…

僅かに聞こえたのは、放水を知らせる警報音。
マズイ。
じきに大量の濁流が、今現在の水位をはるかに上回る濁流が押し寄せる。
既にこのザマだと言うのにっ……!
だから追加のダム建設をしておけと言ったんだ!
公共事業削減とか脱ダムだか調子のいいことぬかしやがって。
だいたいにこの河川にしたってこのザマじゃあないか!
河川拡張を進言したのは俺だけじゃない!
なんにも解っちゃあいない!非常時に起こる市民生活を真剣に考えようともしない!
その結果がこれか!くそっくそッくそッくそッ!クソッタレがぁッ!!!

彼は一頻り頭の中で毒吐くと、覚悟を決めたように。

書類鞄を近くの電柱にくくりつけ、水の抵抗を抑えるべく合羽を脱ぎ捨て。
欄干に飛びつき、濁流の中を一歩一歩、足をすくわれないように進んでいった。

助けない訳にはいかなかった。

264保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:26:10 ID:T8QZhQM6
途中、流されてきた枝やゴミにぶつかり、いくつもの傷ができる。
傷は即座に泥水で洗われ、細かな石や砂が余計に傷をえぐった。
だが、欄干につかまり、縁石に乗っかった少女が耐えられる範囲の水流である。
ゆっくり行けば、到達できる。
しかし余裕が無いことも確かだった。

あの放水警報は一番山奥にあるダムのものだ。
それが放水を開始したとなると、それ以前に山中に分散して設けられた水門はとっくに開かれている。その影響か、彼が渡るその間にもどんどん水位は増していた。

彼は頭の中で考える。考え続ける。
今のところ大丈夫だ。速く動けるうちに動いた方がいい。
すぐに自由に身動きが取れなくなる。まして帰りは少女を連れて、だ。

ざば、ざばざばざばざば

急ぐ。急ぐ。水位を跳ね除け、少女の下へ。
あと…5,4,3,2、…到達。
この時点で、はじめは脛までしかなかった水は既に彼の膝に到達していた。

「大丈夫か!?動けるか!?怪我してないか!?」

まくし立てるように話しかける。
少女は生命の恐怖に晒されたためか、喋る事は難しそうだったが、しかししっかりと頷いて見せ。

「じゃあ……そうだな。」

既に少女を歩かせるには、危険な水位だった。

「おぶさって、背中に。ほら。」

そう言って身をかがめる。しかし、少女は何かを…抱きかかえているために、腕を伸ばす事が出来ないようだった。

「どうしたの、早く。」

急かす。急かす。焦る。焦る焦る焦る。
焦燥のあまり覗き込むと、そこには。

「……猫。」

子猫だった。まだ目も開かない子猫だった。少女はその子猫を抱えていた。
そして、離そうとしなかった。
まさか、猫を捨てなさい。なんて。

言える筈が無い。

265保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:27:03 ID:T8QZhQM6
「……ええいっ」

彼もまた急いでいた。
少女に何事かを言う前に、自分が動いて事態を動かすのが一番手っ取り早い。

「……っ!?」

少女が突然持ち上げられて目を見張る。
彼は片腕で少女を抱えあげ、もう片手で傾き始めた古い古い欄干に捕まり、濁流を進み始めた。
実際、状況は逼迫していた。
水圧は容赦なくまして、彼の歩を襲った。
これ以上…腰に達すれば確実に身動きは取れなくなる。
既に大腿に近い。今現在も無理やり動いている、といった感じで。橋を抜けれ幾分高い建物もある。
通常、橋は沈下しないように若干高い位置に作られるものであるがここは違った。
そもそもこれほどの水流を予期した造りになっていない。
橋を渡ってすぐに登りの階段があるほどだ。
その階段のほう……恐らく、こっち側にきたら登庁は難しくなるであろう方へ進んでいた。
だが背に腹は変えられず。
確実に助けられるのであれば。
その一心だった。

266保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:27:53 ID:T8QZhQM6
ごごごごご……

水位は増す。いい加減やばい。
しかし。

階段まであと……少し。
眼鏡に水滴が付着しすぎてもはや前は見えなかった。
ただただ進んだ。
そして。

がつん。

靴の先が何かに当たった。
それは。

「…きたっ」

石段。
足を掛ける。
一瞬足を浮かせる、『すり足』を離れるこの瞬間がいちばん危ない。
気を抜かず。
持ち上げた。

ぐぐぐいっ!!!

ちょっと浮かせた途端足を攫われる。

しかし、うまく欄干に当たってバランスを確保。
そして歩を進める。一歩、二歩。
三歩、四歩。
五段目あたりまで来て、ようやく余裕が出てきた。
六段、七段……。
八段。

「………っはぁっ…!!」

ざばっ

少女を、下ろす。
既に数センチと言う水嵩しかなかった。
どうにか……なった。

どどどどどどどどどっ………

振り向くと、先ほどまでいた地点は、既に欄干まで水没していた。
危なかった。
危うく死者を出すところだった。

しかし……

「これじゃあ間に合わんな………」

少女を放っておく訳にも行かない。近くの交番に駆け込むしかない。電話は通っているだろうか。
少女をうかがうと、猫の様子を気にしていた。
タオルに包まった子猫。
小さな小さな。
豪雨に晒されながらも、少女が必死に守った。
そう。
今現在の時刻は、実に午前六時である。子供が出歩いていい状況でも時間でもない。
大方、端の下で飼っていた子猫の様子でも見にきたのだろう。

みゃあ。

「…っ」

突然鳴いた子猫。
その一声で、彼も、少女も、腰が砕けるほどの安堵に襲われた。

267保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:29:02 ID:T8QZhQM6
その後、最寄の派出所に少女を保護してもらい、それから自分はしばしの休憩をとり、携帯を借りて局に連絡を入れようとするも、非常事態につき回線が込み合い不能。
さらに悪い事に固定電話もアウト。このままではライフラインが麻痺しかねない。最悪の場合は、だが。どうにかすぐにでも出頭しなければなら無い。

濡れた服を乾かす暇もなく、コーヒーだけもらうとすぐに出ようとした、そのシャツの端を。

「……」

少女が掴んでいた。
その背後には、乾いたタオル包まった子猫。もう、心配は無い。

「濡れるから……」

そう言って。
差し出したのは。

「ありがとう、借りて行くね。」

がらにも無く、まったく似合わないセリフを吐いて。
少女が差し出した黄色いハンカチを受けとった。

巡査が合羽を持ってきてくれた。彼はここで待機。他のメンツは各々パトロールに出ていて、非常用ボートに空きは無いと言う。

なんとしても一刻も早く、仕事に、義務を果たしに行かねばならない。

豪雨のなか、再び行軍を開始した。

268保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:29:36 ID:T8QZhQM6
この三日後、彼は。

業務不履行。
公務への信頼の損失。
ライフライン復旧の著しい損害。
公務運営障害。

一般服務事項において著しく自覚を欠く行動により、多大な延害を招いたとして。
地方公務員法に基づき、減給と停職処分を受ける事になった。

それでもかなり手加減……いや、相殺した結果だったのだろう。

しかし、現実はそう簡単ではなかった。
事実、大量の供給を必要とする機関……おもに病院などでは、満足な水道設備が確保できずにやむなく重篤患者を危険性の高いことであるのに他の病院に移送するなど、はるかに多くの命を危険に晒す結果を招いていた訳で。

しかし。
最後に下された処分は。
荻野がいつものニヤニヤした笑いとは違う無表情で告げた、宣告。



「あなたはもう信用できません。」

「どこか遠いところへ行って下さい。」

「僕の知り合いがちょうど技師を欲しがってまして……」

そこから先は正式な辞令で知った。



まともに聞けやしなかった。

『あなたはもう信用できません』

それは何よりも、どんなことよりも辛い。
仕事人としてのアイデンティティを破壊するに十分な一言だった。

269保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:30:33 ID:T8QZhQM6
_________________________________________________________


彼女との生活は恐らく、俺の人生の中でもっとも楽しかったときだろう。
それは間違いない。
だけどそれと同時に、もっとも俺が下衆だったときでもあったのだと思う。
それは、ほぼ確実に。
彼女と言う犠牲の上の生活。
フェアじゃない関係。なにかがおかしかった。
俺は自分が楽をしたいがためだけに彼女を食いつぶし、彼女はそれさえ受け入れた。
そしてその終焉は。




俺の最低かつ最悪かつ彼女が最高に不幸になる選択で、幕を閉じた。

270保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:32:15 ID:T8QZhQM6
彼女との生活が始まった。
彼は家に帰ろうとしたが、どうにも彼女は俺を受け入れる姿勢を見せていた。
彼はその日から、徐々にだがギャンブルに溺れるようになっていった。
それを誘導したのはいったいなんなのだろう。
彼女だろうか。
彼女は確かに彼に賭け事を教えた。
しかしそこから先はやはり彼の行動である事は疑いようも無く。
ぼろくそに負けて無一文になって、アパートに帰れば彼女が迎えてくれて戦果を聞いてくる。
彼はまだその時には、彼女の事を少し上に見ており。
どうにか取り繕おうとして、彼女が教えた方法にいろいろ意見を付けてみたりもしたけれど、結局は机上の空論かただのレトリック以下のごまかしにもならない具にも突かない事しか言えていなかった。
彼は彼女にもらった金で、ただ遊び歩くだけの日々をはじめつつあった。
ヒモである。
それも、かなり特殊な。

彼女の仕事は詳しく聞いた事は無いが税理士か何かの類だと言う。
そう、それすら知らない。知らなかった。
彼女と話す時間は楽しかったし、こんな馬鹿な生活でも彼女は楽しいといって笑っていた。
それに関して考えることもせず、ただ合わせて。
飯を食い風呂に入り時には彼女を抱き。
いいや、抱かれ。
自分はいったいなんなんだろうなぁ、と漠然とした問いすら、彼女は許してくれなかった。
異常な関係。
彼の思考は麻痺していた。
酒とギャンブルと容易に手に入る金に。

271保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:32:45 ID:T8QZhQM6
その実を知る事になるのは、四ヶ月ほど経ってからだった。
実にその間、そのような生活を。
季節の移り変わりを肌で感じながら、そんな生活を続けていたのだ。
そんな中で。
とてもとても緩やかで気がつかないほどの変化が起こっていた。

彼は、彼女から日々貰う金に不服を感じ始めていた。
それはひとえに彼女の信頼。


『あなたならできる』

『運命が味方してると思うし』

『私は好きよ?』

『ねぇ……しない?』

『明日はきっと、当りが来るから』


今冷静に考えればまったくナニソレといわざるを得ないセリフの数々はしかし確実に俺を洗脳していた。

俺じゃあ

俺でも

俺だったら

俺にしか

俺なら

俺が


大金を当てて見せる。
そう意気込んでも、うまくは行かない日々。
彼はその原因を元手の少なさにつけるようになっていた。
彼女が渡す毎日の金の少なさに。
俺はまったく正常な判断能力を失っていたとしか考えられない。

相して彼は、徐々に闇金に手を出すようになっていった。

272保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:33:19 ID:T8QZhQM6
『あれは、怖い。
ざぶざぶと金が手に入ってしまう。
いくらでも、言うだけ金が手に入ってしまう。
街金は利用できなかった。
どこに行ってもそれなりの審査基準は定めてあり、それに完璧にシカトされるような人間であった。
しかし闇金は俺にどんどん金を与えた。
これがまた、俺が何かをしでかす人間である事を示唆しているようで。

俺は有頂天になっていた。

頭のどこかが有頂天の状態になると、そうでは無いと解っていてもどんどんそれは広がってゆく。
幻想に理性が食い殺されてゆく。
あまりに脆い精神構造。
金は、それ程に、恐ろしい。』

彼の負債は増えて言ったが、それでも手元にある金と見比べて、
問題ない、問題ないと見える破滅を別世界のものと断定していた。

『なぜなら俺は何かをしでかす男だから。』

一山当てる男だから。
彼女がそう言っているし、手元にある金もそれを示している。

しかし、いつまで経ってもその時はこなかった。
来るわけは無い。圧倒的に無い。しかし、それが解らない。

そしてその日。

彼は運命を目の当たりにした。
彼女と出会って五ヶ月目のその日。

彼はその日、競馬場に居た。

いつもの雑踏。いつもの新聞。
いつもの座席。いつものアナウンス。
唯一つ違っていたのは。

その日、彼は全勝を続けていた。

確率論から言ってありえない話ではない。
毎日のように賭け事を続ける彼である。
ありえない実験環境がありえない結果を招く。
それは当然の事だとも言えた。

しかし、それはやはり………

273保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:33:51 ID:T8QZhQM6
そして、次のレースが近づいたとき、彼は感じた。

びびびっ。
と来た。

この雑踏。
この新聞。
この馬。
今日最後のレース。

湿った空気。
どこそこから聞こえる、ぼそぼそとした雨を気に掛ける声。
その日着ていた服。
その前日食べたのは、やはり。

馬刺しだった。

ああ。

運命とは。

こういうことか!

彼はいきなり飛び出した。
ものすごい興奮に襲われていた。
この気を逃してはならない。
散々待っていた運命がやってきた。
今しかない。今しかない。今しかない。
駆ける。
その先。

一駅分ほど走ってたどり着いたのは。

彼がここ最近利用している、闇金業者の事務所だった。

がたん!
扉を勢いよく開こうとする。
しかし突っかかって開かない。
それもそうだ。
ガラス張りのオフィスには電気がついていなかった。
真っ暗な待合室が見える。

しかしここで諦めない。もう時間が無い。

274保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:35:42 ID:T8QZhQM6
彼は思いきって裏側に回った。
この事務所の二階部分。
そこに、『店長室』がある。
何度か立ち寄った。
気さくなで小洒落たサングラスの兄さんがここを仕切っていた。

かんかんかんかんっ

安っぽい非常扉を登る。
そして、

がたんっ

開いたッ!!

彼はその足ですぐに事務所内に侵入し、そして。

「すいません、誰かいませ っぶっ!!?」

その鼻っ柱に、裏拳が入った。

のけぞる。そして、その彼を強引に持ち上げるのは。

「なんだてめぇ……?」

柄の悪い大男だった。この人も何度か見たことがある。
こちらの顔は覚えてくれていないのだろうか。

「すっ、すいません…でっあのっ」

どもる。
うまく喋れない。

それもそうだろう。
チキンなのだ。
根本的に。

「ん〜〜〜〜?あれ〜〜〜〜?」

その時。
すっ呆けたような、陽気な声が。
しかし解る者には解る、剣呑な感情を含んだ声が。

「おや。長崎さんじゃないですか。」

「あ、ど、っ…どうもっ…」

どさっ、っと。
大男が床に放るように下ろす。

「どうしたんですか?今日は。臨時休業って張り紙だしてたはずなんですがねぇー?」

「あっ、そのっ……えっ………」

しっかりしろ、しっかりしろ、もう時間がない、もう時間がない。
いまだ、今こそ、俺が、俺が声を挙げるときっ!!!


そして、地獄が。



「お金貸してくださいっ!!!!」



初めて出した大声から、始まった。

275保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:36:23 ID:T8QZhQM6
そして。

「ほぉほぉ。へぇー、それは興味深いですねぇ。」
「いえ、ウチところでは一度に三十万までって決めてあるんですがね。」
「じゃあ特別に、特別ですよ?おいくらでしたっけ?……いいでしょう、お貸ししますよ。」
「今晩にはご返却願えるんですよね?でしたら当方としても歓迎です。」
「では今晩、お伺いしますね。行ってらっしゃい。」

こうして。
臨時休業となった事務所の二階から、サングラスをかけた男……
池田 耕太(イケダ コウタ)は、走り競馬場に向う愚かな男の背中を見送った。

「……いいんですか?」

「いーんじゃないのー?」

「あれの話を信用した訳ではないのでしょう。……まさか。」

「……親父だっておんなじ方法で押し上がったんだ。うまく行くとは思ってねーけどなんかの足しにはなるっしょ。」

「……俺にはマイナスが勝ちすぎているようにしか思えませんが。」

「ま、いざとなったら。」

がらがらっ。

池田が自分の事務机をあける。
二重底の引き出しをボールペンの芯で持ち上げると。

「こいつで片ァつけるさ。」

暗いので良く見えないが、それはかの有名な。
雑な鋼材、ガンブルーがむき出しの拳銃。グリップに星マークが見えるからトカレフだろう。

窓の外。
暗雲が忍び寄っていた。

276保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:37:22 ID:T8QZhQM6
わぁあああぁあぁあああああああああああああああ……………………

大歓声の沸き起こる、パドックを見渡せる特等席。
彼が確保した席だ。
その両手には馬券がぎっしりと握られ。
震える全身を押さえながら、来る成功を確信し。
こみ上げる笑みを押し殺す事を本気でやっていた彼だったが。
徐々に曇り始めた空に気がつかず、ついにレースはその火蓋を切り。


がちゃぁん!
各馬一斉にスタートッ!!

少々出遅れた。気もする。
しかしドキドキが止まらない。

先頭は二番、続いて八番、三位争いが早くも激化しているッ!!
ここで出遅れたか九番ッ!前に出られないッ!

疑うことなく、しかし一片の余裕すらなく。
こみ上げる嬉しさに体がはちきれそうになっていた。

第一コーナーッ良い曲がりだ二番、今注目の****ッ!
続いて綺麗に横に並んで八番、七番、四番!!

さぁ来い、さぁ来い、来るんだ、来いッ!!
俺に金を運んで来い。俺に成功を運んで来い。


しかし。


あーーーーーーーーーーーーーーッ!!?
ここで転倒ッ転倒ですッ!!大混戦ッ!


大混戦ッ!!!


さぁあああああーーーーーーーーーーーーーっ




一気に血の気が引いた。
体に力が入らなくなった。
鼓動さえ止まっていた。
なにがなんだか……


あれ………?




運命、は…………?




ねーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーよwwwwwwwwwwwww
バーローwwwwwwwwwwwwwww
あるわけねーーーーーだろwwwwwwwwwwwwwwwwww

277保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:37:59 ID:T8QZhQM6
そして彼は、誰も居なくなった観客席で。
ただ雨に打たれてしばらくを過ごした。




しかし他に帰る場所も無く。
思考停止のまま、彼はアパートに行き着いた。
もはや自動的に。
何も考えずにノブを捻る。
ただいまも言わなかった。

そして、言う必要も無かった。

「やぁ、おかえり。」

「………ッ!?」

池田だった。

「なんでここにいるんだ、みたいな顔されましてもねぇー。私は債務の取立てに来ただけですよ。」

とんとん、と腕時計を叩く。時刻は禁止時刻に届いてはいたが彼らにその法は通じない。

「え、あ、あのっ…」

「みなまで言わなくてもお〜け〜ですよ。大体解ってますから。」

飄々とした態度。
その威圧感の無い風貌に少しだけ思考が戻る。
だから、何を言わんとしているのかが……

「えーと、あったあった。ここにあなたがウチで借りた分の借用書あるんですよね。えーと?わぁお。こりゃすごい。」

「………………ッ!!!!」

言わんとしているのかが……見えてきた。
マグロ漁船かなにかだろう。体で払えと言い出すはずだ。
もしかしたら臓器かもしれない。金額によって変化するだろう。

う…………

278保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:38:39 ID:T8QZhQM6
うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

ああああああああああああああああああああああああああああああああああ。

ぁぁあああああああああああああああぁぁあああああああああああああああああ。

どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう
どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうでしょうどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう
どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう


混乱。
パニクる。
殺される?
殺される?

殺されるっ!!!?

ガタガタと震えて立ったまま泡を吹き始めた彼に、池田は静かに言い放った。

「あんた。………女の事、聞かないんだな。」

「…………あ。」

「………ま、うすうす感づいてはいたけど。」

池田は、本当はこんな事を言うべきじゃないんだが、といった風に少し躊躇してから。

「ホント最低だな。」

吐き捨てるように、しかし呟くように。
侮蔑の意志はありながらも、目の前に対象者がいるにも関わらず、矛先を向けていないような声だった。
そして。
返す言葉は、無かった。

「っても、別にとって食ったりはしねぇよ。俺はそういうの嫌いだから。」

砕けた口調になった。ビジネス開始の合図。

「それは、あんたの行動次第、って事に…なるな。」

279保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:39:19 ID:T8QZhQM6
もったいぶった口調は、否応に彼の恐怖心をあおった。

「別に大した事してこいって訳じゃねぇよ。ただ、マジメにやれば――いいか?マジメにちゃんと仕事を果たそうと努力すれば――貸した金は、チャラにしてやる。」

「……!!」

「どうだ。やるか?」

「……!」
こくこくこくこく。

もはや言葉すらも失うほどに退化してしまったのだろうか。
会話すること自体が激しい恐怖なのか。

「もし成功して、その上で俺たちに迷惑がかからなきゃ、それ以降の二人の安全も保障してやる。少なくとも俺の力の及ぶ範囲でな。」

「………」

「仕事の内容を伝えるぜ。ちゃんと理解しろよ?」

そういうと、ひらひらと先ほどからはためかせていた紙を裏返し、それとペンをちゃぶ台の上に載せ、マッキーを片手に説明を始めた。

「ここから車で二十分ほど行った場所にな、フーゾクがあるんだ。まぁどこんでもあるやつだけどな。」

きゅきゅきゅっ。

黒いマジックが紙に歪な四角を書く。それがどうやら店舗らしい。
さらにその横にきゅきゅーーーーっと二本ばかり線を引く。間隔がまちまちのふらついた線だったがそれが道路らしい。そして、その道路とは反対側に、小さい四角……いや、もはやただの黒い点のようなそれを書くと、面を上げて向き直った。
釣られて顔を上げる。目が合う。逸らし、また紙を覗き込んだ。

「これ車な。」

とん、とん。マジックの先で黒い点を叩く。
続いて、道路側。店から少し離れた地点。そこを叩く。

「あんたを、ここに置く。」

…………いったい何をやらせるつもりなのだろう、そう考えたとき。

「んで、この店から中国人のおっさんが出てくるからそいつを――」

するり。
イチキュッパの安いスーツの懐に、まったく気が付かない程に、自然に収納されていたそいつを取り出す。

「――これで、殺してもらう。」

意外なほど小さく、意外なほどありふれたように見えるそれは。

ええそうですよ、銃ですよ。

「弾は二発しか入ってないからな。工夫しろ。」



えーと。

なにがなんだか解らない。



「んや、簡単な事だ。ちょっと行ってちょっと殺してくればいい。」

280保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:40:02 ID:T8QZhQM6
殺すって誰を
殺すって誰が
殺すって如何に
殺すって何故に
法律は、モラルは、その後のことは。
俺の身の安全は、確証は、そういえば、彼女の身は。

無理。
絶対無理。

キョドった。
ビビりまくった。
どうしようもないほど、逃げたかった。

玄関のほうを無意識に向いてしまう。
走り出して、このまま逃げて……逃げ切れるだろうか。
いや、それじゃ彼女はどうする。でもどっちにしても……

その視線を、体を横向きにそらし、池田が遮った。
腕を組み軽く首をかしげるような格好で、池田は言い放つ。

「逃げるなんて、 絶対に許さないよ」

「ひっ」

嗚咽。
もうどうすればいいのか。

「じゃぁ早速だけど行くぜ。深夜に見たいアニメあるから速く終わらせたいんだ」

「そっ……あ、……っ!!」

「んー?なんかさっきっからあんた全然話せてないぜ。病気か?」

「…り…」

「あー?」

「無理…です…自分には…出来ません……」

281保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:41:23 ID:T8QZhQM6
ほとんど聞こえないような。
本当に。
死んだほうがいいんじゃないかと思うほどに。
情けない声だった。嗚咽交じりで。矛盾してて。覚悟もなくて。ひたすらにヘタレで。
それは殺すという行為の悪に対しての拒絶ではなく。
ひたすらな逃げから来る拒絶である事は明白であった。

「んー、でも、ダメ。」

さらりと受け流すようにそれだけ言い放ち、手っ取り早い手段として池田はすたすたと歩み寄る。
安くところどころ擦れた畳の上を小汚い靴下が顔を伏せただ泣きじゃくる長崎に近づき、そして。

べちっ!

蹴った。

「――ぶッ」

顔面。蹴り上げるように。さらに続けて、

ずぐっ

「っがぁあああああああああ!!」

みぞおちを踏み込んだ。じりじりと力を入れて。

「ひぃっ…い、いたいっいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいぃぃいいっあああああああ
や、はな、どけてったすけぎゃぁあああああああああああああああああ」

「んー。大丈夫大丈夫。痛いのは踏んでる間だけだから。」

「潰れますっつぶれるからぁあああああああああああああああああああああああどけてどけうがぁああああああああああああああ」

282保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:42:13 ID:T8QZhQM6
ただ叫んで助けを求めるだけ。
もがいてのた打ち回って踏みつけられて。
小さなアパート全体が揺らぐ振動は成人男性の無様が原因である。

「ほいっと。」

足をどける。その途端、這うように逃げ出す長崎。
しかし、それは見越したことで。

ごっ!

無造作に振り出したつま先は丸められ、それが楽にうつ伏せの首元に入り。
簡易版の『延髄切り』。脳が揺さぶられ、動揺していたために意識は簡単に飛んでしまった。

「ぅあっ………」

ぐったりと動かなくなったそれを見下ろし。
池田はとてもとてもつまらなそうに、それを担ぎ上げ、レンタカーの後部座席に放り出し。
安全を確認してから、丁寧な運転でその白いカローラは雨の降る夜の街に消えていった。

――わざわざ暴力を振るったのには理由がある。
まず、恐怖心を与える。
これで強迫観念は出来上がったはずだ。
ついで暴力に感覚を麻痺させる。判断基準は崩壊する。

そして気絶させ、否応ない状況に誘い込む。

ただの馬鹿なら、ただの馬鹿でも銃を持てば調子づきかねない。
だからこその二発。
そして、自分たちの痕跡を残さないように。もしだとしても池田と言う名前もあの店舗からもこちらの情報は漏れないはず。
あれが警察に捕まろうと、華東会……ここ最近動きの激しい大陸から来た商売敵にとっ捕まろうとそれを仕向けたのが自分であることは果たして明らかにはならない。
サングラスに安物のスーツ。
いかにもな格好は一重に、印象を消した結果でもあった。

そう、高々300万で連中にアクションを、それも捨て身のアクションを見せられるなら決して高くは無い。もっとも、へっぴり腰だったら舐められるだけでオシマイだが。そうならないように『処置』は施した。池田はこの計画に自信と言うでもなく、確信を持っていた。そういう男で、そのように世界は動く。

そういう人間がいるものだ。

283保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:42:51 ID:T8QZhQM6
果たして。
適度に人通りのなくなった雨の打ち付けられる風俗店が立ち並ぶ一角。
本当に、ほんの二十分。
あっけなく、線はまたがれ、池田は長崎を、ただのヘタレを『人殺し』にする準備を整えたのだった。

「……オイ。起きたか。」

「………………。」

震えている。がちがちと定まらない歯の根が鳴る。
瞬きをせず、呼吸は浅く、身をちぢこませ。
ただただ、許しを請う。誰に対してかは知らない。池田の興味はそこには無い。

「心配しなくってもいーぜ。相手は一人だからよ。『ちゃんと殺せば』逃げる事も出来る。その時お前を追う借金はもうなくなってる。既にお前は自由に足を掛けてる。」

すらすらと。どうでもいい事を池田が言う。

「あのセダンに乗ろうとするおっさんを、その辺で待ち伏せて撃てばいいんだ。簡単だ。そしたら、もう、逃げていいぞ。」

「………………」

洗脳。
そんな上級なものではなかったが、今の長崎にはそれでも十分な逃げ道で。
今すぐにこの状況を終わらせる、自死以外の方法。
渡された安っぽい拳銃。
言うにも聞くにも簡単そうな仕事。
それだけで。

「まじめにやれよ。まじめにやればきっと……『神様』も、助けてくれるからよ。」

その言葉を最後に、やっと長崎は自分の足でアスファルトに降り。

「終わったら……帰っていいんですよね……」

「ああ。どこへなりと。」

それだけ会話して、傘もささずにフラフラと。ネオンの影に入っていった。

284保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:43:52 ID:T8QZhQM6
それから池田は一本タバコを取り出し。
車内でそれを吹かしはじめ。

「………人間って……面白っ!」

池田は意味もなくそんな事を呟く。
先ほど作戦概要を説明した際に使った紙。
くしゃくしゃに丸めたそれを開く。
それは。
あのアパートに転がっていた紙だった。
茶封筒に入った紙だった。
何の気なしに開けた。
興味本位だった。
やけにこれ見よがしにおいてあった飾り気の無い封筒。
別段驚きもしなかったし、だったらどうだと思うものでもなかったが。

やはり、これを直視するのは、池田としても辛いものがあった。
ゆえに。

「恨んでもいいけど、何かしようとは考えるなよーっと。」

くしゃくしゃと丸めたそれを放る。
雨に流されて、ころころと転がり。
やがて大きな流れに乗って、排水溝へと消えていった。
ようやくエンジンをかける。
あー、そうだ。
今日でハルヒが最終回だ。今日のも録れば全話揃うから…

「録画用DVD買って帰るか……」

そんな夜であった。

285保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:44:27 ID:T8QZhQM6
長崎は。
雨に打たれながら待っていた。
ビルとビルの狭間。
暗がり。
背後をしきりに気にしながら。
手には一丁の拳銃。
心には怯えと恐怖。
それだけ。何も考えない。
考えたくない。
ただ、すぐにでも。
『おっさん』が出てきたら撃つ。
それだけ。
そうすればまたあの日々に戻れる。
帰る。

ただそれだけを繰り返しながら待つ。

そして――来た。

雨の音が強い。しかし、暗い道、店の光に照らされたそいつは間違いなく『おっさん』で。
しかしまだ出ない。出ない。
おっさんがマイカーに向う。その足取り。
一瞬見せるであろう背中。
片手で傘を持ち片手をポケットに突っ込んでいる。
明らかに、キーを捜している。

そして運転席のドアの前に立つ――

今。
するり。

影から現れる。
音は無い。あっても雨が消す。既に裸足だった。

がちゃがちゃっ……かちん

キーがロックを解除する。銃を片腕で構える。身は隠さない。ただ正面に捕らえる。

286保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:45:02 ID:T8QZhQM6
じゃきっ…がちんっ。

キーが引き抜かれる音。
ドアに手を掛け、引いた音。

ここで。
必中距離に入った。
そして。

ちきっ。

――引き金を、引いた。
衝動。
興奮。
恐怖。
早い話が、混乱。
ものすごい量の感情の奔流が脳を揺さぶる。
だから引くには相当の力が必要で。
その、気配…どうしようもなく体立てる音、心音、血流、ざわつく皮膚。
だから、引きしろがなくなるまで。

おっさんが、振り返っ

ばん!!

反動。
びぃん、と肩から突き抜けるように。
閃光。
捉えることは出来なかったが、目にちかちかと焼きついている。
轟音。
想像以上でも以下でもない。

おっさん。
右脇腹を、消失していた。
かのように見えた。

287保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:46:16 ID:T8QZhQM6
FMJはおっさんの脇腹を貫通し、さらにいくつかの肉を殺ぎ取っていった。
脆い。筋肉も細胞も、脆い。
恐らく他の臓器…小腸大腸はもちろん、あるいは肝臓も。
中国北方工業工司製。鉛を軟鉄で被甲し、鍍金したFMJ.
貫通力が高く、しかし今だばだばと血が噴出しているのは肝動脈を傷つけることができたからだろうか。
長くは持たないだろう。
しかし、おっさんはまだ動けていた。こちらを振り向こうとしたその状態から、自身の身に起こった事態を一瞬で整理し、背後の暗殺者(そんな高級なものじゃないけど)から生還するべく、取った行動は。

きちんっ

びぃぃぃいいいいいいいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!

おっさんが抜いたのは、小中学生も持っている程度の品物ではあったが、実に侮れない音域を備えた防犯ブザーだった。助けを呼ぶには効果的だ。ちなみに携帯に付いたミッフィーのストラップがそれだった。似合わねぇなぁ。

そしてそれは、チキンな長崎の恐怖心を大きく揺さぶるものだった。

――だぁん

抵抗…は、したものの、後はくず折れるだけと言うほど出血を被ったおっさんに向け、さらに残りの一発を撃ち込む。
膝をついたおっさんの脳が吹き飛ぶのが見えた。

――死んだ。

撃った。殺した。死んだ。吹き飛んだ。殺した。殺した。殺した。殺した。
怒涛のように押し寄せる思考を無理やり押さえつけ、とにかく逃げると言う最大目標を実行。
言われたとおりに、その場に銃を放棄して。

長崎は裸足のまま、雨の中を。
犯行から、警報音から、現場から、自分を追い立てるあらゆるものから、逃げ出して、走った。

288保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:47:55 ID:T8QZhQM6
――その後。
あっけなく、逃げも隠れも出来ぬまま、長崎は容疑者として手配される事になる。
まったくの偶然に、長崎は県警が彼女のアパートを押さえ、長崎を待ち受けている事を発見。
その情報源は捜査ではなく、垂れ込み。
匿名の情報により、華東会に借りた借金のカタに暗殺の依頼を受けた長崎が、同・華東会日本関東支部後見人、馬 正角(マー チョング)を殺害した事がほぼ断定される。

目撃証言等にあわせて、朝方帰宅した同居人、

最上 みちる 

の任意同行により得た情報、すなわち犯行当夜、夜も遅いと言うのにサングラスをかけた893風の男が現れ、

『イ尓好ー!あw背drftgyふじこlp;@:「」...........』

と中国語らしい言葉でまくし立て、それを理解できない風でいると、やや重苦しそうに、日本語で

『どうも夜分遅く申し訳ありません。長崎さんはご在宅でしょうか。』

と言いだした。まだ帰ってきていないと答えると、

『あーそうでしょうね、実は長崎さん事故に遭ってしまわれまして……実は少々危ないかもしれません。至急病院のほうまで来ていただけますか?』

あわてた彼女はすぐに支度を整え、その男の用意したタクシーに乗り込んだ。
そして男は、

『自分は長崎さんのご両親の方にも行かなければなりません、先に行っててください』

と言って、彼女を乗せたタクシーは発進した。
その後、彼女は県内で一番大きい病院に運ばれ、そこで受付に長崎はどこにいる、と問うも、
そのような患者は来ていない、もし担ぎ込まれた重篤患者だと言うのなら、名前を確認できていないものがいる。
ERはその角を曲がった奥だ、必要が無ければ立ち入らないで欲しい、座って待ってろ。
と言われ。

そうして彼女は明け方までそこで待ち続けた。
祈り続けた。
しかし、午前五時。
緊急処置を必要とする最後の一人まで見送ったところで、彼女はそこに長崎がいない事を知る。
ケツの穴に悪ふざけでゆでたまごを突っ込み抜けなくなり、やむなく通報し処置を受けたバカな宴会大学生を見送りながら、彼女は思案した。
その場で受付に頼んで、県内と隣接する件の病院にも問い合わせたが、長崎はどこにもいなかった。
これは明らかに。
なんらかの思惑による彼女の誘導であったと考えるべきで。

どうして先に私の所にこれたのだろう?

彼の所在としては正しい。しかし彼は今現在住所不定だ。あくまで居候、ヒモでしかない。それを彼が誰に公表したと言うことは無い。いまだに彼女は契約上一人暮らしなのだ。そのアパートに、長崎を求めて人が来た。実家よりも先に。

そもそも、彼はなぜ最初に広東語だったのか、が引っかかった。それも警察に報告した。

彼女は話しながら、見えぬ長崎を求めていた。
彼に速く伝えたい事があった。

彼はどこにいるの?
彼は無事なの?
なぜ警察がこんな事を聞ききにくるの?
彼に、

なにがあったの?

289保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:48:27 ID:T8QZhQM6
その問いには、その時点で警察関係者は答えを持ち合わせていなかった。
しかし証言から類推。
既に概要は見えていた。

――内部抗争。その引き金である。
そしてそれを裏付ける証拠が出てきた。

彼女の許可を得た上での家宅捜索……の、ようなもの。立会いの上で、同居人と言う不特定な人間の痕跡、足跡を洗う。
そして出てきた。

長崎が華東会に多大な借金を作っていたこと。
その催促を受けていたこと。
そして訪れたと言う中国人らしき男。若かったと言う。

華東会はここ十年ほどでこの辺一帯に大きな力を持つようになった中華系マフィアである。
近年の捜査でどうやら内部に亀裂……旧体制派と新体制派……初期においてこの街で地元ヤクザと抗争を繰り広げ、鉄板事業で手堅くシェアを確立した旧体制派と、この一年くらいで流入してきた本国の幹部、呉 化竜(ウー ホンロン)を中心とする、闇金、ワンクリック、不法請求、クラッキングを含めた情報搾取、その他インテリ層的活動で一気に規模を拡大させている新体制派。呉は、瀋陽は東北大学の出でなるほどコネばかりが目立つが、それだけに止まらない優秀な人材である事は明らかだった。
その新体制派だが、その急進力ゆえに旧体制派をまとめて失業させる脅威を持っていた。当然これに反発するも、この不景気である。早々使える奴ばかりでもなく、結局後見人と新幹部との間で緊張関係が続いている。

さらによくない事に、彼らには共通の敵がいなかった。

現在ちまちまと闇金や献金で繋いでいる地元ヤクザもいるにはいるが、それは既に威厳を失い、限られた枠の中での活動を余儀なくされている。
まぁ、そんな状況を許している警察の肩身が一番狭いんだけどね。

そして今回の後見人殺害である。
反発した歴戦の兵が一体どういう行動に出るのか。
実行犯には死と言う制裁を。
差し向けたものにはやはり死の制裁を。

昨晩の殺害現場。地元警察が到着するのと、風俗店店主の通報により駆けつけた華東海構成員到着はほぼ同時だった。
現場を保存する間もなく、急をつけてきた若い巡査二人は五人の実戦経験を持つ構成員と小競り合いを起こし、公務執行妨害でこの五名を確保、この巡査二名が軽症。
なにせタイミングが悪かった。この一件により華東会は警察を寄せ付けなくなっている。

しかし華東会の手は長い。
一見して中国製だと解るトカレフ、華東会が十年前から使用している7.62mm×25、軟鉄合金被甲=フルメタルジャケット。明らかな内部犯の示唆。それを補いあう証拠群。

これはもう決定的かも解らんね。
ただ、決定的過ぎる、と言うのもあるが。

290保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:49:41 ID:T8QZhQM6
そして、その間にも長崎は逃走を続け。

この事態を牽引した池田自身、長崎の意外なしぶとさに感心していたりした。
ちなみに、華東会は独自のルートで警察内部の情報をゲットしており、使われたトカレフの情報はもちろんのこと、長崎の名前、顔写真、住所までが明らかになっていた。

そして警察はそれを見越して長崎の実家に護衛を配置。
何とか華東会の手がかかる前に保護する事に成功。
この情報により華東会は池田を捕らえてから黒幕を明らかにしようと言う姿勢を明らかにし、明確な行動をはじめたが、すぐに不審に気が付く。
すなわち、長崎の居候していたと言うアパート、長崎自身。
彼ら自身がいくら洗っても、長崎らしき人間が自分たちから金を借りていった履歴は見つからなかった。
ただ不幸なのは、ここでも派閥間情報伝達の不十分があり、新体制の呉は正式な『長崎など知らない』、と言う声明を出すものの、結局はいたずらに不信を招くだけに終わってしまった。

つまりは。

池田……地元ヤクザは若頭による、漁夫の利作戦は、着実に進行していたのであった。
そのためにわざわざフットボールアワーの石尾のマネまでしたのだ。

約束どおり、池田は借用書を破棄し、手動による操作ではあったが借金を『チャラ』にした。
ついで、警察もガードをつけていた最上に生活の保障すべく、ド田舎のセーフハウスをあてがう。
なんて言うことは無い。
彼女の実家のほうから彼女を誘わせた。
長崎の名を使い、最上の両親に金をつかませ、こちらに都合の良い事実を教え、最上みちるを隔離する。捜査からも、抗争からも。これは池田にとっても重要な作戦の一部分だった。ぼろが出るとしたら、二番目にはこの女だ。
はたして最上は命の危険を伴う生活から離れる事を決意。
それは同時に。

長崎の帰りを待つ事をやめると言う、彼女にとっても苦渋の多い選択でもあったのだった。

そして一番厄介なのは。
長崎自身。
――逃亡生活は、そろそろ佳境に入りつつある。

池田は当初、長崎はすぐに警察に捕まるものだと考えていた。
そうなれば警察は己から抗争をあおるような真似はできないわけで、長崎の証言もしばらくの間は封殺される事は目に見えている。そうなれば再び池田が第二、第三の小細工を仕掛ける。
三年……いや二年。
それで、伸びた池田たちで完全に押さえ込める規模まで華東会支部を弱体化させる。
その思惑を達成するには、ここでくじかれるわけには行かないのだった。

291保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:51:29 ID:T8QZhQM6
だから。

事件発生から二週間後、池田が長崎に金を貸していた事務所を、念のため畳んで移ろうと言う引越し作業中。
拳にバンテージを巻き、フードを目深に被り、ジャージに薄いスニーカー。
そんな、時折シャドウボクシングを交えながら走ってくる男が、そのままいとも当然のような足取り、小走りのまま池田の事務所に飛び込んで。

池田はダンボールを抱え、悪い事に背後を晒していた。
その背中。
やはり脇腹を目指して、凶刃が迫った。

「んもーだから何もするなっていったのにさぁ。」

げしっ。

あっけなかった。

池田強かったです。

ナイフごと後方に吹っ飛ばされた。

「あんた……っ」

長崎が転がった姿勢のままうめくように。

「俺の安全も保障するって言ったろぉっ!?」

その叫びにもまったく動じず。

「言ってねーよ。」

まるでここに来る事まで予期していたように。

「んでもまぁ、しっかりここまで来てくれたことだし?なかなか努力してるじゃねーの。」

飄々として言った。

「あんた俺と彼女の安全を保障するって言っただろぉ!?」

292保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:52:40 ID:T8QZhQM6
自暴自棄。絶望。それが今の長崎の行動力の源だったりした。
でもなきゃここまで来れやしない。

「言ってないよ。あ、でも女のほうは多分大丈夫だ。安心して良い。」

「俺はっ!?」

「知らね。あ、でも早く警察に捕まった方がいいよ。中国人に捕まったら殺されるよ?」

「なんでこんなっ」

「そりゃあんたの責任だろ。議論の必要も無い。」

「俺はそうすりゃ良いんだよ!?」

「知らねーよwww自分で考えれやww」

突き放した発言。
それもそうだ。
彼を助けるものは居ない。
居ない。
いや。
居る。

「彼女は…彼女はどこにいるんだ。」

結局そこかよ……

「それは教えられねぇなぁ。だってそこにお前が言ったら俺が約束した『安全』がなくなっちまう。」

やきもき。
どうすれば良いのか。
考える。
愚鈍な思考。
どうしても前提が間違っている。
だから解らない。

そして池田はどうでも良かった。

「あんたが捕まればいいんじゃねーの?」

293保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:53:24 ID:T8QZhQM6
あっさり答えを出す。

「それ…はっ…」

「あんたがそこでお縄にかかるって言うなら、教えてやっても良いぜ。」

「……でもそれ」

「もう一つ条件があるけどね。……なに。まだ自分の身だけが大事かよあんたは。」

「そんなのっ」

当たり前じゃないか。

「でもあんた。既にあんた一人の身じゃないだろ。…あー。知らないんだったな。」

池田はどうでも良かった。

「あの女妊娠してたぜ。あんたの子だろ?」

「……!」

「まーそんな訳だ。そうだそうだ、良いこと思いついたぜ。

 俺はあんたに今の彼女の現住所を教えても良い。ただし条件がある。
 その後、この街に戻って警察に出頭する事。
 その際、こちらの言ったとおりに証言すればいい。まぁそこまでいくとボロがでかねないからなー…
 まぁ最悪、無言を貫くだけでも良い。そうすれば最後にあの女に会わせてやっても良い。どうだ?」

「でもっ」

「解ってねぇなぁ。」

一拍おいて。

「もうあんたはお終いなんだよ。約束どおり、『二人』の身の安全は保証する。あんたが捕まる事でそれは確定する。
多分ムショ暮らしもそんなに悪いもんじゃないだろー?それでやり直せばいいじゃないか。
何年かかるかは知らんけどな。それにあの女も――まぁいいや。で、どうする。」

「あ……」

「どうする」

どうする。
その言葉だけがぐるぐるとまわった。
長崎はここにいたりようやく、自分の愚かさと矮小さを痛感し。
そもそも身を満たしていた絶望とあいまって。
明示された僅かな希望。

「……教えてくれ。」


そして。

294保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:54:21 ID:T8QZhQM6
_________________________________________________________


「なるほどねぇー。」
臼井が興味もなさそうに呟く。
「ええ……もう、自分には彼女しかいないんです。だから、こうしてこの電車に乗って。」
「なるほどねぇー…げぇえっぷ。」

ビール臭いガスを噴きながら、なんかもうこいつ最悪じゃねぇ?www的な座り方をした中年が、幾分若い男の向かいに座っていた。

ただの同乗者。
それだけだった。
だが臼井は何の気なしに、同じく辛気臭い顔をしながら転寝するこいつに酒を勧めてみた。
それが、以上の身の上話である。

「もし彼女にまで見放されたら、自分にはもう生きる意味はありません…」

「生きる意味ねぇー。そんなの、果たしてどこまであるもんかねー……」
臼井自身、生きる意味を持っていた男ではあったが、それは先に失ってしまっている。
嫁はもともと愛情などない冷め切った関係だった事もあり、彼から手切れ金(使い方間違ってないか?)をふんだくってどこかへ行ってしまった。大方、男のところだろう。別に良い。

年金も半分持っていかれた。
少々不服ではあったものの、確かに持っていかれる理由としては正しい。
彼は実際あの嫁に随分助けられていたと言っても良い。
ただ、言うなれば家政婦と言って良いような関係にそこまで払う義理があるかといえばそれは不明だが。
しかし、争う気も無かった。
どうでも良かった。

295保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:55:03 ID:T8QZhQM6
必死に働いてきて、その結果がこれか。
そういった諦観が今、臼井を支配していた。

対して。

今までだめ人間やってきたツケがここに来た。
だがしかし、やり直しが効くものであると言う希望が、長崎を動かしていた。

「自分が言ってもしかたないですけど。」

随分しおらしくなった、歳相応の発言力をようやく獲得した長崎は言う。

「諦めなきゃ、きっと良いことがありますよ。まじめにやってきたあなたです。……

『まじめに生きてれば、きっと神様も助けれくれる』

自分はそう思っています。」

それは、誰の言葉だったか。

296保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:55:57 ID:T8QZhQM6
臼井は鼻を一つ鳴らしただけで。
具にもつかない意見だと振り切って見せた。

神、天使、悪魔、 奇跡。

魔法、呪、運命、 奇跡。


そんなもの。


「ゲームのやりすぎだ。」


臼井は缶に口をつけながら。

「良い歳してガキみてぇな事いってんなよ…全部自分の招いた結果で、自分のもんなんだよ…」

それでもどこかで望んでしまう。自身のその弱さを断ち切るように。

「神様とか。どうせお前も無宗教だろ。いつまでも現実にてめぇの幻想重ねてちゃダメだぜ。」

なじるような物言いだったが、長崎はそれを受け止めていた。
そして臼井自身。
どこかで、そういったものを信じたいくらいに、もう、なんにも無いのである。

電車は走り続ける。
目的地は否応に近づく。
臼井が先だった。

正直、億劫だったと言うのもある。
少しでもこの現実から離れたいと思っていたと言うのもある。
だからこんな下らない話をしていたのだ。
だが、受け入れなければならない。
それが、良くも悪くも中年の、臼井の覚悟。

297保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 21:59:12 ID:T8QZhQM6
「そろそろだなー。」

重い腰を上げ、さらに重い荷物を下ろす。

「そうですか。自分はまだまだ先です。」

「ん……。」

小銭入れを覗き込んだ臼井が唸る。
そうだった……売店でビール買った時に小銭を使い果たしていた。

乗車賃は1280円。

小銭入れの中には、775円。

「……十円あるか?」

「いいですよ。」

長崎にちょっとのためしで聞いてみる。
それは少し、心を許した、袖触れ合う中だからこその、臼井の提案。

銅の硬貨を一枚受け取る。千円札と小銭を手のひらに握りしめ、存在に意味のなかったつり革に手を掛け、徐々に迫ってくる新しい土地の駅を望む。

ああ……あそこか。

小銭入れをポケットに突っ込むと、何かに当たった。

それを取り出してみる。
それは。



「……なぁ、いいものやろうか。」

298保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 22:00:14 ID:T8QZhQM6
黄色いハンカチだった。
いつか少女に借りたもの。
返す宛てもないからもらったと言う事にしていた。

彼を、ここに連れて来た、原因。

それを差し出す。

「……十円の礼にしちゃあ、出来すぎてませんか?」

勘ぐる長崎だったが、その口調は笑っていて。

「ほんとに偶然なんだがなぁー。」

臼井も笑っていた。
笑いながら。

原因と結果。
その中で、少しでも自分の行動に自信を持つために持ち歩いていた黄色いハンカチ。
それを長崎に、バトンタッチした。

「ありがとうございます。」

と、長崎が言うのと、電車が速度を相殺し、回生ブレーキもその動きを止め。
アナウンスも無く、その駅で止まった車両から、臼井はきつく照りつける日差しの中、降り立った。
涼しかった車内から、焼けたコンクリートの上に。
輻射熱。一気に肌から噴出す中年汗。

「じゃぁな。」

「はい。お話できてよかったです。」

臼井を降ろし、長崎を乗せた車両がゆっくりと動き出し、そして消えていった。
緑の中に、埋没するように。

ただ黙って。しかし。

うまく行くと良いな。

そう思いながら、見送った。

299保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 22:01:08 ID:T8QZhQM6
「……こりゃ、暑い……」

それはこれからの生活すべてへの不安だった。
白いものが出てきた頭皮に照りつける太陽。
ふと見上げると、田舎だからだろうか。やたらに元気な太陽。
目に強烈な光。やや視界が白くなる。

その背後から


「お待ちしておりましたぁ―――っ!」

「……ッ!?」

やたらに元気な声。
この日差しの下でもまったく衰えないエネルギー。
それを彼は知っている。

「庁舎の掃除と整理はもう済んでますよー!今日から二人で頑張りましょー!」

「………あぁ?」

渡瀬 市子、だった。

「……なんでお前がここに居るんだ。」

それは当然の問い。
そして、少々はにかむように、その少女といっても通じそうな女は。

「お兄ちゃん……じゃなかった、荻野さんに頼んで、私も異動にしてもらったんです。」

「…はぁ?」

「いろいろ積もる話はありますけど……あなたを、追ってきたんです。」

300保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 22:02:25 ID:T8QZhQM6
――要約。
聞く話によると。

荻野は渡瀬の親戚…従兄に当たる存在で。
同じ『会社』に就職した、幼い頃から妹同然に過ごしてきた渡瀬の事をよくよく面倒見てきたのだと言う。
それは今なお変わらず。
ただ、中年に思いを寄せるその妹を何度か止めようとはしたものの、ここ最近ではすっかり諦めモードに入っていて。
どうにか臼井自身を相応しい男と変化させるべく画策していたのは良いが。
結局、この男はこの男で出来上がっているのであった。
そしてその変化は、渡瀬の望むところでもなく。

「荻野さんは私を気遣ってくれていたんです。本当に、それだけ。あなたに対しても厳しくなってしまった事、時にストレスをぶつけてしまった事を詫びていました。」

それに関して、臼井としてはそれ以上に思うことは無い。だが?

「……俺のここへの異動は。」

「それは、本当に、仕事としての決断でした。私も少し動揺してかなり厳しく問い詰めちゃいましたけど、これは本当みたいです。……実際、あなたの行動は必ずしもこの結果に結びつかないものではないと解っています。」

「それで…あいつはお前…」

「私が頼んできたんです。お一人じゃ辛いでしょうと思いまして。」

「それにしたって随分急な話じゃないか。」

「ええ。ですから、急に支度して、急に異動したんです。」

そういって。
いつも見ていた、満面の笑みを。

どこに居ようと変わらないそれを、渡瀬は浮かべていた。

301保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 22:03:09 ID:T8QZhQM6
――なんだよ。


臼井は考える。

そして周囲を見渡す。

『あなたはもう信用できません。』

それは果たして、荻野の本音であった事も確かだっただろう。
しかしそれは、彼のすべてを否定する言葉ではないことも確かで。

なるほど?

清涼な風。
溢れる緑。
セミの声。
人も、空気も、以前居た場所とは違う。

一からやり直すには……丁度良い場所かもしれないな。

荻野め。

粋な事をしやがる。

「……それじゃあ。」

「はい!」

「新しい仕事場に案内してくれるか。」

「はい。…頑張りましょう!」

こいつの元気も揃えば、なんでもできそうな気がした。

302保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 22:04:55 ID:T8QZhQM6
神が居るのなら、それは誰だかは解らない。
だが、今、臼井に希望と新しい人生を与える、助けてくれた存在が居るとしたら。

それは、荻野であったと言う事になる。
天使はあの銀縁メガネの嫌味男か……

だがしかし。
何もかもが。

「悪くない。」

臼井はそう、本気で思っていた。



-middle age No.1-

303保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 22:06:35 ID:T8QZhQM6

------------------------------


長崎は期せずして訪れた『声に出して話す機会』を得て、ようやく事実関係と自身の心の整理をつけるにいたろうとしていた。
しかし、結局重要なのは度胸、覚悟、勇気。
そういったものであり、しかしてそれらを捻出するのは十分な『考える時間」である事は確かであった。

「……すぅ」

空気を胸いっぱいに溜め込む。
動悸が明らかになる。
緊張していた。

彼女には予め、連絡をつけている。
駅で待っていてもらえるように。
ほんのそれだけ。
その場でUターンし、少しだけの猶予を持って、警察へ出頭。
そう考えていて、それ以外の選択肢を捨てた。

――それが一番。

責任と言うもの。
それにようやく手を掛けた。
あのおっさんのことを考える。
まだ良く、解らない。
けれど取り返しの付かない事ならば、清算も出来ないのであれば。
ひたすらに抱えていくしかない。
どんなに申し訳なく思っても、それは故人。

酷いようだけど、整理をつけてしまう。

304保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 22:07:46 ID:T8QZhQM6
ただ、もしも。

彼女が自分を拒絶したら。

十分に考えられる事ではあった。
今に至ってようやく心を入れ替える事に成功した彼ではあったが、それが信用に足るものなのかは明らかではない。
だから、もし、そうなったら。

生きる意味はない。
ただ彼女のためだけに。
それしか今の彼にはないのだ。
本当に矮小で技能もない彼ではあったが身を粉にして女子供一人どうにか手助けしてやれないわけではなく。
そこに起因する覚悟、それによりこうして希望を得て動く彼から、すべてを取り去ってしまうイベント。

それが彼女の拒絶と言う、非常に危なっかしいものなのである。

なんと言うべきだろうか。
なんと言おうか。

そう考える間に、瞬く間と時は過ぎ。

夕暮れが近づく時刻に、ようやく彼は目的の場所に着こうとしていた。

「……はぁ。」

溜め込んだ空気を吐く。

「……やべぇ、死にそうだ…」

正直な感想だった。

ぷしゅーーーーっ………

終点。後は引き返すだけ。しばし運転手も休息を取る。その時間。

かつ。

降りた。

305保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 22:08:20 ID:T8QZhQM6
ひぐらしの鳴く中。
赤く赤く染まった世界で。

彼女は、待ってくれていた。

「……ごめん。」

「……」

「俺が馬鹿だった。本当に申し訳ない。」

「……」

「これから俺は出頭する。出てくるまで、どれくらい時間がかかるか解らない。」

「……」

ただ無言を貫く彼女。
しかし、無表情には程遠く。
その顔を正面に見ながら、続けた。
言うべきことがある。

「また、ここに来る。」

「いつになるかは解らないけど、また来る。」

「もしその時俺を受け入れる気があったら…」

そう言って差し出したのが、あの黄色いハンカチだった。
それだけで、何をして欲しいかが通じてしまう。

そろそろ、電車が出る時間となった。

彼女はただ静止していた。
何も言わず、しかしその目は明らかに。

「最後に。」

電車の扉が開く。発射前。ほんの数瞬。

「楽しかったよ。ありがとう。

 今まで見てきたおっきな夢は、俺には叶えられない。
 だけど、またあなたと一緒に生活できれば、どれはどんな夢より幸せな現実になると思う。
 だから、俺は絶対また来るから。幸せにしたいと思ってるから。

凄く苦労かけてしまう俺を、どうか…許して欲しい。」

306保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 22:09:23 ID:T8QZhQM6
それだけ。
それだけを言って。
長崎は電車に舞い戻り。

扉は閉じ、箱は反対方向にゆっくりと進み始めた。

その中で。
遠ざかってゆく女を見ながら。
彼は心に溢れるものが、目から流れるのを感じていた。

いやまったく。
泣いてる女を見て感無量に浸る男である。

あらゆるしがらみがプラスに働く状況だといえた。

必ず帰る、必ず幸せにする。
だから今は。

歳相応の年季をようやく手に入れた男は、そうやって夜の帳が下りる方向に、消えていった。

-middle age No.2-

307保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 22:09:57 ID:T8QZhQM6
長々と続いたけど

以上ッ!

308二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/09(日) 22:10:53 ID:Gv51/mDU
乙ッ!
頑張ったなって感じ……。
最近長文してねぇなぁ俺orz

 さー俺も投下するぞーッ!

309二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/09(日) 22:11:26 ID:Gv51/mDU
♪Green greens 注意:アレンジのイメージ強め(;´∀`)
アレンジソースはここ http://sbfr.nothing.sh/special/0006_kirby/

森の砦は、子供の砦――。
大人には入れない、お菓子の家。

実際そうはいってないんだけどさ。
何が悲しくて大人まで守る砦になっちゃったのやら。
ま、ヒーローは一人じゃないみたいだし、大丈夫かー!

この森は、変だった。
子供だけが空を泳ぐ。滑る。
なんでだろう。
とにかく、村を守る。
家が無くても人がいれば、勝ち。
また作れるモノはおいといて、さあ――。
機械国家とやらと勝負しましょ!

310保冷剤 ◆xl4B3i0CLs:2006/07/09(日) 22:11:58 ID:T8QZhQM6
YURIAの男の子って言うよりEaglesのHotel californiaの方が似合うような内容になっちゃったけど

知らん。

311二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/09(日) 22:11:58 ID:Gv51/mDU
弓をつがえ、森を滑る。
木漏れ日が気持ちいい。
速いし、隠れる場所もいっぱい。
森が守ってくれるし、今のところ勢力差はトントンってとこ?
「そっちいったぞー!」
「あいよーっ!」
弓をすぐ、森が教えてくれる方向に向けて。
「てぇい!」
戦車に突き刺さった矢は、いきなり急成長!
大きな木になる!
もちろん戦車は押しつぶされて。
はい出た兵隊さんにいがぐりが落ちた。
「わーお、徹底的ぃ」

森が約束してくれた。
がんばったらその木でまた家を建てればいいって。
頑張ろう!
森のために、みんなのために!
さーあたしは頑張るぞ!
森よ、応援よろしくッ!
「ほーら、いがぐりに当たりたいのはだぁれかなー!」
滑って踊り、森を通る風があたしを冷やしてくれた。
冷静になる前に、踊って返す。
行っちゃうぞー!

312二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/09(日) 22:12:30 ID:Gv51/mDU
良く分からない。
僕には解っていない。
森が言うには、子供の想像力らしいけど。
想像力なら物書きの先生とか、いっぱいあるのに。
先生が言うには、自由だから。
知らないことが逆に力となっている、難しいなぁ。
僕は半端に知っているから力が弱いのかも。
その代わり、知ろうとする力を武器に。
――あ。
「エイミー、そっち2つ」
「はぁい!」
司令官ってわけ。
みんなの力を手伝う。
自由を手伝うのは、ちょっとだけ何かを知っている僕さ!
みんなより、知ることを強くした、僕のね!
さあ、声を聴かせてくれ、森よ!

鳥が僕の周りを囲んだ。
「伝達、よろしくね」
流石に前線までは届かないから、メッセンジャーに頼んで。
「頑張って!」
さえずりを返事に、鳥が飛ぶ!
僕も前に出よう……!
空を滑り、木をぬって。
もっと伝わる場所へ。
知ることを、
伝えることを!

313二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/09(日) 22:13:01 ID:Gv51/mDU
森のカバーを抜け、空に出た。
私は弓じゃなかった。
私だけ、なんか似合わない武器(なのかな?)だった。
森の上を滑っているのは最高だけど……あー、これ使うのぉ……?
しくしく……。
森と、アルの言う場所へ――。
滑って、回って。
ああ、なんか緊張してるのに楽しんでるなぁ私……。
――そこへ、まっすぐ。いっかいで。
うんっ!
声を頼り、そこへ私の獲物を大きく振りかぶり――。

「どっせぇ――――いッ!」
飛ばす。
ああ、はしたない声。
投げてすぐ、大後悔して。
「なんで病弱な私が丸太なの――っ?!」
心の強さって言われたけど。
とほほ。
あああ、あんなに砂煙あげちゃって……。
「鳥さんごめーん!」
いいよ、って。
私の周りをくるくる。
あううう、……っと!
うなだれる私に丸太が返ってきた。慌ててキャッチして、一息。
「はふー……」
ショックだよー……丸太女とか言われるし……。

314二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/09(日) 22:13:36 ID:Gv51/mDU
「どけどけーい!」
木刀で、風を切る。
風が森をざわつかせ。
木の実や枝が落ちていく。
それが全部、誘われるように切り裂いた先へ飛んでいき!
直にぶったたいても良し、
森の弾丸に任せるも良し、
ああ、この木刀はすげぇや!
さあ、森よ。
俺の武器をお誘いに。
みんなで守ろうぜ!

「っと! あぶね!」
栗鼠の鳴き声、緊急回避の合図。
「サンキュッ!」
落ちたどんぐりを1つ放ってやって。
「次も頼むぜ!」
尻尾を振って応援する栗鼠を後目、一気に突っ走る。
抉られた地面に木刀をこすり。
そうするとあっという間に若芽が生える。
森を生き返らせながら、俺は奔る。
滑る!

315二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/09(日) 22:14:08 ID:Gv51/mDU
滑る勇者は子供の勇者。
色々知ってはいないけれど。
それが夢を強くする。
大人に見えない夢を持って、大人の知ってる限界越えて、
今はそれを現実に。

      森は――。
村は――。
       僕たちが――。
  あたしたちが――。

  ――守るッ!

さあ行こう。
夢を力に、無知を原動力に。
大事な者を守るために!

*27分+リファイン10分前後。ああ、アレンジ最高w
なんかSTG作りたくなるノリでやってみた。

316二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/09(日) 22:42:21 ID:Gv51/mDU
カービィのアレンジしてる人が神すぎて想像がとまらんwwwwwwwww
2発目いくかもwwwwww

317二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/09(日) 22:59:55 ID:Gv51/mDU
♪green green's happy http://fz.bms.ms/#5 より

魔女の箒は、不思議の箒。
じゃあ、これはなんだろ?

止まらないの。
どうしよ。
変な箒。機械の箒。
遊びで乗ったら、止まらない。
「ぎゃ――っ!」
断末魔が空に。
あー私の人生ここで終わり?
って勝手に死んだことにしたら危ないじゃないかー!

止まらない、止まらない。
勝手に飛び回る箒。
公園は、公園はやめぇぇぇぇぇぇ!
木が、木がぁぁぁぁ!
必死に避けつつ、落ちかかり。
「って落ちればいいんじゃないの?」
……速いし高い。
うわぁぁぁ。

318二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/09(日) 23:00:54 ID:Gv51/mDU
空が流れ、緑が流れ。
マンションを壁扱いして上っていく。
うーん、そらは気持ちいいけど、止まってくれたり自由だったりの話だね……。
うーわ、どうしようどうしようー!
壁をかけおわった箒はそのまま。
「ああああああああ空はこれ以上上は嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
と思ったら宙返りした。
「ひーん! さっか……さっかさまぁぁぁぁぁっ?!」

誰か助けてくんないかなー?!
逆さまで木を抜けるのって怖すぎるーっ!
うあわーッ!

『そこの飛行物体! とまりなさーい!』
ああああ、警察まで来たって!
『ノーヘルはやめなさーい!』
「そこーッ!?」
うわーどうしよ。
この歳で警察沙汰とか洒落になんないよー!

319二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/09(日) 23:01:35 ID:Gv51/mDU
とかおもってたら加速した。
「あわーッ!」
一回転してくれて、ようやく正しい座り方になって。
あ――。
海にでた。

でも。
「とっまんな――――――――いぃぃぃ!!」

飛ぶ飛ぶ。
止まらない箒。
あー……今止まっても。
「う――――――み――――――ッ!」
ああああ。

*17分。 もっと速く書けるよな俺orz

320二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/09(日) 23:03:23 ID:Gv51/mDU
てなわけで
基本:ハイスピード
1:ファンタジー
2:サイバー+ポップ
のカービィ2本立てでした。

オリジナル? ……アレ?(;´Д`)

321隣りの名無しさん:2006/07/10(月) 01:58:51 ID:vmUyMWiA
GJです!!
明るく楽しげ、軽快さがあっていい感じでした!

最近スピード感溢れる曲が多かったので、こんなのはどうでしょう。
ヤミと帽子と本の旅人サウンドトラックより
夢影深遠
http://054.info/054_54513.zip.html
なお、造語なので正確な歌詞はないそうです。

322隣りの名無しさん:2006/07/10(月) 02:11:01 ID:vmUyMWiA
すみません忘れてました。パスは『とな板』です。

323二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/10(月) 02:21:58 ID:KYEAnbgE
あい、把握ー やってみますよ

324二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/10(月) 02:22:28 ID:KYEAnbgE
って、あれ
ライセンス言われた(;´Д`)アレマ

325隣りの名無しさん:2006/07/10(月) 05:27:26 ID:vmUyMWiA
ごめんなさい、間違えてwmaであげてしまいました…
http://054.info/054_54561.zip.html
mp3にしたので今度は大丈夫かと…

326二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/10(月) 20:29:21 ID:KYEAnbgE
>>325
遅くなってすんませ、やってみまー

327二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/10(月) 21:07:08 ID:KYEAnbgE
♪夢影深遠

夜はお嫌い?
夜が怖いの?

洋館で灯りも無いんだから、幽霊だと思った?
それとも――、
そう聞かれて、幽霊じゃないと思った?

怖いんだね、怖いのね。

かわいそ。
かわいそ。

328二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/10(月) 21:07:41 ID:KYEAnbgE
月夜の洋館、白い影が。
白い娘が、ゆっくりと。
相手の居ないワルツなのか、手は虚空を掴み。
視線は唯一の観客を見ずに。

静謐な空気の中、娘の息づかいだけ。
時折、ステップ。

真夜中だというのにカラスの声。
そして、影。

どっちでも、好きな方で。
関係ないし。
気にしないし。

どっちでも、どっちでも。

かちり、かちり。音がする。
何かも解らないが。
メトロノームのように。
ワルツを助ける、そんな音。

でも――。

怖くないよ?
ほら。

329二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/10(月) 21:08:11 ID:KYEAnbgE
踊りをやめた、白の娘。
少しずつその白を強める。
ドームの天井が、花咲くように広がって。
月の真下、銀に輝く白かった影。
見上げた娘は目をつぶり。
いつまでも、両手を広げ、揺れていた。

さ――。
一緒に、ね。

踊らなきゃ、

帰してあげないよ?

ぎこちない踊りと、慣れた踊り。
少年少女の奇妙なワルツ。

別の世界が開きそうな、そんな舞。
星と月が見守って。
それでも、なにか、おかしい夜。

わかるよ。
もすこし、がんばってね。

男の子は、リードしなきゃ――ね。

少しずつ、少しずつ。

330二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/10(月) 21:08:42 ID:KYEAnbgE
何かが変わる。
ワルツも変わる。
ゆっくり、正しく。
美しく。

何か、何か、変わってく。

そうよ、ほら。
1・2・3……。

変でしょ?
でも、
綺麗でしょ?

月夜に人影、二人分。
踊りが線から、円になる。

まわる、まわる、淀みなく。

月夜のワルツが、美しく。
月夜のワルツが、奇妙に。
まわる、まわる、まわる。

331二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/10(月) 21:09:13 ID:KYEAnbgE
これで、おわり。

踊り、覚えちゃったね?

……いらっしゃい。

*終わり ループ処理に困ったわい。
げ、27分orz

うーん、しかし、変わった世界がいい感じに作れる音だなー

332隣りの名無しさん:2006/07/10(月) 22:07:34 ID:Trgn7q6k
GJでした!!!
幻想的な感じで、引き込まれるようで。
二人の踊っているのが、自然と浮かんでくる感じがしました。

同サントラ内でも、この曲は特に不思議な感じのする曲なんです。
他の曲はある程度テーマがはっきりしているのですが、この曲だけはどうも掴み所が無くて。
で、二郎さんならどうだろうと思ってお願いしたのです。
綺麗な世界を、ありがとうございました。

333二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/10(月) 22:26:50 ID:KYEAnbgE
>>332
いやいや、有りがたいー
色んな世界が作れる感じがしたー。
また箒で魔女のパーティとかそういうノリが第一案だったんだけど、箒は前にやったので却下とw

実に、ああ童話だーって感じのいい曲っすね、うん。

334隣りの名無しさん:2006/07/11(火) 17:47:31 ID:m2WlDJzg
G-DARIUSの『ADAM』は如何に

335二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/11(火) 19:54:45 ID:y/qBTSRg
>>334
ォーウイェ やってみるぜぇ

336二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/11(火) 20:15:15 ID:y/qBTSRg
♪ADAM 注意:電波つゆだく!

「いらっしゃい」
金属塊で出来た崖の縁、女が立つ。
「また……君か?」
いつもの、夢とは違う良く分からない世界。
男は時折ここに連れてこられていた。

崖の先、広がる夕焼けを巨大な鉄塊が、下から上へ。
まるで跳ねる魚のような。
敵意のミサイルのような。

幾重にもフラッシュバックが男を襲う。
笑う女。
目をつぶり、何かをささやく女。

「なんなんだよ、ここは……っ!」
女の見透かすような、見下すような視線が男を射抜く。
「私のイマジネイション、言うなれば」

「脳内って奴かな?」

向き直った表情は良く読めず、夕日の影になっているためだ。
両手を浅く広げたシルエットの背後、鉄塊が再び二つ三つと空へ打ち上げられていく。

「あなたは、私が生み出した者。ううん……」

337二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/11(火) 20:15:49 ID:y/qBTSRg
「物、ね」
――何を言っている?
――何を伝えている?
――俺は俺だろう?
――俺が産物だと?

鉄塊が歌う。
体に似合わず繊細な声が響く。

338二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/11(火) 20:16:19 ID:y/qBTSRg
「もっと苦悩しなさい」
影が笑った、と思う。
「もっと暴れなさい」
影が目を閉じた、と思う。
「さあ、さあ私を」
影が両手を広げた、と思う。
「満足させてよ」
影が舌なめずりした、と思う。
「逃げられぬ」
影の瞳が大きくなった、と思う。
「あなたは」
影がゆっくり近づいてきた、と思う。
「私の物」
影と手を取り合ってしまった、と思う。
「あは」
影――。

339二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/11(火) 20:16:54 ID:y/qBTSRg
踊らされている?
騙されている?
信じている?
疑っている?
理解している?
解ってしまった?

解らない。
解らない。
解らない。

ただ、居るべきでない気がした。
ただ、ここにしか居られない気がした。

相反する感情がない交ぜになって。
その最中も鉄塊は空を目指し、打ち上げられ。

最初の一つが地に墜ちる。
海だった。
逆流の滝。
降り注ぐ、
塩の雨。

滝、
雨、
幾重にも繰り返される。

夕日に虹が生まれ。
気づけば二人は解けあって。

340二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/11(火) 20:18:35 ID:y/qBTSRg
「解った」
「何が?」
「俺は君のイマジネイションから生まれた」
「ええ」
「だが、君は俺のイマジネイションから生まれた」
「――ええ」
「戻れば、いいんだな?」
「ええ、たまには帰ってきなさい?」

ハジメハヒトツ
ヒトツハハジメ

オワリモヒトツ
ソシテ、マタハジマリ
クリカエス
クリカエス

フリダシニモドル

――有るべきでなく、有るべき。
――居るべきでなく、居るべき。

341二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/11(火) 20:19:07 ID:y/qBTSRg
誰の物か、解らない。
そんな世界が、ほどけていく。

――さあ、いこう?
消えゆく二人が見上げる先。
最後の鉄塊が空を往く。



*おわり 19分。 うわーなんかνのラストみたいだな。
最初にこれ聴いたときは、興奮と、あと絶望感。何より、来ちゃいけなかったような気分になったな。
何せ初adamはμだったもんでねぇw
カメは鯨より安定しねぇや。Ver2は余計に(;´Д`)
どうしても、ダライアスには狂気の沙汰という物が見え隠れするね。
外伝の曲は脳科学とか、心理系の曲名だし、妄想が相手だったり……。
まともな戦闘シーンより、狂気の世界が先に浮かんでしまう。

342二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/11(火) 20:24:11 ID:y/qBTSRg
曲無い人へ

ライブ動画発見
http://www.youtube.com/watch?v=mog_1mDPXKc&amp;search=adam%20darius

343隣りの名無しさん:2006/07/11(火) 21:07:21 ID:m2WlDJzg
お疲れす
前半の奇妙さは面白かったけど後半よくわかんねーwww
何か魂のルフラン思い出したよ
ダライアスの音楽は珍妙なのが多いけどそこが好きだな
ライブには向かん気がするけど……
何か見てるとアーケードとコンシューマで結構違うみたいね
Gも外伝もコンシューマしか知らねーや

というわけでダライアス外伝の『FAKE』はどうだろう

344二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/11(火) 21:12:56 ID:y/qBTSRg
>>343
FAKEか……良い思い出すくねぇなぁ……w

どうしてもダラ曲は電波はいるから注意してくれw
では、やってみよぉ

345二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/11(火) 21:13:54 ID:y/qBTSRg
早速
いーしーみーねー へぇへぇへぇ
を書きたくなった俺ガイル

346二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/11(火) 21:32:53 ID:y/qBTSRg
♪FAKE

綺麗な夜空だった。
――多分。

良く通る声だった。
――多分。

曖昧なのはわたしのせいじゃない。
虚像空間、いわゆる電脳世界のせいってわけだ。

上も下も無い空間で、寝そべっているだけなのに――上下も無いから語弊はあるかも――進んでいく道。
歌声を道しるべに、星の海を……んー。
漂流?

ぼんやりと眺めれば、歩くような速度で星が動いていく。
わたしが動いているから、だろう。
時折見える、映像のパネル。
それはわたしの過去を映し。
誰かの過去もときどき。

347二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/11(火) 21:33:23 ID:y/qBTSRg
夢を見ているような。
思い出をアルバムで見ているような。
曖昧になりつつ、瞼がおりる。

夢だといいな。
夢じゃないといいな。
夢と現実が曖昧になる。

FAKEの世界。
FAKEの感情。
FAKEの海。
FAKEのわたし。

上へ行くのか、下へいくのかも、わかってない。
ああ、気持ち悪い。
ああ、心地よい。

どっちも、正直な意見で。
どっちも、建前のような。

348二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/11(火) 21:33:54 ID:y/qBTSRg
変な世界、わたしのルーツを探す、データの旅。
どこまでも、それとも一瞬か。
わからない、わからない。

どこまでつづく、この夢のような時間。
どこまでつづく、この現実を離れた世界。

ああ、わたし。
やっぱり漂流してるのかな?

*20分 全上コースが俺のジャスティス
ちゃんっちゃんっちゃんちょんちょんちゃんちゃんいーしーみーねー
ちゃんっちゃんっちゃんちょんちょんちゃんちゃんちゃんっちょんっちゃんちょんちゃんちゃんっ
ちゃんっちゃんっちゃんちょんちょんちゃんちゃんいーしーみーねー
ちゃんっちゃんっちゃんちょんちょんちゃんちゃんたーんてーんとーん

とたてーーてとてとたてーーーててぃとぅとてーーたてぃたとたへーっへーっへーっ
とたてーーてとてとたてーーーててぃてとぅとてーーたてぃたとたへーっへーっへーっ

たんとたんとんたんてんとんたんたんたとんたんとんたんててぃんとぅん
てんてとてんとんてんてぃんとぅんてんてんてとてんとんたんててんてぃん

とぅーんとーんたーんたとぅーーーーーーん あおあおあおぉわー
とぅーんとーんたーんたとぅーーーーーーん あおあおあおぉわ

349二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/11(火) 21:36:01 ID:y/qBTSRg
うーんやっぱ電波はいるねこりゃ(;´Д`)
ダラの世界、やられるとどうしても変な方向に行くわ

未だに遊んでるけどさ。
タイタニックランス折るのも楽しいねぃ。
どんどん壊れた世界というか、曲やべぇよやっぱw

350二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/07/11(火) 21:38:01 ID:y/qBTSRg
げぇ! 書き忘れorz

俺は、
G:B.T.dutch、kimeraII
外伝:VISIONNERZ、SELF
が好きかなー。
両方ともゾーンセレクトはかなり好きw

351隣りの名無しさん:2006/09/03(日) 01:17:02 ID:l.HKjnf2
久しぶりに上昇…
いきなりですがまた東方曲ですみません。
サイト『白と黒の夢郷』様より【千年幻想郷 〜 History of the Moon】
個人的にかなり来ました管弦楽曲アレンジです。

352二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/09/03(日) 01:32:44 ID:QtFQGXZA
>>351
うす、やってみる

……と言いたい所なんだけど


羽 根 で 使 わ せ て 貰 う

353隣りの名無しさん:2006/09/03(日) 01:34:19 ID:l.HKjnf2
(;0w0)アレェ!?

354二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/09/03(日) 02:06:34 ID:QtFQGXZA
うん、やばいわ

7k文字14kbくらい目安に書きたいwwwwww

355二郎剤 ◆h4drqLskp.:2006/09/03(日) 16:42:46 ID:QtFQGXZA
上がった……。
スレに投げたらこっちにはり……とか長いので、羽根スレで俺ブログみてくらはい
出来ればスレの生で頼みたいけどねw

356隣りの名無しさん:2006/10/14(土) 23:19:51 ID:h.6OP6AQ
うお


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