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音楽指定で即興するけどお題ある?
250
:
保冷剤
◆xl4B3i0CLs
:2006/07/09(日) 21:15:36 ID:T8QZhQM6
そんな人生で何度訪れるとも知れない貴重な貴重な一瞬をそんな事を考えて過ごすのは流石にもったいない気がしたが、さりとてこの状況……地方、それもド田舎への左遷とすべてを失った状況を化合すればなるほど、これは天国への……。今、言い得て名見つけたぜ、まさしく、
グリーンマイル
だと言えなくも無い。解るか?田んぼのグリーンと(ry
そんな事を考え、座席にみっともなく恥じる事もなく醜態を晒すように寄りかかり、意識も定かではないまま清涼な空気を煤煙に変える中年男。
ニヤニヤと、不意に思いついた親父ギャグに一人で笑みを浮かべ、数瞬後に自己嫌悪し、死にたい係数を上げている彼は。
名を 臼井 秀寿(ウスイ ヒデヒサ) と言う。
恐ろしく捻りの無いまったく一般的な名前なのは仕様です。
彼は職業を『配管工型公務員』と言う、市役所は水道局勤務の自称・水周りのおまわりさん。
地域住民からはクラシアンもどきとして通っている。
長らくその町には保守整備のできる業者がおらず。
官から民へのこの時代に、いまだ彼のような存在が許されていた。
その範囲は上水を中心に下水に及び。
下水道整備の際にも引っ張り出されるほど、街の配水において把握している情報で右に出るものは居ない専門職に近いベテランだった。
彼のダウジングは車道近くでも狂わない。
水漏れを、その水溜りの形状からどこが悪いのかを見抜いてしまう経験豊富。
気さくではあるがどうにも人付き合いが苦手なシャイな言動から、実に老人に好かれている男だった。
反面、新人の受けは悪かった。とはいえ、それは彼の指導技能に問題があったからで、もちろん恨みを買うような人物では……あったかもしれない。
彼は、空気を読めない男とでも言おうか。
どことなく、いいや違う。
普段の仕事振りからして、ワンマンなところがあった。
もっともそれは彼が悪いと言うには少々酷な話で。
既に息絶えたかのように見えた年功序列制度がいまだ不確定ながら機能する市の行政の波の中。
実の能力の高い彼を一兵卒として野放しにする事をよしとしなかった上司が、果たしてどれだけその先を見据えた判断だったのかは疑うだけ無駄なことではあるが、退職の際に彼にその座を譲ったのだった。
すなわち、課長である。
課長。
部下を持つもの。
それは言っては何だが、当然のように見えて、大きな間違いだった。
彼は特殊だった。
特殊ゆえに、特例を意識しなければならなかった。
だがされなかった。
彼は人を動かす術を知らない。人の上に立って先導する者ではない。
ただ壊れた水道管があれば良い。
徐々にだが、彼は無能とみなされるようになった。
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