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チラシの裏 2枚目

94名無しさん:2007/11/27(火) 22:01:33
ふと何かに呼ばれたようにアサヒは空を見上げた。
「青いな・・・」
太陽の光に手をかざしながら、何ともなしにつぶやく。
「ほんとに青いな・・・」
こうして空を見上げたのはあの時以来だろうか。
途端に胃がぎゅうと締め付けられるような痛みが襲い掛かり、膝をその場についた。
視界が暗転する。

怖い。
漠然とした、けれどすぐそこにある恐怖に視界が回り、
あちこちから響く悲鳴に思わず耳を塞ぎそうになった。
ききたくない。
もうやめてくれ。
誰か、助けて。

全てを忘れてしまえば、きっと楽に生きて行ける。
流れるまま生きてしまえば、苦しむ必要もない。

不意に一人の青年の顔が浮かんだ。

ああそうだ、とアサヒは硬く閉じていた目を開いた。
自分には義務がある。
生きて、生きて、生き延びて、未来へ進む義務が。
「わりぃ」
そう言って、アサヒは再び立ち上がり、少しだけ振り向いた。
無数とも思えるアサヒによく似た少女たちに少しだけ笑いかけながら、言った。
「俺はまだそこにはいけない。
お前らを忘れないためにも、俺は、まだ

生きたい」
少女たちがすこし笑ったような気がした。


気がつくとそこはお気に入りのソファの上だった。
「あー・・・」
どうにもおかしな夢を見た気がする。そんな気分に起き上がると
「あれ・・・俺、泣いてる?」
目から溢れ出す涙に困惑しながら、どこか解放された気持ちに
彼女はただ涙を拭い続けた。

「アサヒ・・・」
涙を流し続ける少女を見つめながら、彼は小さくつぶやいた。
「生きて、『私達』の分も」
少女がこちらを見た瞬間には、彼はいつもの彼に戻り、
いつもと同じように首を傾げるのだった。


書いた本人がよくわからないことになった




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