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持ち帰ったキャラで雑談 その二

5確執編十章:豪雨の茶会      5/5:2007/05/13(日) 21:33:52
 ふと気づくと、昨日まであった蒼穹は姿を消し、
空一面に黒と灰のグラデーションが立ち込め出していた。
「何か日が陰ると、途端に寒くなる気がするわね」
 襟を押さえて服の中に寒気が入るのを防ぐ杏。
「ひょっとして、雪でも降ってくんのかしら」
「それもいいかも。きれいだし」
 と、一人先行してた春原がふいに戻ってきた。
「おい、向こうに穴場の共同浴場があるってさ」
「何? 絶好の覗きスポット?」
「僕の言葉が信じられないなら、向こうの連中に聞けよ。女の子もいるし」
 その先には、なるほど、数人のメンバーが談笑してる様子。
「知り合い?」
「ついさっき知り合ったばっかだけど。僕らと年同じくらいらしいぜ。
 行くなら、一緒に行かないかってさ。どうする?」
 正直、ちょっと春原のことを見直した。
「春原、アンタのそういう誰とでも気さくに話せるとこは嫌いじゃないよ。
 ――けどアンタ、覗き魔だもんね…」
「ホント、そこは陽平の長所よね。
 ――けどあんた、覗き魔だもんね…」
「いい加減それ引っ張るのやめてくれませんかねぇっ!?」
 もちろんあたしとしてはその提案に異論はなかった。
「じゃ、一緒に……」

 ――その時。

 針で突き刺すような痛みが頭に走る。
 一瞬目を閉じた瞬間、世界は『変わった』。

 足音が聞こえてくる。
 あたしでなければ、音の主は一人しかいない。
「お楽しみのところ、申し訳ありません」
 ――『アクマ』。


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