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持ち帰ったキャラで雑談 その二

376日常茶飯事:2008/08/07(木) 22:03:21
第一印象は挽き立ての挽き肉だった。
ぶらりと少女のの口元から垂れ下がっていたのは、紛れもない人のそれだった。
とさっ。
後ろに居るであろう早苗が落とした籠の音に少女が"食事"を止め、振り返る。
服の前は血で染まり、口の周りも同様に紅く輝いていた。
新しい獲物の存在に少女の瞳は爛々と輝き、鋭い牙を見せて笑う。
「ひっ…!」
後ろで早苗が小さく悲鳴をあげるのを聞きながら、すっと身を屈め、少女を睨む。
少女も何か異変を感じたのか、笑みを消して、警戒するように後ろに後ずさる。
(気付いたか…)
じわり、と染み出す様に影が背後から立ち上がり、イメージした姿を形成していく。
決まった形を持たない影ならではの、ハッタリだった。



「ふぅ…」
逃げていった少女を見送る紫は緊張した様に額の汗を拭った。
人の形をした妖怪が人を喰らう。
ここでは当たり前だったそれを、だが、実際目の当たりにして、足から力が抜けていく感覚に襲われた。
「まあ今度は自分で撃退出来るようになればいいことさ」
彼女の差し出した手を取れずに暫く困ったような顔を見上げる事しか出来なかった。
「あー…なんていうか、とりあえずあれはここじゃあ当たり前なんだけど…なんというか、
ほら、うちらって肉食べるじゃん?つまりはそれみたいな感じでえーと」
励まそうとしているのだろうが、段々と本人も何だか分からなくなっていく様子が変で思わず吹き出す。
驚いたように目を丸くし―彼女は本当に良く表情が変わる―、やがて釣られた様に笑いながら、再び手を差し出す。
「なにはとまれ、とりあえず帰ろう?」
伸ばした手は今度こそ彼女の手を掴む事が出来た。


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