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小説スレ
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:
スケイルエンド補完みたいなの
:2005/06/17(金) 22:13:29 ID:Z/FPomXM
「またいつか――きっと、会えますよね?」
誰に言うわけでもなく、ぽつりとスケイルは呟く。
……伝えたい人は、もう居ないのだから。
「あれ……」
いつの間にか頬を濡らしていた、温かな液体。
まさか、こんなものを流す日が来るとは、些かも思ってはいなかったのに。
止め処無く溢れるそれは、かつて思っていたよりも酷く塩辛かった。
「ふぇ……えぐっ……」
理解したとたん、今まで噛み殺していた嗚咽が漏れる。
短い間でも、ずっと傍に居てくれた人。一番大切な人。――一番大好きな人。
住むべき世界が違うなんて、初めからわかっていた筈なのに。
それなのに、今も眼を静かに瞑るだけで、過ごした幾夜が曇りなく鮮明に映る。
「ナナシ様……」
愛しい君の名を呟くと共に、溢れ出でる涙は更に量を増す。
霞んだ視界を凝らし、微かに温もり残る結晶を拾い集めて胸に抱いた。
――こうなるのなら、神になどなりたくなかったのに。
皆が幸せに満ちた中、ただ一人苦を背負い生きるなど、望んではいなかったのに。
もし、この身が有限ならば、想いなど自らと共に朽ち消えるであろう。
だが、『生』という概念を超越した神となり、人と竜人が互いを滅ぼす意義を失った今、
内因的にも外因的にも死を賜うことは永劫に叶わない。其れは同時に、永劫の枷をスケイルに科したに等しかった。
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