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小説スレ
10
:
スケイルエンド補完(ry
:2005/06/18(土) 07:32:32 ID:2hUjOw.6
だが、負わせたなけなしの傷はその一切が致命傷とはなっておらず、相変わらず有利とは程遠い。
残Willは最早1のみ。
Willが尽きれば、今度こそ手加減無用に『波動』が放たれるであろう。
そうなれば、如何なる足掻きも所詮延命に過ぎない。『再生』が切れたとき、完全なる敗北が決定する。
――それでも。
絶望の中、スケイルは杖を構える。
――それでも、私は戦わなきゃならない。
瞳に、消えかけていた闘志が再燃する。
もう、馬鹿らしいのは百も承知だ。
この身が力を尽くすまで、何度でも自分は対峙しよう。
意志力が漲り、杖を掴む両腕にさらに力が篭る。
――術式展開。
「『封印』っ!」
五芒星の呪縛が神の術式を妨害し、消失させる。
何かを喚いているのが聞こえたが、もうスケイルにそれを耳に入れている余裕は無かった。
杖を無数に奔らせ、呼吸が止まろうかというほどただひたすらに閃光を放つ。
傷をめがけ何度も何度も何度も何度も、幾重にも衝撃をぶち当てた。
「シャアアアァアアァアアアアアっ!」
血溜りの中、狂ったように神は悶え叫ぶ。
自らを蝕む何かを追い出そうと、必死に鉤爪を振り回す。
スケイルの攻撃も、熾烈を極めた。
最早どこにそんな精度があったのかと思うほど、一点にひたすら打撃を集中させる。
その表情は、まさしく修羅であった。
……だが、彼女は自分が肉の身であることを失念していた。
酸素を吸って筋肉を駆動するなどという非効率な器官が、永久機関となりえるはずがない。
次第に腕は過度の酷使に硬直し、其れに伴い衝撃波の本数も眼に見えて減少してゆく。
そして、とうとう腕の力が完全に尽き、スケイルは杖を取り落とした。
神は――まだ立っている。
ようやく止んだ衝撃の嵐に、神は安らかに笑んだ。
精一杯の嘲りを、その瞳に携えて。
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