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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 4●
486
:
1/8
:2012/04/30(月) 22:10:49 ID:???
・男と離れて初めて男の大切さが分かったツンデレの続き(
>>478-484
)
家に帰ると、ただいまも言わずに部屋に駆け上がり、制服のままベッドに飛び込む。
ずっと走って来たから息も上がっていたが、それ以上に心臓が締め付けられるようで、
私はしばらくベッドに横たわりながら悶絶していた。
「嘘……タカシが他の子とだなんて……そんな……」
今まで、意識しなくてもタカシが傍にいた事に、今更ながらに気付かされる。それが
どんどん遠くなって行くのを感じていた。
「もし、タカシから彼女が出来たなんて言われたら……」
想像するだけで、涙が出て来る。布団で顔を拭い、まだ決まった訳じゃないと自分に
言い聞かせる。
「でも……このまんまじゃ……手遅れになっちゃう……」
友子の言葉が脳裏を過ぎる。あの情報通の友子が言った事だけに、今となっては真実
味を増して聞こえてくる。今日、タカシにベタベタしていたあの子は、間違いなくタカ
シに気があるのだろう。でなければ、あんな風に腕を絡めて甘えるような仕草を取ったりしない。
「……自分から積極的に……だなんてそんな……」
それは、他人に取られたくなかったら、自分から告白しなさいという事なのだろう。
でも、そんな事恥ずかしくて言える自信ない。むしろ恥ずかしさに負けて、ついつい面
罵してしまいそうだ。そもそも、タイミングをどうすればいいのだろう、とか、どうい
う言い方をすればいいのだろうか、とか想像しつつ悶々としていたら、不意に携帯が着
信音を鳴らした。
「こんな時に……って、タカシからだ……」
他にも複数件、メールが来ていたが、全然気付かなかった。他の子には後で言い訳し
ようと思いながら、タカシのメールを真っ先に開く。内容は、今見てるテレビのお笑い
番組についてだった。私も好きで、同じクラスの時はよく話題にしてた番組だ。
「全く、人が悩んでるってのに、アイツってばのん気に何書いてんのよ……」
文句を言ってから、私は気付く。このままだと、こんなメールすらもう来なくなるか
も知れない。来ても、私にはあくまで幼馴染の友達としてのメールで、他の彼女ともっ
と親密なやり取りをするのだろう。私を優先してメールしてくれるなんて、それがどれ
だけ幸せなことか、私は今まで、全く気付きもしなかった。
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