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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 3●
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先輩は、顔を上げて私を見た。ちょっとめんどくさそうな表情なのが苛立つ。
「聞いてるよ。お前の言う事はもっともだけどさ。ちょっとくらい休んでからでないと能
率も上がらないって言うだろ? ダラダラ時間掛けて仕事するよりは、その方が早いかも
知れないぞ」
『先輩が能率よく仕事してるのなんて、見た事ありませんけど』
ピシリと言い返すと、先輩は思わず舌打ちをして渋い表情を見せた。雑誌から顔を上げ
て、やっと私を見てくれる。
「お前な。あんだけ会長の馬車馬のように働かされて、能率よく仕事出来なかったら毎日
帰れないって。正直、どう考えたって、俺が一番働かされてるだろ? おまけに、雑用ま
でたんまり押し付けられてさ。たまらんぞ」
『仕方ないじゃないですか。先輩が一番の下っ端なんですから』
キッパリと言い返すと、先輩は苛立たしげに頭を掻き、それから背もたれにドサッと体
を預けた。
「一番の下っ端てなあ…… 一応、副会長なんだぞ。俺は?」
『別名、会長の奴隷ですよね?』
冗談ぽく言って私は笑顔を見せる。しかし、内心では自分の言葉にキュッと僅かな痛み
を覚えていた。美人で聡明。凛とした立ち振る舞いで人気があるにもかかわらず、同時に
近寄りがたい雰囲気の会長と、それはちょっと特別な関係を意味しているのだから。
「全くだ。正直、よく務まってると思ってるよ」
うんざりしたように言う先輩を、私はジッと見つめた。私から見ても、それは確かにそ
の通りだと思う。だからこそ気になるのだ。果たして先輩は、会長をどう思っているのか。
だけど、臆病な私が口に出すのは、全然かけ離れた言葉だけだった。
『……前から思ってましたけど、別府先輩ってM気質なんですかね?』
すると先輩は、凄く嫌そうな顔をした。
「止めてくれよ。俺にそういう趣味はないぞ」
『だって、会長にこき使われても黙って付き従ってるじゃないですか』
私は、出来る限り冷静にそう言うと、パックのいちご牛乳を少し飲む。意外と、ちょっ
と核心に近づけたかなと先輩の返事を待つが、先輩はしばらく考えてから、小さく言った。
「……単に、逃げ出すのが嫌なだけなのかもな。実際、仕事回らなくなるのも事実だし」
『へえ。先輩って、そんなに責任感が強い人だなんて知りませんでした。正直、驚きです』
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