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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 3●

5746/8:2010/11/17(水) 20:40:45 ID:???
「よし、じゃあそれをしてみよう。あ、一応言っておくが嘘だったら分解」
『嘘じゃないのじゃ! すぐに分解しようとしてはいかんのじゃ! 貴様は軽く言っておるがこちらは毎回怖くて泣きそうになるんじゃぞ!?』
「わはははは!」
『わはははじゃないのじゃーっ! もーっ、いいから使役の契約をするのじゃ! この祠に手を置くのじゃ』
「ん、こうか?」
『そう。そしてこう唱えるのじゃ』
 少し間を置いて、妖狐は小さな声で呟きだした。
『……一二三四五六七八九十 布留部 由良由良止 布留部』
「え、えっと……ひと ふた み よ いつ む なな や ここの たり ふるべ ゆらゆらと ふるべ」
 奇妙な言葉の羅列を紡ぐ。意味は分からないが、何か懐かしいような、心に染み入るような、不思議な言葉だ。
「熱ッ!?」
 そんなことをぼんやり考えていると、手に衝撃が走った。見ると、手の甲に何やら紋様が浮かんでいた。
「うわ、中二病だぁ……」
『また分からぬ単語を……これで、ワシは貴様の使役獣じゃ。不本意じゃが、以後よろしくの、ええと……貴様のことをなんと呼べばいいかの?』
「ご主人様一択で」
『…………』
 とても不本意そうだが、俺は大満足。
『と、とにかく契約を果たしたので、早く出してほしいのじゃ。とっととこんな暗がりからおさらばしたいのじゃ!』
「あー……まあいいか」
 ちょっと怖いが、契約とやらをしたので大丈夫だろう。祠をガンガン蹴って破壊を試みる。
『そうじゃ、その調子じゃ! 頑張るのじゃ、ご……ご主人様!』
「フヒヒィ、フヒヒィ!」
『怖いのじゃあーっ! 明らかに契約相手を間違ったのじゃあーっ!』
 なんか言ってるけど、ご主人様ぱぅあーにより祠の支柱の破壊に成功。
『おおっ! ついに……ついに解放される日が来たのじゃ!』
 妖狐の幽体が祠に吸い込まれ、そして次の瞬間、盛大に煙と祠の破片を撒き散らし、祠から妖狐が姿を現した。
「ふふ……ふわーっはっはっは! とうとう、とうとう解放されたのじゃあーっ!」
「うるさい」
「ふぎゃっ!」
 目の前で嬉しそうに叫んでる迷惑な妖怪の頭を軽く叩く。




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