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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 3●
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『おい、童。ワシの声が聞こえているなら返事せい。おい』
「しっかし、困ったなあ……ちょっと前にあったチリの落盤事故はたしか地下700mくらいだったけど……ここはどのくらい深いんだろうか」
『ワシの話を聞けッ!』
どうにも幻聴がうるさい。それはそうとして、そろそろ目が治ってきた。ゆっくり目を開けると、薄ぼんやりとした女の子が目の前に。
「うわあっ!?」
『わひゃあっ!?』
俺がびっくりしたら、それに呼応して女の子も驚いた。
『な、なんじゃ、なんじゃ!?』
「いや、目を開けたら人がいてびっくりした。終わり」
『そ、そうなのかえ……あー、びっくりしたのじゃ』
女の子はほっと胸をなでおろした。中学生くらいだろうか。白い袴のようなものを纏っている。どうしてこんな地下にこんな子が? ……実際に聞くか。
「ていうか、なんでこんなところに人が?」
『人ではない。妖狐じゃ』
「ようこそようこ?」
『ぬ?』
……いやいや、何を普通にボケているか。そうじゃない。妖狐……妖怪? 狐の?
「ここでまず信じる信じないの選択があるのだろうけど、面白そうなので信じる一択で!」
どうしてだろう、そこはかとなく妖狐が引いてる気がする。見ず知らずの妖怪を引かせる己の会話センスに惚れ惚れする。
『そ、そうかや。それなら話は早いのじゃ。死にたくなければ祠を破壊せい』
「まあまあ、その前に質問させてくれ。妖狐ってのはアレですか、玉藻前に化けた九尾の狐とかっていう有名なアレですか」
『ああ、この島国でそういうのがおったらしいのぉ。ワシは大陸におったので詳しくは知らんが、噂は届いておったぞ』
大陸……中国か。てことは中国産の妖狐か、コイツは。
「その大陸の狐がどうして日本の地下深くにいるんだ? 祠ってことは……封印か何かされてんのか?」
びくん、と妖狐が一瞬はねた。
『な、なんのことかちっとも分からんのじゃ。さっぱりなのじゃ』
「嘘が下手すぎです」
『う、嘘なんかじゃないのじゃ! 封印もされてないのじゃ! それとは全然関係ないのじゃが、祠を破壊するのじゃ!』
「祠を壊すと解放されるんですね」
『ぬなっ!? き……貴様、ワシの心が読めるのかや!?』
「妖狐ってのもピンキリでダメな妖狐もいるんだなあ。初めての妖怪がダメなのかぁ。少し残念だ」
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