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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 3●

5561/5:2010/10/18(月) 22:47:21 ID:???
【婦警さん】

 近頃朝方が寒いので布団のありがたみも増し、結果寝坊。こいつは大変にいけないと思いながら自転車を必死に漕いでたら、交差点で何かとぶつかった。
「いたた……こらーっ! 危ないじゃないの!」
「あーっ! おまえはさっきの転校生!」
「違うっ!」
「確かに。順番と職業と年齢を間違えた」
 俺がぶつかった相手は同い年の転校生などではなく、青い制服に身を包んだ婦警さんだった。警察学校を出てすぐなのだろうか、俺とそう変わらない歳のように見える。向こうさんも自転車に乗っていたようで、近くで自転車が転がっていた。
「気をつけろ……機嫌を損ねると腰のマグナムが俺の心臓を撃ち抜くに違いねえ!」
「マグナムなんて物騒なもの持ってないわよ! ていうか、そもそも撃たない! キミねえ、あんまり変なこと言ってたら公務執行妨害で逮捕するわよ?」
「うっうっうっ……」
「泣きながら両手を差し出すなッ!」
「どうしろと言うのだ」
「こっちの台詞よ……はぁ、朝から変なのに捕まっちゃったなあ」
 婦警さんは疲れたように肩を落とした。
「警官なのに捕まるとは洒落が利いてる。はっはっは」
「うるさいっ! もーいーから行きなさい。キミ、学生でしょ? いいの? 遅刻しちゃうわよ?」
「婦警さんに誘惑されたと言い張って遅刻から免れるから大丈夫だ」
「ちっとも大丈夫じゃないっ! ていうか、そんなので遅刻は免除しないと思うわよ!」
「どんなエロい誘惑をされたか、先生に詳しく説明するから大丈夫だ。なに、こう見えても趣味で小説を書いてる。そういった描写は得意だ」
「誰もそんな心配はしてないっ! あーもーっ、早く行けっ!」
「警察官に追い払われるとは。なかなかに悲しい出来事だ」
「いーから早く行きなさい。まったくもぉ……あ痛っ!」
 失意のどん底に落ちながら自転車に乗ろうとしたら、婦警さんが突然声をあげた。
「どしました?」
「な、なんでもないのよ、なんでも。いいからキミは早く学校行きなさい」
 婦警さんは俺の目から逃れるように右足を後ろに回した。だが、その程度で俺からは逃れられない!
「ククク……婦警さんもまだまだ甘いようで。この俺様に隙を見せるとはなぁ……」
「な、何よ。何をする気よ!」
「弱って動けない獲物を前に、何をするかだなんて……答える必要もあるまい?」




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