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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 3●
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「分かってるよ。イヤだって言っても聞いてくるんだろうし、俺もそれで教えて貰えな
くなったら困るからな。ちゃんと、委員長でも分かるように教えてやるから」
『何それ? まるでボクが理数系はまるでダメみたいな言い方じゃない。失礼しちゃう』
ボクの抗議に困った顔をする別府君に、とうとうボクはおかしくなって笑顔を見せてしまった。
『ま、いいよ。とにかく、楽しないで、ちゃんと努力する所を見せてよね。分かった?』
「分かったよ。ま、出来る範囲で、だけどな」
別府君と別れてから、ボクは浮かれた気分で家への道を歩いていた。しかし、途中で
フッと、その気持ちが不安に変わる。
『努力……かあ…… 偉そうな事、言っちゃったけどな』
動機で言えば、ボクの努力は不純だとも思う。だって本当は、別府君と一年でも長く、
同じクラスでいたいから。そして、出来れば同じ大学に入って、最低四年は一緒に過ご
したいから。
『けど……ボクも、逃げちゃいけないんだよね……』
将来に想いを馳せれば、それでも、あと五年半しかない。もし、一緒の大学に行けな
ければ、一緒にいられるのは一年半だ。その一年半で、週に最低一度、二人きりの時間
を作ることが出来たのは、神様がくれたチャンスなのかも知れない。
『ボクも……努力、しなくちゃね。勉強じゃなくて……ちゃんと、ボクの気持ちを……
別府君に、伝える努力を……』
その結果がどうだろうと、だ。浮かれ気分を引き締め、心臓に拳をグッと強く押し当
てて、ボクは心に誓ったのだった。
おしまい
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