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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 3●
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ちょっとうんざりした別府君の口調に、ボクは顔を上げた。どうとも判断の付かない
言葉だが、臆病なボクの心は、不安の方に気持ちがぐら付く。しかし、別府君はすぐに
言葉を続けた。
「ま、受験とかってそういうものだしな。いっそ強制的に時間とか決められた方が、自
己管理しなくて楽でいいか。それに、委員長がいれば、英語や古文も教えて貰えるしな」
『ちょっと!! 何、それ? 誰も教えてあげるなんて言ってないじゃない!!』
そう抗議したが、ボクは内心、すごく嬉しかった。別府君がボクの申し出を受け入れ
てくれた事に。そして、これから毎週一回は、彼と一緒に二人だけの時間を過ごせる事に。
「分からない所があれば、調べるなり人に聞くなりするのも努力のうちだろ? だった
ら、得意な奴に聞くのがもっとも手っ取り早いだろ」
正論ぽく押し込まれると、ボクは頷かざるを得なかった。もとより、ボク自身が本当
は、頼りにされるのは嬉しかったから。
『う……それはそうだけど…… でも、最初からボクを頼りにするのはダメ。どうして
も分からなかったら、その時は仕方なく教えてあげるけど、でも、ボクに聞くのは最後
の手段だからね。いい?』
強がってそう言うと、別府君は頷いた。
「分かってる。あんまり頼りにすると、それはそれで、また怒られるからな。それは鬱
陶しいし」
別府君の言葉が、ザクッと胸を刺す。自分でも何となく分かってはいるけど、ボクの
お説教は、やっぱり鬱陶しいのか。しかし、その心を隠して、ボクは強気に言い返す。
『ボクだって、したくてお説教してるわけじゃないの。別府君がだらしなかったりいい
加減だったりするから、ついつい言っちゃうんだから。自分が悪いんだからね。ちゃん
と反省してよ』
「はいはい。分かってるって。反省すればいいんだろ?」
『ほら。またそうやって適当に流す。別府君はそういう所が一番いけないんだからね』
「ちぇっ。全く、どう言えば委員長に許してもらえるんだか」
苦り切った顔の別府君に、ボクは思わず顔を綻ばせそうになってしまう。それをグッ
と堪えると、また厳しい顔つきに戻って言った。
『あと、英語や古文を教えるのはいいけど、その代わり、別府君もボクに数学や物理を
教えてよね。ボクだって、少しでも上の大学に行けるよう、努力するんだから』
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