レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。
●事情によりこちらでSSを投下するスレ 3●
-
ボクは、大仰に首を左右に振ってそれに答える。
『別に。ただ、楽してるなーって。別府君なら、もうちょっと上の学校を狙えるのに。
本来なら、滑り止めに選ぶ所じゃないの?』
「何も、無理してレベルの高い大学を狙う必要はないだろ。受験料も無駄になるしな。
俺は、確実性の高い大学を選んでるだけだ。浪人して、もう一年勉強漬けになるのは勘弁だしな」
別府君らしい合理性だとは思う。それに美府理大は、別段低レベルと言う訳でもなく、
施設も揃っているし、何人かは有名な教授もいるらしい。ボクも、志望校に選んだ以上、
さすがにその程度は調べた。とはいえ、引っ込みの付かなくなってしまったボクは、別
府君の言葉に納得するわけには行かなくなっていた。
『だったら、せめて一つは、チャレンジする大学を受けてみてもいいんじゃないの? 今、
ここで勉強しておく事は、絶対無駄じゃないと思うんだけど』
「受験の為だけの勉強が、将来に役立つとは思えないな。それに、上の大学はセンター
必須だろ? 英語や国語が足を引っ張るから、どうせそこで上には行けないさ」
サラリと言ってのける別府君を、ボクは意地でも説得したくなった。意味のないとこ
ろでムキになるのは悪い癖だと自分でも分かってはいるのだけど、どうしてもしないで
はいられなかった。
『苦手なものがあるなら、克服しないと。ボクだって、そうしたいから理系に進むんだ
もの。キミ一人だけ、逃げようとするなんて、ズルイと思う』
「は? いや。よく意味が分からん。俺が、何に逃げてるって?」
『だから、苦手な物からだってば。今の実力じゃダメでも、一年努力すればどうなるか
分からないのに。最初から限界を決め付けるとか、そういうのは、良くないと思う』
ボクは、別府君の進路を遮るように前に立つと、両手を腰に当て、いかり肩で別府君
を睨み付ける。別府君は立ち止まると、困った顔でボクを見つめる。
「じゃあ、何だ。委員長は、俺がどこの大学を受験すれば気が済むんだ? そこを受け
るって言えば気が済むのなら教えてくれ」
その言葉から、ボクは別府君がこの場を適当に流そうとしていると感じて首を振った。
『別に、どこの大学ならなんてのはないよ。けれど、別府君の実力なら、もっと高いレ
ベルの大学が目指せるはずだと思ったから、そう言っただけだもの。具体的な大学名は、
先生にでも相談して決めてよ』
|
|
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板