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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 3●

5225/6:2010/09/25(土) 00:14:31 ID:???
『でもさ。別府君の志望校は知ってたよね? あたしが知ってたくらいなんだし』
 友香の指摘に、グッと言葉が詰まってしまう。知らなかったと言いたかったけど、ど
うせウソ臭くなってしまうし、友香に掛かればあっさりと見破られてしまうだろう。だ
けど、沈黙は頷いたも同じだった。
『やっぱり。知ってて書くって事は、やっぱり意識したんじゃないの?』
 ボクの肩から手を離すと、友香はクルリとワザとらしく回ってボクの前に立ち、人差
し指で顔を指した。ボクは、うううっと唸りつつも、反論を何とか試みる。
『だ、だって別府君が同じ志望校だからって、変える方が悔しいじゃない。大体、そこ
まで嫌じゃないし。それに受かるかどうかも分からないでしょ?』
 友香は、うんうん、と頷きながらボクの言葉を聞く。それから、大げさにため息を吐
いて言った。
『ま、悠がどんな理由だろうと構わないけどね。でも、やっぱり親友より男を取るかあ……
いーな。恋愛にそこまで賭けれるってさ。あたしもそんな恋、したいよ』
『人の話、これっぽっちも聞いてないでしょっ!! この、バカ!!』
 友香の勝手な言葉に、ボクは真っ赤になって怒鳴った。友香は、アハッと可愛らしく
笑ってそれをかわすと、ボクの顔を見つめて聞いてきた。
『……ところでさ。悠、今日は暇よね?』
『さも当然のように言わないでよ。まあ……暇だけど……』
 何かちょっと、認めるのが悔しいなと思いつつ、ボクは頷く。すると友香は、笑顔で
こう提案してきた。
『それじゃさ。今から悠の頑張ろう会って事で、ミスド行こう。ね?』
『は?』
 ボクは思わず怪訝そうに聞き返す。ボクの頑張ろう会って、意味が分からない。来年
が受験生なのは、友香も同じなのに。
『いや。だからさ。恋の為に敢えて茨の道へと踏み出す悠をさ。励ましてあげないとっ
て事よ。うん』
 腕組みをして頷く友香に、ボクは噛み付かんばかりに反論する。
『だから、恋の為じゃないってば!! 何度言ったら理解すんのよ!!』
 しかし、友香は頷いただけで、ボクの怒りをサラッと流してしまうと、ボクの手を握っ
て歩き出す。




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