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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 3●

5214/6:2010/09/25(土) 00:14:06 ID:???
『あ……当たり前じゃない。そんな事……』
『今、ちょっと声のトーンが下がったね?』
『下がってない!! 友香は先入観持ち過ぎなの。勝手にカップリングして妄想するの
はともかく、それをボクに押し付けないでよね』
 どうして友香には、いつもいつも、ボクの心が見透かされてしまうんだろうかと、ボ
クは不思議に思う。単にボクが単純なだけなのだろうか。それとも、さすがに付き合い
が長いだけに、ボクの性格を隅々まで知り尽くされているからだろうか。
『はいはい。じゃあ、そういう事にしとくとして、一つだけ教えて?』
 すんなりと頷くと、友香は人差し指をピトッとボクの鼻の頭に当てて、軽くクリクリ
と弄る。ボクはそれを振り払おうと身悶えしたが、肩を抱きかかえられていては、腕を
自由に動かす事すらままならなかった。まるで、連行されている捕虜みたいだ。
『ボクの顔をおもちゃにしないでってば!! とりあえず、離してよね。話はそれから』
 そう言っても、友香は全然腕に込めた力を緩めようとはしなかった。
『悠がちゃんとあたしの質問に答えたら、離してあげる。でないと、逃げられちゃうか
も知れないしね』
『逃げたりなんてしないってば。それにどうせ、今逃げたからって、この先も友香から
は逃げられないんだから』
 不機嫌極まりない口調で答えると、友香はウンウン、と頷く。
『さすが、付き合い長いだけあるわねー。褒めてあげるわ』
 今度は、頭をグリグリと手で撫で回された。さすがのボクも苛立ちが頂点に達する。
『鬱陶しいっての!! いいから、質問あるなら、早く言ってよ』
 声を荒げて急かすと、友香は片手でまあまあという仕草をしつつ、頷いた。
『ゴメンゴメン。じゃ、聞くけどさ。悠の志望校って、美府理科大じゃない?』
『何で知ってんの?』
 咄嗟に聞き返して、ボクは心の中でしまった、と思った。案の定、友香はしてやった
りの笑顔を浮かべて、ボクの肩をポンポンと叩く。
『ほうら。やっぱり別府君と同じ志望校じゃん』
 友香の指摘に、ボクの顔がカーッと熱を帯びて行く。
『そ……それはたまたまなだけだってば!! ボクの今の学力だと、美府理大がちょう
どいいくらいなんだから、そうしただけで……』




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