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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 3●

5181/6:2010/09/25(土) 00:12:48 ID:???
(自炊)男の進路が気になるツンデレ その2

『はい、どうぞ』
『あ、すみません』
 国語科準備室に行くと、本当にお茶とお茶菓子が出て来た。もう出されてしまったも
のを断る訳にも行かないし、ボクは恐縮して頷く。
『これ、主任先生の出張みやげで“なごやん”っていうお菓子なの。先生も食べたけど、
美味しかったからさ。食べて食べて』
『い、頂きます……』
 一口、お茶を飲んでからお菓子を一つ貰い、封を開けて口に入れる。カステラみたい
な生地のお饅頭で、中は白餡が詰まっており、和菓子独特のほんのりとした甘さが口の
中に広がる。
『どお? 美味しいでしょお? まだあるから、遠慮しないでね』
『あ、はい……』
 口直しにお茶を口に含みつつ、ボクはうっかりすればまだ高校生に見えなくもない、
童顔の担任を見つめる。一瞬、用事と言うのは、本当にお茶をご馳走する為だけに呼ば
れたのかと思ってしまうくらい、何かのんびりした気分にさせられてしまう。すると、
油断した所で、先生がいきなり切り出した。
『それで、今日呼んだのはね。先生、ちょっと一杉さんにお話があるの』
『え? あ、はい』
 うっかり緩みそうになった心のタガを締め直すと、ボクは姿勢を正して先生を見つめ
た。すると先生は、笑顔で手を軽く振る。
『そんな、緊張しなくってもいいから。もうちょっとリラックスして』
『は、はい』
 そうは言っても、進路の話だって分かってる以上、緊張せずにはいられない。先生は、
書類の束から、一枚の紙を抜き出した。
『話って言うのは、これの事』
 先生が、ボクに進路希望票を示して見せる。そこには、一昨日の夜に、朝までかかっ
て悩んだ末に書いた進路先が書かれている。
『はい』




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