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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 3●
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別府君の意見に、そう説教しつつ反論すると、別府君は鞄を持ったまま、器用に両手
を組んで後ろ頭に当て、ストレッチをするように体を逸らす。
「そんな、深く考える事もないと思うんだけどな。英語ってそれだけでスキルになるじゃ
ん。選びようによっては、役立つ分野だと思うけどな」
『別府君みたいに、ボクは単純な思考回路じゃないの。こればっかりは、ちゃんと考え
て選ばなくちゃいけないんだから』
偉そうに言うと、別府君は肩を竦めて言った。
「ま、こればっかりは俺がどうこう言う問題じゃないからな。まあ、しっかり考えてか
ら決めればいいんじゃないのか? どうしても提出期限に間に合わなさそうなら、先生
にでも相談すりゃいいし」
『言われなくても、ちゃんと考えて決めますよ。別府君と違ってね』
最後につい、余計な一言を付け加えてしまったが、別府君はただ、もう一度肩を竦め
ただけだった。
その夜、進路希望票を机の上に置きつつ、ボクは何度もため息を吐いていた。
『……どうしようかな……』
昼間、別府君には偉そうな事を言ったが、ボクは未だ、文系か理系かすらも決めてい
なかった。決められなかった。
『どう考えても、成績的にはこっちなんだけどな……』
ボクの成績は、圧倒的に英語と古文、現代文に偏りがちである。歴史の成績は世界史
日本史問わず水準以上。一方、理数系となると平均点を取るのがやっとである。
『どのみち、センター試験受けるから、全部勉強はしなくちゃいけないんだけどさ……』
いや。もっと楽な方法もある。先生は、ボクの成績なら推薦で合格出来るんじゃない
かと言っていた。勧めてくれた大学は、私立だが、そこそこ難関に位置する大学だ。
『別府君なら、迷わず推薦選ぶよね……』
また、彼の顔を思い出して呟く。そう。ボクがこんなに悩んでいるのも、全部別府君
のせいなのだ。
『別府君は……平気なんだろうな…… 3年になって、理系と文系でクラスが分かれて、
ボクと違うクラスになっちゃっても……』
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