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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 3●
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ボクの兄が去年だか一昨年だかに就職活動をしていたけど、似合わないスーツを着て
会社説明会や面接に出掛けたり、ネットでいろいろと情報集めたりエントリーしたり、
友達と情報交換したりしていたりして、本当に地道で大変そうだなと思った。あの兄が
出来て別府君に出来ないとは思えないけど、でもやはり想像は付きづらい。
「悪かったな。それに、どのみち進路票の提出って明日だろ? 今更変えるのもバカバ
カしいしな。俺には多分、こっちの方が合ってるんだろう」
別府君の言葉に、もう答える気力も無く、ボクは俯いて歩く。このままだと、別府君
は間違いなく理系クラスに行ってしまうだろう。ボクの進路とか関係無しに。いや。気
にする方がおかしいのかも知れないけど、それでもボクは気にして欲しかった。
「ところで、委員長は進路票はもう出したのか?」
何気ない問いに、ボクは反射的に顔を上げて別府君を見つめた。真顔でボクを見下ろ
すその視線とまともにぶつかってしまい、一瞬ボクの思考から全てが飛んだ。
『え……?』
「いや。だからさ。進路票、出したのかって」
その言葉に、ボクはようやく我に返る。慌てて視線を逸らし、俯いたまましばらくど
う答えようか迷ったが、結局ボクは、正直に答えてしまった。
『えっと……その……まだ……』
「珍しいな。委員長が、提出物をギリギリまで出さないなんて。いつもは出したか出し
たかって、人にせっつく方なのに」
ちょっと驚いた声の別府君に、ボクは顔を上げて睨み付ける。
『うるさいな。さっきも言ったけど、進路ってすごく重要な事なんだから、ただ書いて
出せばいいってもんじゃないの。君みたいに適当には決められないんだから。分かる?』
すると、別府君の口が一瞬開きかけ、そして閉じた。何か言い返そうとでも思ったの
だろうか。でも、少しして別府君の口から出た言葉は違っていた。
「委員長はさ。英語が得意なんだし、言語学とかそっちの方に進んだ方がいいんじゃな
いか? 好きなんだろ? 英語」
『そんな、得意だからとか好きだからとか、その程度で短絡的に決めるものじゃないで
しょ? 言ったじゃない。進路って将来の人生に係わる重要なものなんだから。大学は
それでいいかも知れないけど、語学が生かせる職なんて限られてるんだし』
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