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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 3●

311/7:2010/04/27(火) 21:04:30 ID:???
【金欠ンデレ】

 物を書いて飯を食うようになって早数年。近頃はどうにか書き物だけで暮らしていけるようになった。
 なわけで、家でぽちぽちとキーボードを叩いてたら、インターホンが鳴った。今は家政婦さんは買い物に出かけているようなので、もったらもったら受話器のあるとこまで移動する。
「はいはい」
『…………』
「ええと、どなたでしょうか」
『……開けろ』
「ははーん。強盗だな? 困ります」
『いいから早く開けなさいこの馬鹿ッ!』
「ひぃ」
 とても怖かったので受話器を戻して部屋に戻りガタガタ震えてると、携帯が鳴った。このアニソンは……!
「智恵理か! ちょうどよかった、いま俺の家に強盗が入らんと企んでいるみたいなんだ! お前の無駄にある暴力性を発揮する時だ、蹴散らしてくれ! 後の始末は俺に任せろ、ただ死体は原型を留めておいてくださると何かと助かりますが、無理なら好きにしろ」
『アンタはあたしをなんだと思ってんのよ!』
「無手での殺しを得意とする学生。握力500kg」
『ただの学生よッ! あと、不満だけど、アンタの仕事仲間!』
 智恵理は学生という身分でありながら俺の小説の挿絵を描いてくれているすごい奴で、俺の大事な仲間だ。
「で、そのゴリラ仲間が何の用だ?」
『アンタの嘘説明が混じってる! ただの仕事仲間よ! んなことより、早く開けなさいよ!』
「何を?」
『玄関のドア! いつまで待たせるのよ!』
 ドアとな。玄関の方まで行き、耳を澄ます。
『早くしなさいってば!』
 携帯から聞こえてくる声と、表から聞こえてくる声が一致。ここから導き出される答えは……!
「智恵理、大変だ。玄関先の奴が、お前と全く同じこと喋ってる! すごい偶然が今ここに!」
『あたしがアンタの家の前で携帯で喋ってるの!』
「実は玄関のくだり辺りから分かってたんだ」
『…………。早く開けないと殺す』
 死ぬのは嫌なので震えながら玄関のドアを開ける。拳がお出迎えとはどういうことだ。




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