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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 3●
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「ど、どうでしょうか?」
「ちょ、ちょっと大きいな……でも、似合ってるよ」
「ほ、ほんとですか?」
そう言うとかなは「えへへぇ……」と、頭を掻きながら照れ笑いをした。
不覚にもその笑顔で胸がキュンとなってしまう。
さっきは冷静に似合ってると言ったが、実際は頭がパンクしてしまいそうなほどの破壊力だ……
腕は袖で完全に隠れ、だぶだぶで肩からズレ落ちそうなジャージが妙に色っぽい。
――あ、あの下は下着一枚なんだよな……?
俺はゴクリと唾を飲み込んだ。
かなのほうをちらりと見ると、だぶだぶのシャツを引っ張ったりいろいろいじくっていた。
「それにしても、長袖のジャージしかなかったんですか? ちょっと暑苦しいです」
「え、ああスマン」
「まあ、別にいいですけど……それよりこのジャージ、きちんと綺麗にしてあるんですよね?」
かなは匂いでも確かめるかのように両手の袖口を顔に近づけると、スンスンと息を吸った。
「洗濯はちゃんとしてあるから、別に臭わないと思うけど?」
「うーんそうですねぇ……」
そう言うとかなは目を閉じて再び、今度は大きく息を吸った。
すると、だんだんと顔が赤くなり、「タカの匂いがします……」とだけ一言呟いた。
「え、マジ? おかしいなあ。嫌なら別のやつ持ってくるか?」
「あ、いえ。いいんです! 我慢しますから……うふふっ」
彼女は顔をニマニマと綻ばせながら、またスーッと大きく匂いを嗅いだ。
気になるなら匂いなんか嗅がなければいいのに……
俺はなんとなく窓の外に目をやると、先ほどまでザーザーと降っていた雨は既に止んでいるようだった。
「なあ、雨やんだみたいだな?」
「……そうみたいですね」
「帰るなら家まで送るぞ?」
「じゃあ、お願いします」
かなはぺこりと頭を下げた。
相変わらず、幼馴染の俺に対しても礼儀正しいやつだ。
「よし! じゃあ行くか?」
「はい……えっとあのー、タカ?」
「ん?」
「このジャージ……」
「ああ、後で適当に返してくれればいいよ」
「そ、そうじゃなくてですね……えっと、貰っちゃだめですか?」
「はぁ? ……なんで?」
さっきまで『精神がすり減る』とか『臭う』とか言っていたので、俺はかなの真意がイマイチ掴めなかった。
「ジャ、ジャージが欲しいとかそういうわけじゃなくてですね!
私が一度着たものをタカに返すのが、単に恥ずかしいだけです……」
「ああ、そういう事なら俺はもう着ないし、かなの好きにすればいいよ」
「そ、そうですか? それじゃあ、お言葉に甘えて貰っちゃいますね」
その時のかなの笑顔は、いつにもまして一段とかわいかった気がする。
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