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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 2●
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――血……!?
自分のじゃない事は分かってる。私は慌てて別府君の方に向き直った。
『別府君。あなた……手、怪我してない?』
すると別府君は、意外と平気そうな顔で手を顔の前に持って来た。
「ああ、これ? こけた時にちょっと擦り剥いたらしいな。ま、これくらいの傷ならしょっ
ちゅうだし、舐めとけば治るだろ」
『ダメよ。雑菌でも入ったらどうするの? ちょっと動かないで』
まるで使命感に駆られたかのように、私は急いで自分の鞄から、携帯用の消毒液と絆
創膏を取り出す。
『ホント。こういう所がいい加減なのよね。別府君って』
強引に別府君の手を取り、傷口を見る。地面に擦った傷が、小指の付け根から手首の
辺りの手の側面に付いていた。これでは絆創膏は使えない。私は消毒液を噴射し終える
と、自分のハンカチをポケットから出して広げ、それを傷口を覆うように当てると、手
に巻いて反対側で結んだ。
『はい。外れないように注意して。それと、家に帰ったら、ちゃんと手当てし直すのよ』
「いや、ホント申し訳ない。何から何まで」
『謝るなら、自分のガサツさを反省しなさい。それと、そのハンカチは返さなくていい
から。出来れば捨てちゃって』
下手に洗って返されたりして、それを他の女子に見られたら一斉に噂になってしまう。
実は椎水はツンデレでした、なんて事が広まったら目も当てられない。
「……うん。分かったよ」
私は、別府君の全身を、ざっと眺め回す。他に怪我をしているところは無さそうだ。
足もちゃんと、庇うことなく立っているし。大怪我しなくて本当に良かったと思いなが
ら、小さく頷き私は彼に背を向ける。
『それじゃ、私は帰るから。今度からは気を付けて運転しなさいよ。向こうが悪いって
言ったって、ぶつかったら痛い目見るのは自分なんだからね』
「そうするよ。今日は本当に……有難うな……」
しかし私は、もう振り返ることなく早足でこの場を立ち去ったのだ。
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