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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 2●
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その声に、私は首を捻って後ろを見た。倒れそうになった私を支えてくれたのは別府
君だった。
「大丈夫か? 一度、それを降ろして」
『う……うん……』
支えられている事に安堵感を感じつつ、私は荷物を下に降ろした。その途端、支えて
くれた別府君の手が私から離れた。
「全く。女の子なんだからさ。無理しないで、重い物は俺に頼めば良かったのに」
別段、咎めた口調では無かった。しかし私は、荷物を上の棚に収める彼の背中に向け
て、つっけんどんに答えた。
『今度からそうするわ。ありがとう』
そう言って、彼に背を向け、倉庫整理の仕事に戻ろうとした。その背後から、別府君
の声がした。
「あの……椎水さんさ……」
『何? さっさと作業に戻らないと、サボってるって怒られるわよ』
バッサリと切り捨てるような口調で聞き返しつつ、私はさっさと片付けに戻る。少し
の間を置いてから、別府君が言葉を続けた。
「あのさ…… 俺、何か気に食わない事とかしたかな?」
その質問で、彼が何を聞きたいのか、私には大体理解出来た。しかし私は、ワザとし
らばっくれるような問い返し方をする。
『何で……そんな事を聞くの?』
「何でって…… 椎水さん、俺の事を嫌ってるみたいだからさ。もし原因があるなら、
教えて貰いたいと思って」
『それを聞いてどうするの? 直せば好かれるとか思ってる?』
反射的に思った事を口に出してから、私は非常に嫌な言い方だと自己嫌悪に陥る。さ
すがに気になって、肩越しに振り返って彼の顔を窺う。予想通り、困ったような傷つい
たような顔をしていた。彼は小さく首を振ってから、決然とした口調で言った。
「まさか。そこまで上手く行くなんて思ってないさ。ただ、理由も分からずに嫌われる
のって、気になるじゃん。だからさ。せめて、気に食わない理由だけでも知れたらいい
なって。もしかしたら、他の女子にも不快な思いさせてるかも知れないし」
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