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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 2●

7904/7:2010/03/14(日) 22:47:10 ID:3aJ5EakI
 また、こういう事もあった。たまたま偶然、私と別府君の委員が被ってしまったのである。
『体育委員? 何で私がそんなのに選ばれたのよ』
 熱を出して休んだ翌日、学校に来て私はいきなり、友人からそんな報告を受けた。
『新学期早々、しかも委員を決める日に休むアンタが悪い。体育委員なんて、一番めん
どくさいんだから、余るに決まってるでしょうに』
『それにしたって、何で運動オンチの私なんかに……』
『別に体育倉庫の片付けとか、グラウンド整備とか、運動の出来る出来ないは関係ない
し。本当はクラス委員長にって話もあったけど、先生がそういうのは欠席者はダメって
言うからそうなったのよ。どっちが良かった?』
『う…… まあ、体育委員の方が、まだマシかな?』
 委員長ともなると、集会時やロングホームルームでのクラスのまとめ役や会議の出席
など、仕事は多岐に渡る。はっきり言って各教科やその他雑用の委員などとは比較にな
らない仕事の多さだ。
『でもまあ、かなみにとってはそうも言ってられないかな』
 思わせぶりな彼女の言葉に、私は眉を顰めた。
『ちょっと待って。それ、どういう事?』
 すると彼女は、私の耳に唇を近付けて、声を潜めて言った。
『男子の体育委員がね。別府君なの』
 それを聞いた途端、私の全身が一瞬、鋼のように硬直した。わずかにビクン、と体が跳ねる。
『何でまた、そんな事になったのよ』
 心の中の動揺を覆い隠し、努めて冷静に私は聞き返す。
『普通にクジ引きで負けたのよ。どう? 委員長の方が良かったって思ったりする?』
 ちょっと意地悪な質問を彼女はぶつけてきた。私は心を落ち着かせようと小さくため
息を吐いて、首を左右に振る。
『別に。どうでもいいわ』
『ありゃ? もうちょっと嫌がるかな、とも思ったのに』
 何か少し残念そうな友人を見据えて、私はつまらなそうな態度を取る。
『係わらなければいいだけでしょ? 仕事なんて任期中にそうある訳でもないし、それ
だって、何も協力して仕事しなきゃいけない訳でもないんだし。それくらいなら我慢出
来るわよ』




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