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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 2●
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・ツン100%ツンデレ
私には、クラスでたった一人、苦手な人物がいる。
別府タカシ君という、男子生徒だ。
「よう。おはよう、椎水さん」
朝のホームルーム前、登校してきた彼と教室の入り際に行き会い、声を掛けられた。
しかし私は、そのまま答えることなく、彼に視線も合わせずに席に着いてしまう。
後ろで、彼と一緒にいた友人の男子生徒の声が聞こえた。
「あらら。椎水にまたシカトされてんのかよ。つか別府もよく声掛けるよな。完全に嫌
われてるってのによ」
その質問に、彼は気にしてない風に答えた。
「まあ、挨拶くらいはな。向こうが返事するしないは関係ないって。こっちの気の持ち
ようだからさ」
「へえ。立派なやっちゃな」
その言葉を聞いて、私の胸が少し、ジン、と痛んだ。違う、と心の中で小さく呟く。
別に別府君の事が嫌いな訳じゃない。ただ、何故か私は、彼と真正面に向き合うと、息
苦しくて仕方がないのだ。声を聞くだけでも、心臓がキュッと窄まるような、そんな感
覚を覚えてしまう。ただおはようって返すだけなら出来なくもない。だけど、挨拶を返
すと、そのまま会話が始まってしまうそうで怖いのだ。だから私は、今朝も、そして明
日からも、彼の挨拶を無視し続けて終わってしまうのだろう。
そんな私だから、一度席が隣になった時は大変だった。気軽に周囲と挨拶を交わす彼。
私は、机に肘を付き、手を組んでその上に額を置き、俯いて黙っていた。どうか、別府
君に声を掛けられませんようにと願いながら。
「椎水さんも、宜しくな」
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