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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 2●

66010/15:2010/02/06(土) 17:22:25 ID:5W7FNz5g
 どうやら、僕は信用されてないらしい。まあ、これだけ弄っていれば無理もないか。
けれど、それはあくまで先輩の可愛らしさを引き出すためであって、バカにしたりする
為じゃない。そこだけは分かって欲しいと思いつつ、先輩を説得する。
「絶対に笑いません。先輩が真面目に考えた抱負だったら、たとえどんなにバカバカし
く思えても、僕は応援しますよ」
『……本当に? 絶対に笑ったりバカにしたり呆れたりしない?』
「ええ。ですから、安心して言って下さい」
 コクリと頷くと、先輩に微笑みかける。先輩は上目遣いに僕を見つめていたが、やが
て、恥ずかしそうに視線を逸らした。
『えっと……こ、今年はね。その……もう少し、何て言うか、女の子らしくって言うか
……女を磨こうかなーって……』
 先輩の呟きを、僕は大人しく聞いていた。まあ、先輩が女の子らしくなってくれると
言うのは、僕にとっても悪い話じゃない。出来るかどうかは別問題として。
 先輩は、言い訳をするかのように、話を続ける。
『だ、だってさ。その……もう、二十歳になって、今年成人式だったじゃない。だった
ら、もう少し大人の女になりたいなっていうか、アンタいつもバカにするから、ちょっ
と見返してやりたいってのもあるし……』
「いいんじゃないですか。立派な抱負だと思いますよ」
 そう言うと、先輩はパッと顔を上げて、睨むような目付きで僕をジッと見つめた。
『ホントにそう思って言ってんでしょうね? からかってるわけじゃないわよね?』
 全く、どれだけ信用が無いんだか。僕は。
「もちろんですよ。先輩が力になって欲しい事があれば、何でも言ってください」
 信じて貰おうと思って、僕は真面目な顔でそう提案したのだが、先輩はプイッと顔を
逸らして、不機嫌そうに答えた。
『いいわよ。別に、アンタなんかに協力して貰わなくたって、一人でコレくらい出来るわよ』
「強気なのはいいんですけど、先輩は自分に甘いですからね。それに、男の視点からも
いろいろと意見を聞いた方が、偏りが無くていいと思いますけど」
『誰が自分に甘いって言うのよ!!』
 もっともらしく忠告したら、怒鳴り返された。確かに余計な一言かもしれないけど、
先輩はもっと自分の欠点は自覚した方がいいと思う。




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