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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 2●
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先輩の目を覗き込むように言うと、先輩は思わず体を少し引いた。それから視線を逸
らし、たどたどしく答える。
『そっ……そんなの分かんないわよ。聞く権利だけ与えてあげるって、そういう事だも
ん。あとその、そんな風に人の顔を覗き込まないでよね。気持ち悪い……』
「はいはい」
敢えて気軽に返事をして、僕は先輩から離れる。女の子から気持ち悪いと言われれば、
僕だって例外なく傷つくが、先輩だけは別だ。何故なら、さすがに知り合って5年も経
てば、本気で気持ち悪がっている時の顔と照れ隠しの暴言の時の顔の区別くらいは付く
ようになっているから。
「でも、聞く権利だけって言うのは、ちょっと不公平じゃないですか? やっぱり、僕
のを教えるからには、先輩のもちゃんと教えてくれないと」
抗議だけはキチンとするが、先輩は意外そうな顔で僕を見て言う。
『何言ってんのよ。アンタとあたしが対等な訳ないでしょ。むしろ、ホントならアンタ
の抱負なんて取引材料にもならないのを、大まけにまけて、聞くだけは許してあげるっ
ていってるんだから、感謝して欲しいわね』
年が明けても、先輩の横暴っさぷりは変わらないようだった。僕はため息を吐くと、
仕方無さそうな顔を見せて首を左右に振る。
「仕方ないですね。じゃあ、もし部活とかでそういう話題になった時は、先輩の抱負は
人に言えない恥ずかしい事だって、言っておきますから」
『言うなっ!! ていうか、何捏造しようとしてんのよ。勝手に人の抱負を怪しげな物
にすんな!!』
「それだったら、僕にだけでも教えてくれた方が無難だと思いますけど。人前で、ポロッ
と言葉がこぼれ落ちてからじゃ遅いとは思いますけどね」
言いながら、我ながら脅迫じみているなあという感想を抱く。しかし、こうでもしな
いと、こっちだけ言い損になってしまうし。先輩の抱負を聞きたかったのに僕のを言っ
て終わりじゃ、本末転倒だ。
『言ったら殺す。絶対に殺す。マジで殺すからね』
先輩が僕の襟首を掴んで言った。冗談抜きで目が殺気立ってます。
「だ、だから、先輩も教えてくれるって約束すれば、絶対に言いませんて。こればっか
りは神に誓って」
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