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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 2●

517以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/23(日) 21:39:18 ID:???
暑苦しさとベタ付く汗で目がさめる。窓の外は見るまでもなく快晴、一体何日連続だろう?
薄目からぱっと見開くと、いっぱいに広がる肌色。どうやらこの暑苦しさは気温だけではなく
人肌も加わっての事らしい
「おはよ、ちなみ」
その声と共に、頭をそっと撫でられる。その途端、ふっと昨日の行為がフィードバック。
気恥ずかしさで、ついつい隣人を睨みつける。
『…子供扱いするな…バカ』
「なら止めるか?」
意地悪そうな笑顔を浮かべる。うぅん、意地悪なのは笑顔だけじゃない。私が撫でられるのを嫌ってない
のを知っているくせにそういう事を聞いて来るんだから。
こんな意地悪な奴の腕の中なんて一秒でも早くでてやる。そう思っていても、体に力が入らない。
きっと・・・体は意地悪なコイツと一緒に居たがってるんだ。唯でさえ朝から夏日を思わせる気温だと
いうのに、何でもっと暑くなるような事したいのか。まったく意味分からない。
私の中で素直なのは心だけ。いや、こんな意地悪な奴を好きになった心なんて素直なものなのか。
『…何でだろう?』
何となく呟いた言葉に彼が首を傾げる。慌てて首を振って、疑問を打ち消す。そんな私の頭を胸元に
抱き寄せ、再び頭を撫で始めた。じわりと汗ばむ肌、それでも全然嫌じゃないのは永遠の謎だろう。
「今日も暑いな」
そう思うなら離れればいいのに。顔を上げると、彼と目が合う。こっちから目を逸らすと負けた
気分になりそうなので、じっと見詰める。ふいに彼の顔が近づく…ぶつかると思った瞬間目を瞑る。
唇に押し当てられる生暖かい感触。その直後にやってきたのは体の芯に叩きつけられる幸福感。
ずるいずるいずるい。そう思っても体は勝手に反応し、離れた彼を追うようにこっちから唇を押し付ける。
触れ合っては離れ、離れては触れ合う。次第に激しさを増し、唇同士の接触はやがて舌同士の絡め合いに
代わる。
「ん…ちゅぷ…ちなみ」
『くちゅ…あふ…好き…もっとぉ』
卑猥な音と私の名前とさらなる要求。彼の手が頭から耳、そして首元を通り鎖骨を撫で、ちいさな乳房へ。
一番の先っぽを壊れ物を扱うように軽く、柔らかく、愛しそうに触る。
『ダメ!』
私の拒絶を無視し、さらに愛撫は続く。次第に頭のはぼーっとなり、彼のなすがまま。
昨日だってあんなに求め合ったというのに、まったく尽きる事を知らないのには困ったものだ。
…私も、だけど。

行為を終え、再び私は彼の腕の中。汗と愛の跡でさらに体はベタついたが、不思議とそれがすがすがしく
感じる。ふいに顔を上げると、また目が合う。
「ちなみはさ、考えすぎなんだよ」
『…どういうこと?』
「好きなら好き。それ以外は考えなくても良いって事」
『別に…私はキミの事なんて好きとか思ってないし』
「さっき、ずっと好き好き大好きを連呼してたけど?」
また意地悪そうに笑う彼。多分、私自身より彼の方が私の事について詳しくなってしまったのかもしれない。
体のことは勿論、心の方も。きっとそれが嬉しくて、そして悔しくて、ついつい思ってもない態度を取って
しまうのかもしれない。
『…考えすぎ、か』
「うん」
そっと胸元に抱き寄せられ、頭を撫でる彼。
時計を見ていなけど、お腹の空き具合でお昼が近いのが分かる。あぁ、今日も無駄に半日が過ぎてしまった。
無駄だけど…世界で一番幸せな時間が。




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