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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 2●
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春の天気は変わりやすい。私は昇降口に立ち尽くしていた。
「雨……か。春の雨なら春雨だな」
脇に立つあいつが、また下らない事を言っている。私はすまして無視した。
「…どうするよ」
「どうもしないわよ。すぐ止むでしょ?」
「のんびりしてるねえ…ま、たまには悪くないかな」
そう言って、あいつは私の隣に腰掛けた。
僅かに触れる身体。私は思わず身をこわばらせた。
「…隣に座らないでよ」
緊張ゆえに口から出た、想いとは正反対の言葉。
あいつはいつもの事だろ、と流した。
「……………」
「……………」
ぽたぽたぽたぽた。
雨樋を通った雫が集まり、小さな滝のようになって落ちてゆく。
私とあいつは、何かする訳でもなくその音をじっと聞いていた。もう昇降口に人影はない。
もう少しだけ、このままでいさせて下さい。
降り止まぬ雨雲に、そっと私は呟いた。
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