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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 2●

286以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/01(水) 22:06:00 ID:iW7CtvNQ
春の天気は変わりやすい。私は昇降口に立ち尽くしていた。

「雨……か。春の雨なら春雨だな」

脇に立つあいつが、また下らない事を言っている。私はすまして無視した。

「…どうするよ」
「どうもしないわよ。すぐ止むでしょ?」
「のんびりしてるねえ…ま、たまには悪くないかな」

そう言って、あいつは私の隣に腰掛けた。
僅かに触れる身体。私は思わず身をこわばらせた。

「…隣に座らないでよ」

緊張ゆえに口から出た、想いとは正反対の言葉。
あいつはいつもの事だろ、と流した。

「……………」
「……………」

ぽたぽたぽたぽた。
雨樋を通った雫が集まり、小さな滝のようになって落ちてゆく。
私とあいつは、何かする訳でもなくその音をじっと聞いていた。もう昇降口に人影はない。

もう少しだけ、このままでいさせて下さい。

降り止まぬ雨雲に、そっと私は呟いた。




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