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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 2●
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【チャーハンを作ろうとして失敗したツンデレ】
お腹が空いたので娘にチャーハンを所望した父ですこんにちは。
「娘よ、父のお腹が今にも背中にくっつきそうだ。この危機を脱するには娘製作のチャーハンを早急に胃に収める必要がある。さあ!」
「黙れ、父。今まさに製作中だ。声をかけられると気が散って失敗するぞ」
娘の背に声をかけると、少し面倒くさそうな声が返ってきた。
「はは、これは異な事を。娘が料理に失敗しようか。いやしない。反語。反語?」
「何故不安げになる、父。いいから黙ってろ」
「ふふ、父がそんなことで黙るはずがないだろう。そう、父の心はどこにでも羽ばたける……ええと、なんだろう。えっと、えっと……そう、風になびく」
「黙ってないとチャーハンがゴマに変化するぞ」
脅されたので黙る。しかし……なんだな。愛娘の料理する後姿というのは……こう、いいなあ。
「ばふー」
「黙れと言っているだろう!」
「鼻息もダメとは! ナチスも涙を禁じ得ない圧政に父はいま遭遇している!」
「五月蝿い! ……あ」
こちらを向いた時にひじが当たったのだろう、中華鍋がコンロから外れて地面に落ちた。慌てて娘の元へ向かう。
「娘よ、大丈夫か?」
「あ、ああ……」
娘の体を確認する。幸いにして娘の体には鍋もチャーハンもあたらず、ただ床が汚れただけのようだ。良かった。
「怪我がないなら問題ない。いや、色々声をかけて注意を逸らしてしまったな。悪い父だ」
「そんな! 私の不注意だ、何故父が謝る!」
「父の七不思議のひとつだ、気にするな。はっはっは」
適当な事を言いながら汚れた床を掃除する。ぽいぽいゴミ箱にチャーハンを捨ててると、娘が申し訳なさそうな顔をして手伝ってくれた。
「初めての共同作業だな、娘よ」
「馬鹿」
軽口に、少しだけ娘は微笑んだ。
しばらくそのまま黙って掃除をしてたら、腹がぐうと鳴った。途端、娘の顔が先ほどの申し訳なさそうなものに戻ってしまった。
「私が落としさえしなければ、今頃は食事だったものを……」
「空腹は最高のスパイスと聞く。この後の食事は最高のものになるに違いない。そうは思わないか、娘よ?」
軽くおどけて片目をつぶってみる。思い切り娘が吹いた。
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