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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 2●
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プロバイダー規制や本スレの空気などでSSを投下できない人が、
本スレの代わりにこっちでSSを投下するスレ。
ごあー。
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>>1乙
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>>1
乙ンデレイドバスター
デレ期到来
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【ツンデレに冗談で愛してるって言ったら】
「おはようっす、かおる」
「……おー」
今日もタカシの奴が待ち合わせ場所でオレを待ってた。オレはぶっきらぼうに挨拶して、そのまま通り過ぎる。
「テンション低いな」
軽い駆け足でタカシが隣に並ぶ。
「朝っぱらから面倒くさい奴と会っちまったからな」
「そりゃ災難だな」
「おめーのことだよ!」
「はっはっは、ご冗談を」
「はぁ……」
高らかに笑うタカシに、思わずため息。こいつはいっつも冗談ばっかり言ってるので、どこから本気でどこから冗談なのか、正直分かんねえ。
そもそも、なんでこんな口が悪くて女らしくもない悪いオレと好き好んで登校するのか。マゾなのか。……それとも、やっぱ、その、オレのことを……あー、らしくねえ!
「……んだよ」
オレが一人で色々考えてるってのに、タカシの奴はオレを見てニヤニヤしてやがる。なんかムカつく。
「や、かおるの一人百面相を楽しんでいるばかりです。赤くなったり髪をくしゃくしゃしたり、大変楽しゅう御座います」
タカシの言葉に顔がほてるのを感じる。
「み、見てんじゃねーよ変態野郎っ! き、気持ちわりーな!」
「やあ、ごめんね」
「……ったくよー」
そんな毒気のない笑みで謝られたりしたら、なんにも言えねーじゃんか。それに、別にタカシの奴は悪くともなんともねーし。
「しかし、なんだな。かおる見てると楽しいな」
「オレは楽しくねーよ」
「あれかな、恋かな。恋だな。かおる、愛してるよ」
「んなっ!?」
タカシはオレの手を握り、オレの目を真っ直ぐ見て、いきなり、こ、こ、告白なんてしやがった。
「な、な、な、なに考えてやがんだっ! こ、こんな道端で、そんなっ!」
「そこの側溝の中でした方が良かったか?」
「い、いや、そこよりはここの方がいい」
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って、何言ってんだ、オレ。いいから落ち着くんだ。深呼吸だぞ。すー、はー。
「かおる臭はいい匂い」
「いらんこと言うなッ!」
タカシの頭をぶったたく。いつものことに、ちこっと落ち着いた。……こ、告白されたら返事しねーとな。
……な、なんて答えりゃいいんだ? 今まで他の連中に告白されても断ってばっかだったし……。つっても、いきなりOK出しても調子に乗るだろうし……いやいやいや! オレは別にこいつのことなんて……。
「?」
ちらりとタカシに視線を向けると、よく分からないのか、タカシは軽く首を傾げた。オレだけドキドキして、告白した本人が平和そうな顔してることに腹が立つ。断ってやろうか。よし、ちょっとシミュレーションしてみよう。
(シミュレーション開始)
「オレ、おまえのことなんてなんとも思ってねーし。勘弁しろよ」
「がーん! 多大なる衝撃を受けた! 非常に残念だが、その気がないのであれば諦めざるを得ない。俺と貴様は以後友達のままだ!」
(シミュレーション終了)
ダメだッ! 千載一遇のチャンスが消えちまう! ……あ、いやいやいや。チャンスとか思ってないし。と、とにかくこれはダメ。こいつのことだ、一度断ったらそのまま諦めちまうに決まってる。
だからって「オレもずっと好きだった」とか言うのは無理。ぜってー無理。そんな女の子女の子したこと無理。……いや、だから! 別に好きじゃねーし! しっかりしろ、オレ!
「あの、かおる……?」
ずーっと考え込んでるオレを不思議に思ったのか、タカシが声をかけてきた。どっ、どうしようっ!?
「あ、あ、あ、あ、あの、あのさ、お、オレ、オレさ……」
「壊れたレディオだ」
「茶化すなっ!」
けど、タカシが茶化してくれたおかげで緊張がちょっとほぐれた。深呼吸して……いざ!
「まあ、冗談だけど」
へ……?
「いや、愛してるってのが。軽い冗談。はっはっは」
「…………」
「あれ? かおるたん? どうしましたか、震えてますよ? そして嫌な予感が止まらない俺ですよ? どこかで死亡フラグ立てちゃった?」
「ふ、ふ、ふふふ……乙女のドキドキを、軽い冗談、ねぇ」
「かおるが乙女と! いかん、今日が世界の終わる日か! こんなことであれば生活費を全てエロ本に回せばよかった!」
「死ねぇぇぇぇぇっ!!!」
「へぶぅっ!?」
オレはタカシに全力コークスクリューをぶちかました。変な声を出してタカシはどっか飛んでった。
オレはほっとしたような、とても残念なような、微妙な心を抱えたまま学校に向かった。
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