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初めて投下したSSを晒そうぜwwww
60
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:2005/08/30(火) 22:40:50 ID:REgyrHvE
ガチャリ、というドアの音。
彼が帰ってきたのだろう。
…もう、まわりが白くなっていて、何も見えない。
――――みえるのは、かれのすがたのみ。
…もう、まわりの雑音がなくなって、何も聞こえない。
――――きこえるのは、かれのこえとこきゅうの音。
「…っ…!くっ…」
呼吸が、できない。
痛みは既に麻痺してしまったらしい。
もう、自分がここにいる感覚すら、ない。
それなのに。
息は、際限なく上がっていって、彼を困らせようとする。
「大丈夫かよ!?おい!大丈夫か!」
わたしのことを、心配しているのだと思う。
その気遣いは、純粋にうれしい。
ようやく、気が付いた。
―――――わたしは、あなたのことが、本当に好きだということを。
「…ァ…大…ッ丈夫。そ、れより、耳、元で、叫ばないで…」
それなのに。
なんで、こんなことを言ってしまうのだろう。
もう、最後なのに。
…いままでつたえられなかったことを、こくはくしなければいけないのに。
わたしに、みらいは、ない。
わたしに、あしたは、ない。
きっと、彼も、もう知ってる。
「…明日に、なれ、ば……ッ…ま、た、会える…よ…」
祈るように。
信じるように。
―――――自分自身に対して、そんな言葉を口にした。
「あ、ああ…会、える、さ。
でも、ひとつ、だけ言って、お、きたい」
彼は、何がいいたいのだろう。
わからない。でも、ひとつだけ分かることがある。
…わたしに、残された時間はあと僅かしかない……!
だから。
伝えないといけない。
精一杯の勇気をだして。
彼に、好きだと伝えないと――――!
「俺、は―――――。
君のことが、ずっと好きだった…!」
…今、なんと言ったのか。
精一杯、勇気を出して、伝えるつもりだったのに。
―――――ほんと、わたし、ばかみたい。
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