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初めて投下したSSを晒そうぜwwww

156以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/12/30(土) 17:57:58 ID:TC7eS3uY
・ツンデレに「お前、鏡見たことあるか?」って言ったら?(弱気推奨)
ボクッ娘で。

最後の言葉が痛烈な一撃だった。
「ボク、タカシ嫌いだよ」
梓は言った。
タカシと梓は喫茶店にいた。
梓は付き合っていると勘違いされたくないと言ったが
タカシがおごるとのことでついてきたのだった。
「どんなとこが?」
「例えば……」
タカシの問いに大量の答えを言う梓。
「おいおい、それぐらい誰にでもあるだろ」
「一つもない人だっていると思うよ」
「問題はそいつがお前を好きになるかだけどな」
「好きになるに決まってるじゃんか。だってボク、可愛いもん」
冗談交じりの会話に最後に自信たっぷりに言い切った梓。
「でも自信過剰だよな」
「それもカバーできるでしょ、ボクなら。少なくともタカシには関係ないでしょ?」
タカシはつい怒りを表面に出してしまった。幼馴染みでいつも一緒にいた。
嫌いだからといってそういう言い方はないだろう。
「お前のことなんて知らねーよ!鏡を見たことも無いような馬鹿はな!」
そのまま椅子から立ち上がり、そしてその状況でも会計だけは忘れずに払い、
歩道を走る自転車すら追い越して走り去った。
梓はその後ろ姿を見て泣き出したくなったが、家に帰り、部屋に辿り着くまではこらえ切れた。
部屋に着いた梓は鏡を出した。
弱気でもそうは見られたくない。そのうち本当に強くなりたい。
そう思って一人称をボクにしたのは5年前のことだった。
しかし、自分にその一人称が定着してそれに甘んじていた。
その結果がこれだ。本当は一番好きな人でさえ怒らせてしまった。
鏡を覗き込むと、そこには以前と変わらない弱気な自分がいた。
次の日、タカシが家を出ると
「おはよう、タカシ」
高校生になってからはもう一緒に登校しなくなった梓がいた。しかし、
「誰だ?お前」
タカシは冷淡に言い放った。そして早足で歩き出した。
梓がいくらタカシに話しかけようとしてもタカシは無視し続けた。
何とか会話が成立したのは放課後になってから、梓がおごると言うことで喫茶店に行こうと誘ったときだった。
喫茶店
「で?何か用?」
タカシは素っ気なく聞いた
「ごめんなさい、タカシ、わ、私が昨日あ、あなたに関係がないなんて言って」
「………話し方、違うぞ。どうかしたのか?」
タカシには関係がない、そう言いたくても言えなかった。
言えば間違いなく昨日の二の舞になると思って。
「私、昔から好きだった人がいるの。でも弱気だったから告白できないって思って。
強気になれば告白できるって。それで、表面だけは強気にしていって、でも、それだけじゃ、なくって、好きな、人の、気を、引きたい、そう思う、ように、なっ、て……」
梓は泣き出していた。
「泣くなよ、オレが泣かしたみたいだろ?」
タカシはそう言って梓の頭を撫でてやった。
落ち着いてから梓は言った。
「でもそのせいで嫌われちゃったから、それならせめてそれだけは忘れないようにって思って、
ボクは自分のことを、って……」
「無理しないで良いんだよ。少しずつ進めば良いんだから」
「うん、それじゃ、まず一歩からだね。ボクはタカシが好きだ」
明るく元気に梓はそう言った。
「そうか、オレも梓が……ってえぇ!?」
「好きだよ、タカシ、誰よりも。……ボクのこと、嫌い?」
「そんな訳ないだろ、オレも好きだよ。あ、来たみたいだな」
「こちら、ご注文のチョコレートパフェ二つと紅茶二つとなります。」
それらをウェイトレスが置いていった。
そしてそれらを食べ終え、
「あ、金はオレが払うよ。」
タカシはそう言うが、梓も
「ボクがおごるって言ったでしょ」
と言って譲らない。
「わかったよ、それじゃ、」
「えっ!?」
タカシは唇の横に着いているチョコレートクリームを舐め取った。
「おごってもらったからな」
そう言って会計を済ませた。
次の日からは梓とタカシが手を繋いで登校するのが見られるようになったらしい。


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