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ツンデレじゃない長編投下・評価スレ
55
:
3/8
:2005/08/28(日) 13:33:10 ID:uu.ib/mg
山田君が扉を蹴り始めた。派手な音が響き渡る。
『……山田君……止めた方が……』
止めに入ろうと近寄った時、扉が蹴破られた。
「開いたお!屋上だお!ブーーーーーーーン♪」
『あ……』
山田君が両手を広げて駆けていく。まるで幼い少年のようだ。
「ちなみちゃん!!来てみるお!!凄く綺麗だお」
私は、山田君の後を慌てて追いかけた。
そこには、宝石箱を引っくり返した様な、煌びやかな夜景が広がっていた。
かなみの手が温かい。何だかドキドキする。
この胸の高鳴りは、かなみだけの所為ではない。
道に迷ったのだ。最初は地下に居たのに、何時の間にやら地上に出ている。
辺り一面ガラス張りで、月明かりが差し込んでいる。どうやら温室らしい。ワケわかんねーよ。
「……引き返そうか?」
『そうね』
戻ろうとすると、かなみに腕を引っ張られた。
「ん?」
振り向くと、彼女はうつむいていた。
「どうした?怖くてちびったか?」
『馬鹿……』
ゆっくりと、ちなみが顔を上げる。
彼女の瞳は、月の光を宿らせて、少しだけ潤んでいた。
「この病院、丘の上に建てられたんだお。だから夜景がよく見えるんだお」
山田君が、夜景を見ながらそう説明する。
『……そうだったんですか……』
本当に綺麗だ。どんな宝石も、この煌びやかさを再現できるとは思わない。
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