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ツンデレじゃない長編投下・評価スレ

114名無しさん:2005/11/04(金) 20:25:56 ID:Z6IZxJzI
「あいつが…そう、中学三年の時だな。お前がまだ居なかった頃だ」
桜は黙って、しかしはっきりとした目で頷いた。
「ちなみは…レイプされた。運良く未遂だった…」
「そんな…」
「丁度通りかかった人が助けてくれて、すぐ犯人は逮捕された…けど…」
「けど?」
「学校に…来なくなった」
タカシはふうとため息をついた。
「それで、かなみや山田と一緒にあいつの家に行ったんだ。そしたら…あいつ、何て言ったと思う?」
「…分からない」
「『こんな体、見ないで』だ」
「そんな…未遂だったんでしょ?」
「でも、…あいつは傷ついてた。俺は顔も知らない犯人を恨んだよ。夢の中で何回殴ったか」
「ひどい…」
「…今の性格になったのも、あの頃だな。無口で、冷静な顔して、一度口を開けば毒舌で」
「そんな事が…あったの」
「まだ話は半分も終わってないぞ。でな、俺たちで学校に来させようという事になったんだ。
 ―今思えば、結構無茶してたな。朝からみんなでちなみの家に行ったり、電話かけたり。
 時には、山田が無理矢理連れて行こうともした。かなみに殴られたけどな。
 でもそんな事をしてる内に少しずつだけど…笑う様になっていった」
「…優しいね、みんな」
タカシはまたため息をついた。
「…学校に来るようになった時は受験期で、みんなぴりぴりしてた。ある時、ささいな事で喧嘩が起きた。
 男子同士の他愛の無い物だったんだけど…」
「けど?」
「ちなみが止めに入ると、一人が『お前みたいな汚れた女が出しゃばるな!』って言ったんだ。
 …気がついたら、殴ってた。かなみも一緒に、思いっきり殴ってた」
「…どうなったの?」
「二人とも停学喰らって、自宅謹慎。内申書に傷がついて、志望校を一個下げた。
 あん時は単に『お前に何がわかるんだ!』って感情だけで殴ってたからな…」
「ちなみさんは?」
「…責任取るって言って俺たちと同じ所―つまり志望校を三個下げた」
「凄いよ…みんな」
「…結局みんな同じ高校に入って、進路を決める時にあいつ、カウンセラーになりたいって言った
 最初は気にしてなかったけど…たまたまちなみがこの家にいる時、ちょっと、な―」


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