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あと3話で完結ロワスレ
669
:
ep298.主人公はもう居ない
◆LO34IBmVw2
:2013/08/22(木) 22:03:59
【89:04】
結論から言おう。俺達は運が無かった。
何故ならここまで生き残ってしまったからだ。
敗因は何だ? 考えてみたが至極当たり前の事で、答えは直ぐに出た。理由は一つ。
……俺たちがどうしようもなく弱虫だったからだ。
孤独な人間を集めてバトルロワイヤル。略して孤独ロワ。今思えば最初から企画が破綻していた。
球磨川禊は何を考えていたのか。いや、或いは何も考えてなかっただけなのか。
他人と関わるのを嫌がる奴等ーー例外もあったが大多数はそうだったらしいーーがいくら集ったところで、対主催集団など出来るわけがないのだ。
話によれば天使(天使!?)を中心に少しは出来たらしいのだが、まぁ性格が悪く協調性が無い奴等の集団がどうなったかなんて、結末を言うまでもない。
結局、まともだったのはーーそれも今となっては跡形もないがーー黒神めだかの集団だけだったって事だ。
黒神は、佐藤さんが言った通り不思議な魅力がある奴だった。
今まで誰も信じてこなかった俺ですら彼女の口車に乗せられて半ば信じ、それを死に追いやった桐敷を理不尽に恨んでしまうくらいには、すごい奴だった。
それにしても、今でさえ信じられない。今まで一人で生きてきた俺が何故黒神に頼ってしまったのか。
そのせいでこんなにもやるせない気持ちになり、誰かを恨み、後悔しているというのに。それが嫌で誰にも頼らないと決めていたのに。
とは言えどうにも黒神を好きにはなれなかった訳だが、まぁ成程確かにカリスマ性はあったのだろう。
どこぞの生徒会長にも見せてやりたかったところだ。
しかし彼女がここに呼ばれていたという事は、彼女も孤独だったのだろうか、と思う。答えなんて当人が死んだ以上は今更だが、少しだけ興味はあった。
さて、この世界に呼ばれた奴等の孤独は、大きく三つにカテゴライズする事が出来るのだと、二日前に志熊理科は言った。
一つ、種族的孤独者。
二つ、性格的孤独者。
三つ、環境的孤独者。
ーーー貴方と私は二つ目。葵さんが三つ目。一つ目は先程のルーシーという人があたります。
志熊はそう言って、マーダーになりやすい奴だとか自殺しやすい奴だとかを俺に一方的に話した。
カテゴライズには成程と俺は思ったが、しかしどうにもこの島の奴らの考え方は好きにはなれなかった。
孤独の渦中にいる癖に、まるで孤独を悪の様に語るからだ。自分のせいでそうなったにも関わらず。
皆で力を合わせて信頼し合うのが如何に素敵な事かという言い分は分かる。
しかしだからと言って、一人でやりきる事が悪だ、というのは必ずしもイコールにはならないはずだ。
孤独は悪ではない。俺は志熊にそう言おうとしたが、彼女が隣人部とかいう戯けきった部活に所属する事実を知って、やめておいた。
ーーーおいおいおいおいおい、そりゃあ随分と温い孤独だな。欠伸が出るぜ。それを世間一般だとリア充って言うんだ。
お前等さぁ、訓練されたプロぼっち舐めてんの? なんなの? 死ぬの?
素直に腹が立ったので、俺はそう言った。志熊は苦笑こそ浮かべたが、反論はしなかった。
その二時間後に志熊と葵は調査だとか言って地下室を出たが、それっきり戻ってくる事はなかった。
俺が次に彼女達の名前を聞いたのは、それから四時間後の放送だ。
俺はそれから黒神が助けにくるまでの数日、引き篭もった。他人に関わりたくなかったからだ。
下手に関わるから悲しくなったりするのだ。人はどうせ死ぬ時は一人なのだから、最初から独りで良い。
途中不知火や葉山が来たが、それ以外にイベントらしいイベントは皆無だった。故に俺はさしたるフラグも持っていない。
元々イベントやフラグとは無縁の人種だし、特に不便もなかった。だからそれで良かった。
良かったのだ。
「おかえりなさい!」
階段を上がった俺達を迎えたのは、機械仕掛けの少女の声とシチューの匂いだった。
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