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あと3話で完結ロワスレ

441300:ウソツキハッピーエンド ◆YOtBuxuP4U:2013/04/10(水) 22:49:19
 
 そして財部依真が軽いノリで提案し、当たり前という風に四人が否定する。
 本当に当たり前みたいだった。
 というか。実際に、当たり前の話なのだ。
 だって。

「「「「「私たちは。大切な友達を殺してまで生きようとは、思わない」」」」」

 少女たち五人は、とってもとっても仲がいいのだから。
 彼女たちだけが残ってしまった時点で、彼女たちの中ではもう、
 バトルロワイアルなんて設定は。――『なかったこと』になっているのだ。
 殺し合って終わるような結末は無い。絶対に、ない。

 だから残り58時間、
 少女たちはこの箱庭で最後の時を共に過ごし、
 そして……仲良く皆で首輪の爆発を待って……この箱庭と共に心中することを決めた。

 誰もが誰も殺そうとしなければ、殺し合いなど、成立しない。


◇◆◇◆


 食事のあとはただ、分かりきった作業を進めた。
 脱出の可能性の模索。担当は主に、オーパーツじみたアンドロイドである水晶だ。
 まずどうにかして外に出られないかやってみる。
 外へ続く柵を人力で、あるいは飛行能力で、または爆薬などで乗り越えようと壊そうとする。
 しかし、謎バリアにより失敗。まあ当たり前の話だ。
 この囲いのスキルを定義したのはあの安心院なじみなのだ、
 安心院なじみの端末にすぎない5人がどうにかできるわけがない(というか、誰だって無理だ)。

 次に298話にて死体を巡礼したときに目についた、
 獅子目言彦の首からなぜか外れていた首輪――これを回収して分析をした。
 言彦の首を跳ねて首輪を外した後、球磨川禊が首の切断を『なかったこと』にしたのだろうか?
 今となっては真相は闇の中だが、
 ともかくこれによって、少女たちが誰の首も切断することなく首輪を回収できたことは僥倖だったのだろう。
 なぜなら、首輪を外すことが出来るなんて展開はすぐ否定されることになるからだ。

「やはり、不可能ですね……強力なスキルとマイナスによる呪い。
 私たち普通(ノーマル)の力ではどうにもなりません。もしかしたら、安心院さんでさえどうにもできないのでは」
「うん、やっぱり無理かぁ。ノゾミちゃんで無理なら、どうしようもないね」
「ねぇねぇ! じゃあワニちゃんの隠された右目に首輪を解除できるスーパー能力が備わってたりしないかな?」
「いやジロちゃんそれは無茶振りであります……この右目はもう何のスキルも宿してません」
「&strike(){ま、だよなあ}そして、外への連絡手段も全滅、っと」

 試行錯誤の果てに。
 生徒会室へと引き返してきた少女たちは、一縷の望みを外部からの救援に託した。
 電話、メール、あるいは無線など。
 全体から見ればとても今さらながら、本人たちも無駄だとは思っていたが、
 ひととおり外部への連絡手段を試してみたのだ。……そしてやはり無駄だった。

「こっちからの連絡が無理ってことは……外に居る誰かが気づいてくれるのを待つしかない、のかぁ」
「でもそれは――万が一、億が一にも満たない――ほとんど0の可能性であります」
「&strike(){というか、ありえねーだろ}あの安心院さんがそんなご都合主義を起こせるような余地を残すとは思えないよね」
「100人が閉じ込められて1日半以上経って、外部から何のアクションもない(なかったっぽい)時点でねー……」
「……C-7が禁止エリアになりました。あと。54時間」

 つまり彼女たちの寿命は、九割九分九厘、あと54時間しかないということなのだった。
 いや、ことここに至ってしまえばむしろ――54時間は、多くすら感じられる。


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