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あと3話で完結ロワスレ
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剣士ロワ第300話「光」
:2013/03/14(木) 00:03:22
「人間は何も知らず、何も持たず、何も教えられないまま生まれて来る。だが、それから色々なことを知って、学んで、色々な物を得ることで。自分で考えて、選んで、行動するようになっていく。なら、ロボットだって同じでいいはずだ」
鈍色の鎧を身に纏った、金髪碧眼の類稀なる竜騎士――ダリオが、ゼロにそう語りかけて来た。
彼の暮らしていたエルニド諸島には機械技術は殆ど存在せず、意志を持ったロボットもいなかった。
ロボットについて何も知らないからこそ、ロボットという存在に対する一切の先入観を持たないが故の、互いの存在を同じとする真実の言葉。
「鉄機……ロボットは、何かの目的の為に造られなければならないとしても。その力で何をするか、どうやって生きて行くかは、そのロボットが自分で決めてもいいはずだ」
青い鎧を纏った、天を翔ける二刀流の剣士――衛有吾も、ゼロに語りかける。
彼の暮らしていた天宮は古代の超技術を研究する一門のお陰もあって高度な機械技術が存在し、鉄機武者と呼ばれるロボットもいる。
その鉄機武者に親友を持っていたからこそ、ロボットという存在に対する親愛の念の籠もった、可能性を信じる祈りの言葉。
「ダリオ、衛有吾。お前達……」
2人の亡き戦友までも自分の前に姿を現したことに対する驚きは、最早無かった。
彼らから贈られた真実と祈りの言葉のみが、ゼロの心に響き渡る。
「ゼロ。君の心は、誰かから与えられたものじゃない。君だけのものなんだ。だから……君の心の信じるままに、戦うんだ」
そして、永遠の親友の言葉が、ゼロの心を熱く叩く。
実際の衝撃や刺激などを一切持たない、謂わば幻の鼓動が波動となり、ゼロを苛んでいた暗黒を吹き飛ばした。
ここに至って、ゼロは今の状況を冷静に解析できた。
此処は、何らかの仮想空間。
気付かぬ間に――否、常闇の皇から受けた攻撃によって、ゼロの思考と人格がボディから切り離されて幽閉されていたのだ。
そう言えば、レプリフォース事件の折にサイバー空間で似たようなことがあったな、などと、今と昔を照らし合わせるだけの余裕が自分に生まれていることに気付いて、ゼロは大きく溜息を吐いた。
「まったく……参ったな。まさかレプリロイドの俺が、幽霊なんて非科学的なものに説教されることになるなんて、考えたことも無かったぜ」
まったく、情けない限りだ。死んだ奴にまで心配かけて、助けられるなんてな。
「吹っ切れたようだな」
口には出さず、心の中で礼を言った直後に、ダリオが穏やかな笑みを浮かべてそう言って来た。
出来の悪い弟のいる面倒見のいい兄貴らしいと思いながら、ゼロはすぐに頷いた。
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