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俺はこの時の感動を忘れない

9フランキー冨樫:2006/12/19(火) 20:30:53 ID:DQ8jL.8s
私はいままで何度も後悔した。
一番後悔したのはあの事件だった。

蜘蛛の糸 第2話『過去』

私はフランスのアルプス山脈のふもとの山に小屋を建てて住んでいた。
他の山に比べて高さが低い山だったてめ農作物もよく育ち動物も群れを成して棲みついていた。
どうして山に住んでいるかって?人見知りという点もあるが一番の理由は親との絶縁だ。
もともとフランスのパリに父・母・妹と住んでいた私だったが、友達と共に悪事をしてしまい遂には警察沙汰になってしまった。
まあ、それで親が呆れたんだろうな、絶縁してしまった。
それから家を追い出され、行く宛てもなく町を彷徨っていた。死に場所を探す亡霊のように。
それでついに痩せこがれ俺は倒れて気を失ってしまった。
目が覚めたら見知らぬ家のベッドで寝てた。隣を目を向けると見知らぬ男性が揺り椅子に腰をかけ本を読んでいた。歳は40はいってるだろう。
「気がついたようだな、3日も寝てたぞ、小僧。」と彼は言った。
「今、ちょうど飯ができたとこだ。腹が減っているだろう。食べろ。」
そう言うと彼はベッドの横にある古い机にパンとスープを置いた。
人に物をもらうというのに腹がたった俺だったがその雑念は一瞬にして消え、気づいたら手はパンを掴んでいた。
俺は今まで生きてきた中でこれほど早く飯を食べたことはないという早さで完食した。完食するのに1分もかからなかっただろう。
彼はそんな俺を人珍しそうに見るといきなり笑い始めた。
「わっはっはは・・・よく食べるなぁ。小僧。ところでお前どこに住んでんだ?」
俺は人見知りだったが助けてもらったという恩もありいきさつを説明した。
「そうか、そんなことがあったか・・・。小僧、後悔しているのか?今の人生に。」
私はうなずいた。
「そうか。小僧、後悔っていうのには消し去ることのできる後悔とそうでないのとがある。
お前の後悔は確実に前者だ。この世の中には復縁という言葉がある。復縁できなきゃ復縁という言葉は誕生しない。
努力次第で修復ができる問題だ。あきらめるのは早いぞ。」
俺は途端に涙がこぼれてきた。それは悲しくてこぼれたわけではなく光が見えたからこぼれたのだろう。
「ところで小僧の名前は何だ?」
「フロークス・ジェーン。」
「フローキか。私の名前はドルトンだ。・・・フローキ、復縁できる間までお前の家はここだ。」
驚きのあまり言葉がでなかった。
「そのかわりといってはなんだが、私の仕事を手伝っていただきたい。」
「仕事って?」
その質問こそ、我が人生での一番の後悔である。
つづく


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