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あ
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(あ……あれはいぐな)
木陰に隠れながら様子を窺う鳥居。
森岡の体には、まだ鎖が巻き付いており、いぐなは御神体を抱えている。
「…いぐなはなにをしてるんだろう?」
何かの作戦なのだろうか。それにしては様子がおかしい。
自分達の目的は一刺しに御神体を開かせ、そこから出てきた鍵で
森岡とタタリ神とを繋ぎ止めている鎖の錠を解き、森岡の魂に
憑依しているタタリ神を追い出すために、森岡の命を奪うような攻撃をすること。
そうすると反動でタタリ神が飛び出してくるとかそんなことを言っていたはず。
「もしかして…彼女たちはなにかを隠している?」
黙って二人の会話を聞いていると、いぐなは昔、森岡に助けられたことがあったらしい。
「うーん。恩返しにいぐなは森岡を助けるつもりじゃ?
いやいやそれはないです。やっぱり何かがおかしいです」
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