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957名無しになりきれ:2012/04/17(火) 21:47:20
―――そもそも存在感の薄いルナはアイドルのように注目を浴びたかった。
そのためにはササミに鬼ごっこで勝ち抗体を手に入れる必要があった。
救世主として学園に名を轟かせて有名人になるために。

でも、事情は変わってきていた。ルナは、リリィがペンギンになってしまっていることを知ってしまった。
あのリリィのグルグルメガネの奥の優しい眼差しを思い出す。
リリィは存在感のないルナをじっとりと見てくれる一番のお友達。
だからルナは、どんなことをしてでもリリペンギンを守りたいと決意を新たにした。
このままササミにくっ付いていたなら炎道もフリードも思い切ったことができないだろう。
それに危ない。下手をしたら焼き鳥か蒸し鶏になってしまうことだろう。
どうにかしてササミからリリペンギンを引き剥がさなければ。

(にしてもあのパンモロには考えらせられちゃうわ。ローライズとミニスカートが同時に流行っちゃったみたい。
もうスカートの定義が破綻しちゃってるもの。つか今のササミの姿を男の人に変換したらあの格好はやばい。特に手ブラが……。
男の人のものの根元がみえてるくらいに匹敵してる)

と決意してすぐにルナがどうでもいいことを考えているとリリィのテレパシーが飛んでくる。
リリィはペンギンの姿になっているというのにテレパシーで皆にお得なササミ情報を伝えようとしてくれているのだ。
その献身的な姿勢にまるで一喝されてしまったかのようにルナは思考を元に戻すと
厨房の冷蔵庫から巨大な大タコを持ってきてササミに抱っこしているリリィに突き出す。

「リリィ…こっちへおいで。このタコ美味しいよ。
それにササミに抱っこしてると危ないから……」




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