レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。
二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所5
-
いつもありがとうございます、また代理お願いします。
-------------
「OK…二神、見ろ」
その言葉に二神は地面を覗き込む。見覚えの無い色をした、石の破片。
「閃電岩って言ってな、落雷級の超高圧電流を受けると一部の鉱物が変質してこうなる。恐らく―――」
自分なら全く情報として活用出来ないだろう。
それはつまり、電気を操る何者かと窃盗犯が戦った後である。
落雷級の高圧電流は避けられたのか、それともそれを食らってなお逃げたのか、いずれにせよ窃盗犯は
凶悪な電気の能力を前にして逃げ延びている。
「二神、俺は応龍会の屋敷に戻る。あくまで感に過ぎないが、そこに答えがある気がする」
獅子堂はそういって行こうとしたが、一言付け足した。
「…気が向いたら着いて来い」
そして直ぐに能力を使った跳躍で姿が見えなくなる。
獅子堂の方がスイーパーとしての経歴も長く、経験がある。
着いていくのは得策に思えたが、彼は応龍会とは反対の方向に歩いていく。
彼にとって、何が起こったか、はどうでも良い事なのだ。
謎が謎としてある、それだけのことだ。雷を使う能力者は、敵では無い。ならば無視する。
彼―――スイーパーとしての二神歪にとって大切なことは、一刻も早く自分の手で犯罪者を倒す事、それだけだった。
二神がスイーパーになってから短期間で成果を挙げてきたのは、まるで機械のように単純化された行動を突き詰めてきたからだ。
すなわち敵を見つけ、倒す。それ以外の事には全く注意を払わない。
事件の内容も特に気にしない。窃盗犯だろうが連続殺人犯だろうが、やることは同じだ。
更に言えば、周りの被害も気にしない。この攻撃を避ければ一般人に被害が行くといった状態でも、彼は迷わず避けるだろう。
故に人質は彼には通用しない。結果として救うことはあっても。
すべては敵を倒すという目的を達成するために、ただそれだけを考えて動けること。それが彼の強みでもあった。
(交通機関は本部が調べているし応龍会も手を伸ばしているだろう。ならばここからまだ自力で逃走、もしくは隠れている。
そして、この戦闘の跡。死体や戦闘不能者の無いこの戦闘に、『勝負はついていない』。実力がある程度拮抗した相手だったのだろう。
ならばこれだけ派手にやっておいて犯人だけが無傷ということはあり得ない。
犯人の能力が爆発であり、相手の能力が電気である以上、『現場の血痕は犯人のものでは無い』。
目撃証言から、犯人は単独の可能性が高い。戦闘能力が単体で高いなら、わざわざ治療者(ヒーラー)を連れているメリットも無い。故に)
犯人は近くで、回復しながら潜伏中。それが二神の結論だった。
もし外れていても良い。ほかのスイーパーが何か掴んだなら、それを利用すれば良いのだ。
フードを被り、走り出す。近くの人気の無さそうな区域を虱潰しに。
聞き込みをすると同時に、大量の攻撃的な『邪気』を撒き散らして動く。
敵はこの邪気の量を感知して何かしら動きを見せるだろう、と予測したのだ。
二神がその場所に辿り着いたのは、凡そ一時間半後。
運良く4つ目の捜索場所で彼は当たりを引いた。
目撃証言、場所の有意性、そして何より―――現場にあった血と同じ、微かな匂い。
返り血だろうか、逃げるときに付着したのか。血と強い親和性のある二神は、それを無意識に感知した。
(――近い。)
目の前の景色の奥。一際人気の無いその場所に、いまは使われていない家があった。
耳が痛くなるような静寂の中、彼は一歩一歩廃屋に近付いていく。
撒き散らしていた邪気を潜め、ただただ敵をその場所に確信した足取りで、着実に彼は黒羽に迫りつつあった。
【二神 歪:獅子堂と別れて黒羽を単独で捜索し、潜伏場所へ辿り着く。】
|
|
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板