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二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所5

974 ◆WS9cBo9MH6:2011/07/29(金) 01:25:01
何度もすみません、代理お願いします。

>>9
「いや、何も頭を下げることはない。俺の名は獅子堂 弥陸。『蒼魔』だの『銃王』だの大袈裟な呼び方をする奴もいるけどな…」

獅子堂の言葉は、予想とは違って不快感を含んでおらず、二神は僅かに目を見開いた。
こきこき、と左手を動かして、傷の問題がないことを確認する。いままで一度も問題が起きたことは無いが。

『銃王』。聞いたことがある。ここに来て余り日がたたない内に、本部の局員やスイーパーから何度か耳にした単語だ。
となれば、彼が銃に関する邪気眼を持っている事は間違いない。銃を使うが銃でなく、魔を使うが魔ではなく――

そう思った矢先に、彼の銃が焔を吹き上げ、不必要な衣服を一瞬で燃やし尽くした。
魔銃というのはどうやら本当のようだ。

「気が変わった。応龍会からの依頼を受けよう。蓮子さんにはもう少し謝礼金を渡さないとな」
「そう来ると思って1人分の枠を空けておいたぞ。では今から任務開始とする。依頼内容をプリントしてあるから読んでいけ」
「…気が利くな」

獅子堂もまた、自分と同じ応龍会の依頼を受けるようだ。
たかだか窃盗犯罪にしては、長引きすぎている印象もあるが―――

「アンタも来るか? 共闘ってのも悪くはないだろう?」

考えながら依頼された場所に向かおうとした時、不意に獅子堂から共闘を持ちかけられ、二神は怪訝そうに振り返る。

「共闘――?」

いつもなら、待機室で会ったスイーパーは皆同じように自分を避けたものだが。
どのような勝利を収めても必ず血みどろになる彼の周りには、今まで一人の共闘者も居たことが無い。

「――未経験だ。俺の能力や戦闘のスタイルは、貴方の『魔銃』と相乗効果を生むとは、保障できない」

好奇心、か、と二神は心の中で呟いた。奇異なものへ向けられる目つきも慣れている。
興味を持ってついてくる変わった人間もいたが、そのような関係も、好奇心の鮮度の劣化と共にすぐに消えてしまうのだ。

「同じ敵を撃破するなら、俺への誤射だけはしない事だ。自動的に俺の邪気眼の攻撃対象に入る」

そう言い捨てて、二神は踵を返た。本部を出ていく間際に、ぼそっと呟く。

「同じ場所で戦うなら…貴方への出来る限りの配慮はする。」

それが共闘を望んだ獅子堂への、彼の出来る最大の譲歩だったのだろう。
そのまま二神は本部から依頼された場所へ向かう。そう、異能者の激闘が行われているその場所へ。
後には赤い血の跡だけが残った。

【二神 歪、獅子堂の誘いを断り、単身で黒羽と紅峰の戦闘地点へ乗り込む】




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