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二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所5
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幻影島メインエリア──
暗闇のみが支配するこの場所で、一つだけ灯りを放つ場所があった。
それは青白く、人魂のような光にも見えた。
その光を放っていたのは、人ひとりがすっぽりと入れるくらいの巨大な試験管。
中は青色の溶液に満たされている。光の色はどうやら溶液の色だったらしい。
「どうだ? 気分の方は」
しわがれた野太い、あのワイズマンの声がその試験管に向けて放たれる。
いや、正しくはその溶液に全裸で漬かっている、キングに向けて放たれたのだ。
「はい、悪くありません」
キングが目を開け、答える。酸素マスクを着けているから声も届くのだ。
「そうか……それはなにより。しかしキングよ、わかっておろう?
一度失ったものはあらゆる科学や医術を持ってしても取り戻すことはできぬ。
その特殊溶液に代表されるように、人間の叡智には限界があるのだ」
「はい。だけど、ワイズマン様は……」
ワイズマンは、キングが言い掛けた言葉の続きを代弁した。
「そう、わしには叡智を超えた力がある。それを使えば、失ったものでも取り戻すことができるのだ。
例えどんなものであろうとな。しかし……」
今度はキングがワイズマンの言葉の続きを言った。
「僕が……いや、僕らが取り戻すには、ワイズマン様の目的が成就されてから、でしょ?」
「そういうことだ。わしの目的成就はあらゆるものに優先される。
キングよ、わしの手足となれ。主がわしの為に尽くせば、それだけ主の念願にも近付く。
それを忘れるな……」
「わかってます。我が心と体は全て、ワイズマン様の為に」
溶液の中でかしこまるキングの姿を見て、ワイズマンは満足そうに笑みを漏らした。
「フフフフフ……フッフッフッフッフッフ……」
──その笑い声は、いつまでも暗闇の中に響いていた──。
【キング:幻影島のメインエリアのどこかで溶液に漬かっている。】
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